第6話どーるくらぶinアリス

第6話どーるくらぶinアリス


惑星:地球 トーキョー 渋Y区


宇宙歴4998年 3月12日 10:02


兎丸は

ついさっき届いた自分の荷物の入った段ボールを開けていたが


手を止めた。


アリス「ぅゔ…」


兎丸「……」


アリス「ううっ…グスンッ」

そして自分の横でうずくまって泣いているアリスを見る

兎丸「………そんなにショック??」


思わず兎丸はそう言いながらアリスの手元にある日刊「プシュー」と言う雑誌の1ページを見た。






その1ページには

その場に居合わせたアンドロイドが町を救う!!

   相棒はまさかの地球人!?


などと言う見出しとともに


美脚ワームを倒す兎丸や

窓ガラスぶん投げるアリスの写真がちらほらと


だがしかしその中でも1番大き買ったのは

美脚ワームの残骸の中でゲロを吐く二人の写真


どうやら怪人から逃げていた民間人の中に記者が混じっていたようで一部始終をデカデカと記事にされていた。


アリス「うぅっ……まさか…俺の、俺のメディアデビューがこんな形になるな"ん"て"‥……

俺が想像してたのとぢがう"」

と記事を見てショックを受けるアリス


兎丸「そもそもメディアデビューをしようと思ってたことに驚きなんだけど。」


アリス「本当ならな。"天才的イケメンを突撃インタビュー!!"とかそう言うので取材受けて、話題になって依頼もいっぱいで言うのが俺なりの理想だったのに…ゲロって…うぅ。


かっこ悪い…いや、俺はもしかしたらカッコよくないのか?虫以下なんじゃないか…?今まで何か勘違いしてたんじゃ……」


といつもの忘れた頃にやってくるナルシストっぷりを発揮したかと思えば徐々に過小評価していくアリスを見て

兎丸は心底めんどくさそうな顔をする。


兎丸「……いや。まぁ

世間一般的にもアリス君、顔はいいと思うし。

イケメンは何してもイケメンなんじゃないの??」

と適当に言う兎丸


アリス「…ゲロ吐いてても?」

兎丸の言葉を聞くとバッと兎丸を見るアリス


兎丸「んぇ?あーうんうん。かっこいい。むしろイケメンのゲロってる姿なんてなかなかお目にかかれないからレアだよレア。」

と流石にわざとらしくおだてすぎたすぎたかと思いつつアリスを見ると


アリス「……だよな!そうだよな!!

なんか、この写真も輝いて見えるぞ。


俺でも気づかなかったかっこよさ…

兎丸は見る目があるな!!」

と本調子にもどるアホもといアリス


兎丸「……アリス君…外出先でビジュ褒められてもホイホイついて言ったらダメだからね」


アリス「いかねぇよ!

それに俺のファン礼儀正しい人が多いんだ

声をかけられたら名刺をまず提示してくれるし


その後に「お茶しませんか?」

と言われる事もあるけど…


そう言うのはちゃんと

断って握手ですませてる。


みんな平等に握手でファンサしてんだ。」


とドヤ顔で言うアリス

兎丸「君、割とポンコツだな」

絶対それファンじゃねぇモデル事務所とかのスカウトマンだと思う兎丸だった。





話題が変わり


アリス「あ、そういやお前、倶楽部って所属してるのか?」

立ち直ったアリスは先程の落ち込みようが茶番だったかのようにケロッと話題を変える。


兎丸「急な通常運転。

えーっと倶楽部って対宇宙怪人用アンドロイドが入るやつだったら入ってるよ!でも、なんてわ?」


と特に気に留める事もなく

兎丸用の食い物箱"と手書きで書かれた段ボールの中を漁りチョコレートポテチの袋を開けながら聞き返す


アリス「いやな?これに。


アンドロイドは

倶楽部という組織に入っておりそこからその倶楽部の管轄内での依頼を受けて怪人を退治するって書いてるから。


お前もどっかの倶楽部に入ってるのかと。」


と言う説明の書かれた

[初めてのアンドロイドのバディのための本]

を見せる

兎丸「でたなその本。

まぁ、いっか!入ってるのはね!

その名も"どーるくらぶ"!!」


アリス「名前だけ聞くと人形のみたいだよな、それ」

兎丸「そう?可愛いでしょ?


怪人退治指示とか怪人倒した後の報告とか携帯でできるから

そう言う仕事関連で倶楽部に行くことは滅多にないけど。


クリスマス会とか雛祭りとか七夕とかはイベントやってるから絶対行く。」


チョコレートポテチを食べつつ淡々と答える。


アリス「お前さてはイベント大好きっ子か。


まぁ、とりあえず明日そのどーるくらぶ行くぞ!」

と意気込むアリスに

兎丸「急にどして??」

と思わず食べる手を止める。

アリス「どうしたもこうしたも

今は俺がお前のバディだからな菓子折り持って挨拶行くのが筋ってもんだろ?

あ、待てよ、もしかしてアンドロイド以外立ち入り禁止だったりすんのか??、」


兎丸「菓子折り持って挨拶て、真面目だな。


まぁ所属してる倶楽部への出入りについて

特に決まりはないかな人間が直接足で依頼しに来ることもあるし」


アリス「へぇ、それなら尚更さっそく明日挨拶しなきゃだな。

本を参考にするのもいいけどやっぱり実際見てみないと


近々行こうと思ってたから昨日、お前の必需品買うついでにジャスコーで菓子折りも買ってたんだ。………….って、あれ??」

アリスはそう言いながら棚の中から菓子折りの箱を探すが一向に見つからない。


アリス「……お前….食ったな!?」

とアリスの額に血管が浮く


兎丸「…………(ぷぃ)」


とそっぽを向く兎丸のほっぺたをアリス両手で挟む


アリス「お前が家の甘味、片っ端から食うから

昨日の夜にお前専用の

食べ物箱用意したんだろーが!?


あの箱に入ってる甘味は食べていいけどそれ以外はちゃんと聞けって言ったよなぁあああ!?」


兎丸「分かったと返事をした覚えたない!」


アリス「屁理屈言ってんじゃねぇ!胃の中ブラックホールアンドロイド ゴラァ!!!」

と二人のくだらない抗争が幕を開けるのだった。

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宇宙歴4993年 3月13日 9:56


惑星:地球 トーキョー 渋Y区


結局。昨日兎丸をお説教後に近くのスーパーで新しい菓子折りを買いに行ったアリス

(※兎丸は余計なもの買うからお留守番だった)


そんな二人は本日兎丸の所属する

"どーるくらぶ"に向かう支度をしていた。


アリス「必要なもん持ったか??」


兎丸「おうともよ!うさぎのリュックについてるホルスターに傘もちゃんとセットしたよっ!」

と見せびらかす。

アリス「そのファンシーなうさぎのリュックになんで傘、専用のホルスターがついてんだよ…


ってやべぇ!もう出発しないと電車に乗り遅れちまう!!」


兎丸「うにゃん」


とアリスは菓子折りと兎丸を引っ掴むと慌てて家を出た。



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宇宙最大人工惑星 技術ノ星


なんとか電車に乗り込み目的地の


最寄りの駅で降りる。

兎丸「こっちから行くと近道だよ」

駅出ると兎丸は一つの道を指差しながら

言う


アリス「そうか、んじゃあここからは道案内頼むやわ」


兎丸「はぁい!」


10分程度歩くとそこには外見は緩やかなファンタジー小説に出てきそうな小さな家があった。

兎丸「ついた!!ここ」


と兎丸はその家を指差す


アリス「なんというかぱっと見こじんましたオシャレやカフェだな。」


兎丸「おぉ!割と当たってるぞ!その推理!

アンドロイドとか依頼人のためにある程度ご飯は出してくれるからね!頼めばなんでもでてくるんじ「やいかな?」


アリス「へぇ!」


兎丸「と!それはといといて!早く入って菓子折り倶楽部マスターに渡して開けてもらおう!」


アリス「おいといとって……待て、これも食う気か!?っておい!!」


と兎丸はアリスのツッコミをスルーしてビルの入り口へと走った。

自動ドアは兎丸に反応して静かに開く


中の生暖かい空気が吹き抜けた先に室内の景色が広がる。

アリスも駆け足で追いつくと兎丸と共に中に入った。





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どーるくらぶ室内

可愛い外装と同じように内装も森の動物が住んでいるようなファンシーさだった





ソファに座ったり立ったままだったり

まちまち散らばった人影は

そんな中に入ってきたアリスと兎丸を一斉に見る。


アリス「な、なんだ!?みんな一斉に俺たちの方を見たぞ!?

…これは……俺がかっこいいからだな…!」


というアリスに


兎丸「そのナルシスト発言はもう無視しでいい??ねぇ?」

と返す兎丸






そんな二人に倶楽部にいた何人かが声をかける。


一瞬静まり返ったホールないだったがすぐに歓迎ムードで賑やかになる。


「おぉ!兎丸、お前、

相変わらず派手に活動してるらしいじゃねぇか!


浅鳴さんに怒られなかったか??」


兎丸「怒られましたけどぉ!?」

「あ!隣にいるのは人間のバディの人ね!


新しい制度の実験体になったっていう!噂になってるよ!」

とパシッとアリスの背中を叩く


アリス「ど、どうも…??」


「兎丸ちゃん!兎丸ちゃん!今朝の雑誌見たよ!大活躍だったね!」


兎丸「でしょ??えっへん!!」

兎丸「とゆうか…なんか今日みんないるねぇ?どーかしたの?」


「あぁ、ちょうどみんな管轄の見回りがひと段落するして休憩のタイミングがかぶってるんだ」


と一通り倶楽部のメンバーにもみくちゃにされた二人に


??「ごきげん麗しゅう。どちびくそ兎。

おみゃーついにカプセルルーム追い出されたらしいなぁ!!!」


ドガッ!


と金髪の目立つ青年が話しかけついでに兎丸に頭突きをかます。


兎丸はその衝撃的後ろに体をさらせるがなんとか持ち直した。


兎丸「ごきげんよう。毒林檎、オラァッ!!追い出されたんじゃなくて新しい制度を試すために選ばれたんだもん!!」

兎丸は頭突きをお返ししそれを受けた林檎もバランスを少し崩すが持ち直す。


そして2人はただ組合を開始した。


アリス「どんな挨拶の仕方たぁっ!?」





「あらぁ、相変わらず仲良しねぇ。」


「また、林檎が兎丸に絡んでる。」


林檎「うっせぇ!外野ぁ!!」

と林檎と呼ばれた青年はズカズカと兎丸日か好きながら周りをいかくする。


兎丸「なんで今日に限って倶楽部(此処)にいるのさ!


あと、あれだからね?ちびちび毎回言うけど

そのうち、めっちゃ大きくなるもん!?」


まだまだどつきどつかれを続ける2人


アリス「吠えてるところ悪いけどその機体のままだと無理だぞ多分」


兎丸「うそぉ!?」


アリス「ほんと」

と二人が会話をしていると


林檎「俺も会話に入れぇ!

てか、おみゃーば兎丸のバディってやつだきぃな?

たしか雑誌に二人してゲロってる姿が載ってた」


アリス「ゲロ言うな!!」


林檎も再び会話に参加して賑やかになる。


とそこへ


??「こらこら、いきなり消えたと思ったらまたウサちゃんに絡んでんのかい?」

と服以外の全てが透明のおそらく男が話しかけてきた


アリス「透明人間?」


林檎「んあ?わーはちゃんと兎丸のとこに行ってくるつったぎぃ

ヴェールが休憩室に置いてあるゴル○13読み耽って聞いてなかっだきぃ」


透明人間……ヴェールはそうだったか?

と言いながら適当に聞き流した。


アリス「会話進めるのはいいけどお前らはいったんとっくみ合いをやめなさいよ。」


と思いだしたかのように問いつつ林檎から兎丸を引っ剥がす

ヴェール「取っ組み合いはいつものことだから。あんまり気に気にしなくていいぞ。


俺はヴェール。

透明人間じゃなくて正真正銘

対宇宙怪人用アンドロイドだよ


そっちの金髪もそうさ。」


と握手を求めてくるヴェール

アリス「あぁ…どうも、こちらこそ」

とヴェールの手袋をたよりに


握手を返すアリス

その横から


林檎「わーは林檎。超高性能なアンドロイドだきぃ!言っとくば兎丸なんかよりも強ぇきぃからな!」

と乱入する林檎


アリス「へー!そうなのか?」

兎丸「いやいやいや、私の方がちょっと強いからね!?アリス、魔に受けちゃだめだよ!」


林檎「んなわけねぇ!!」


兎丸「あるもん!」


林檎「いいば?そんな言うなら先月の総合ランキング見にいくだぎぃ。まだ俺も見てねぇかんな。」


兎丸「いいよ、林檎君が負けてたら今度地球に新しく出来るクレープ屋さん全種類奢りだからけ!」


林檎「お前が負けてたらリンゴの種プリーズギブミーだぎぃな??」


そう言ってまたまたおでこ合わせで張り合いながら二人は

一つの掲示板へと向かう。


アリス「なんだ今のいかれたやり取り…」


ヴェール「まぁ、アンドロイド特有さ。」


アリス「そうなのか……ところで総合ランキングって??」


ヴェール「あぁ、あそこの掲示板には全宇宙の対宇宙怪人アンドロイドの強さとかを全部ひっくるめた結果を月毎にランキング形式で表示してるのさ。」

とヴェールが指差した先には


1位COU型1番


2位OOK型7番

5位M I型5番

7位RIN型5番

10位RBT型0番


とヒューマノイドの型番でランキングが掲示されていた。


兎丸「負けたぁぁあ!!」

↑10位RBT型0番こと兎丸

林檎「っしゃ!勝ったば!!」

↑7位RIN型5番こと林檎


掲示をみて方やガッツポーズをし

方や膝をつく。


兎丸「ここ何ヶ月かは勝ってたのに…」


林檎「残念だぎぃな??俺の勝ちば!」


兎丸「今月は勝つ。来月も来来月も勝つ。」


アリス「だんだん、前前○世みたいになってきてるって。」

そこへ少し遅れて掲示板を見にきたアリスが突っ込む


アリス「………兎丸も十分強いと思ってたが上には上があるモンだな。」

それでも、10位ってすごいんじゃないのか?」


兎丸「今回はごく稀にあるたまたま調子が悪くてそれが反映されたランキングだっただけだもん

いつもはもっと上だもん

林檎よりも強いもん」

と拗ねたように返す兎丸。


林檎「あ"ぁ!?舐めた口聞くじゃねぇかボケ兎がテメェからぶっ飛ばしてやるだぎぃ!!」


兎丸「上等だアホ林檎今からでもやってやらぁ!!」


殴り合いを始める2人


アリス「ねぇ!?おかしくない!?ランキングに載ってるのってみんな対宇宙怪人用アンドロイドだよね?!仲間だよね!?倒そうとしてない??」

そんなアリスの困惑を


ヴェール「まぁ、彼らは会うたびにこんな感じだから気にしないでくれたまえ。」

となだめるヴェールだった。


と急に


??「貴方達、騒がしいわよ。」

黒髪の美女が現れる


兎丸「あ、メイコちゃんだ!!」


メイコと呼ばれる女、この女性もアリスである。

メイコ「2人ともトップ10常連としての自覚を持ってもう少し大人になりなさい。」

↑5位M I型5番


全くもう…言うメイコ


林檎「うっせぇっ!真面目!!

テメェも次はわーが追い越す!」


兎丸「5位すごいね!」



 

メイコ「ア、アンタ達ねぇ…ほ、褒めても何もあげないわよ!」



とメイコ

アリス「……あ、あのぉ」

そんな中アリスは申し訳なさそうに挙手をした。

メイコ「?、あらごめんなさい。何かしら?」


アリス「今日はこの倶楽部のマスターに挨拶しにきたんですけど…

今って不在なのか?」

本来の目的についてアンドロイド達に問いかけるが


林檎「しらん、影薄ぃだぎぃ。」


林檎と兎丸は一時喧嘩をやめて答える


メイコ「…ごめんなさい私も今日はまだ見ていないわ。

それに、影が薄いから」


ヴェール「今日はまだ見てないな。

いても気づかないことの方が多いしなぁ

影薄いから。」


兎丸「声かけられないと見つからん。

影薄いから」


アリス「そこまで言うか!?」


あまりにも無関心な表情で言う4人にに突っ込むアリス

そこへ


「あらぁリーダーなら外出中よ?」


「確か、買い出したっていってたな。」

遠くから話を聞いていたクラブのメンバーが口々に話す。


メイコ「だそうよ。」


アリス「…まじか」


ヴェール「まぁ、そんなにかからんだろうし。リーダー帰ってくるまで知りたいことがあれば聞いてくれ。」


アリス「そうだな…さっき、兎丸が言ってた別のクラブってこの星ににあるのか?」

ヴェール「あぁ、4大惑星ってあるだろ?」


アリス「あぁ…周りに衛星の存在している

地の惑星、火の惑星、水の惑星、金の惑星の4つだよな?」


ヴェール「そうそう、その五 4大惑星は衛星もあるし土地が広いからそれぞれアンドロイドがたくさん所属してる倶楽部という組織を構成して

だから五つある」


アリス「なるほど」


兎丸「ちなみに、どーるくらぶは

地の惑星とその衛星が管轄で

惑星:地球(ちきゅう)衛星:月

衛星:スイーテッド衛星:デアだな」


アリス「じゃあその管轄で怪人は俺たちが倒すんだな。」


林檎「大雑把に言えば そうだぎぃ」


メイコ「あくまでおおよその目安なんだけれどね。依頼されれば何処にでもいくわよ?

他の管轄から出張にくることもあるし。

五大惑星以外の衛星を持たない小惑星とかはその星のアンドロイドを所有してるところもあるけどいないところもあるからそういうところに出向くこともあるわ」

アリス「なるほど」

3人の説明を分かりやすくメモっておくアリスだった。


するとそこにどこからともなく


??「なんだか賑やかなところがあると思ったら兎丸くんが来てたんすね〜。」

と銀髪で目が隠れるほど長い前髪の青年が現れた、

「うぎゃぁぁぁぁあ!!!」

と見ながら叫んだり体を一瞬びくつかせる一同

兎丸「びっっっっくりしたぁ…ギンちゃん!」


ギンと呼ばれる青年


吟一「いやぁ、驚かせるつもりはなかったんすけど…すんません。」

兎丸「うん、ほんと影薄いよね!」


アリス「影薄い……ってことはあんたがここの倶楽部マスターか!」


林檎「わーたちにさっき突っ込んでた割にゃ、

何気にこいつも失礼だぎぃなぁ。」


吟一「いいんすよ〜、影薄いのは事実ですから。改めまして俺は吟一 音子と言います。ここの倶楽部マスターをしてます。」


アリス「はい!お世話になります。…えと…人間…ですよね?」

吟一「はい!君と同じ地球人っす!そうっす。ここはアンドロイドしかいないので分かりにくいっすけど。」

アリス「あ、いやなんかすいません。」


吟一「いえいえー

あ、輝夜くんから電話でわたしそびれたものがあるから渡しておいて欲しいと頼まれていたのでおちょうどご自宅に送ろうとしてたところだったんすよ〜。今渡しても?」


アリス「?もちろんです」


とアリスは吟一から分厚い本と機械的な指輪が手渡された


吟一「兎丸くんの説明書とRBT型0番の所有権限を証明する指輪っス、すごく大事な物なのに遅くなって申し訳ないっス。」


アリス「いいや、吟一さんは悪くないですよ。こんな重要な物を忘れていた輝夜には問題大有りだが…まぁ、惑星:ビタアから帰ってきたら諸々の事情で締めるから今はいい。」

とアリスは受け取った


兎丸「その指輪、無闇矢鱈と人に貸したりしないでね。指輪の所持者が私の所持者なんだから」


吟一「そうっスね、アンドロイドは自分の所有権限を証明する指輪を持っている人間の命令には逆らえないので悪用されかねませんし」


アリス「……そうなんですね。

ちゃんと肌身離さず持っとくよ」


兎丸「それでよし」

とえっへんと腰に手を当てる兎丸をよそに


アリス「あ、あとこれよければどうぞ。」

と菓子折りを吟一に渡した


吟一「これはこれはお気遣いありがとうございます。倶楽部のみんなでありがたくいただきますっす。」

兎丸「私も食べたい!!」


手を挙げてアピールする兎丸


アリス「お前昨日、菓子折り一箱食ったろ!?アホ!!」

兎丸「アホ言うな!!短気欲望忠実ナルシストゴリス君!」


アリス「なんだと??イケメンのお兄さんの間違いだろ?ワガママ暴食燃費最悪アンドロイド幼女。」

二人は額を合わせる距離で言い合う。

そうな二人を見て安心したように吟一は

みんなにアリスからの菓子折りを配る。

ヴェール「おぉ、もう昔っからの知り合いみたいに仲良しだな」


林檎「はっ!ガキみてぇな言い争いだぎぃがなぁ?」


メイコ「貴方と兎丸もあんな感じよ。」


林檎「んだば!!」


吟一「仲良くなってて何ヨリッス

っと仲良しなところ申し訳ないんすけど一様このクラブのアンドロイド達のお仕事内容とこれからのアリス君のお仕事のお話をしても?」

アリス「あ、あぁ。お願いします。」

吟一「はい。えーと管轄についてはさっき話していたようなのでそこ省かせてもらって。

アンドロイドの仕事は

管轄内で一つの星に1人のアンドロイドが丸一日見回りをするのと


どーるくらぶにきた依頼を受けるのが主な仕事っすね。


アリスさんは基本的に兎丸くんと一緒に行動してもらって

兎丸くんがもし壊れたら修理するなどのアンドロイドのサポートを。


あとあくまで実験期間なので

もし、アリスさんが何か他にも業務に取り入れてみたいことがあれば是非実践してくれると助かるっス」


アリス「分かりました。」

吟一「それから休憩に関してはちゃんとあるので大丈夫っスよ。

アンドロイドもエネルギーは消費するから

みんな仕事がひと段落したら今みたいにエネルギー補給に戻ってくるっす。」


兎丸「私はわざわざここに戻ってエネルギー補給する必要ないから休憩は仕事場所の近くでするけどね」


アリス「そうなのか?」


吟一「そうっスね。

ここに戻ってくるアンドロイドは動力源のエネルギーがこことVAD以外だと手に入りにくいからここにここに補給しに帰ってきてる感じっスね。」


アリス「そうか、兎丸のエネルギーって甘味だもんな」


兎丸「そゆこと。」


ヴェール「うさちゃんの動力源は本当に便利だよな。

俺や林檎は外では手に入らないから休憩の時はここに戻ってこないといけないし。」


林檎「VADよかこっちの方が駅が近けぇだぎぃ

そっち行くよりこっちの方がちけぇしな。」

アリス「なるほどな……

うん。仕事の流れは分かりました。


あとは兎丸みながら現場で場数を踏んで自分のやりやすいスタイル見つけます。」

吟一「はい、兎丸くんもアマチュアではないのでそれで問題はないと思うっスけど何か困ったことがあればいつでも聞いてくださいっス」


アリス「はい」


とそこに


吟一の携帯電話が鳴り響く。


真剣な顔をして連絡を取った吟一を見てその場にいた全員が静まり返り吟一をみる。

吟一「…!はい…こちらどーるくらぶ、マスターの吟一です。……はい…はい。わかりましたすぐにアンドロイドを派遣します。」

しばらくして吟一は電話を切る。


倶楽部にいた全員が吟一に注目する。


兎丸「怪人が出たの??」

真っ先に声をかけたのは兎丸だ。


その顔つきはとてもありえないくらいに真剣なものだ。

吟一「はいっス。衛星:デア

小さなアミューズメントパーク…つまり遊園地の従業員の方からです。

意思疎通のできるらしのでおそらく中級以上の怪人だと思われるっす。」


兎丸「……なんだとっ…」

アリス「(確か怪人には3回級あって下級、中級、上級があるって"初めてのヒューマノイドマスターのための本"に書いてあったな。

この前のキモいミミズ足でさえ下級だったのにやっぱそれ以上だと相当手強いのか??)」


兎丸の驚いた表情をみてアリスの表情も


兎丸「……つまりあれだな…怪人倒したあとにお礼とかで遊園地貸切とかできるかもってことだよね!?私行く!!行きたい!!はい!はいはい!!」


アリスは思わずその場でこける。

アリス「おいぃぃい!!危機感どこに置いてきた!!」


兎丸「危機感(そんなもん)はない!」


アリス「ダメじゃねぇか!持ってないと!」


吟一「貸切は無理っすけど怪人退治してくれれば退治料金にプラスしてワンデイのフリーパスをつけてくれるらしいっスよ?」


アリス「それ、もしかしてさっき通報してきた人が言ってたのか!?なに、ちゃっかりお礼はフリーパスでみたいな会話してんの!?

余裕じゃねぇか!」


ヴェール「まぁ意思疎通ができる分、通報するから待ってほしいくらいは聞いてくれる怪人もいるだろ。」


アリス「うそぉ怪人そんなでいいの!?ねぇ!?」


林檎「んなこたぁ、どうでもいいんだぎい!!

わーが退治してぇだぎぃ!!」


アリス「どうでもいいの!?」


「あら、なら私も退治行きたいわ。フリーパス欲しいもの。」


「僕も!」


「うぉぉおおお!!」


と次々と立候補したり意気込んだりするヒューマノイド及びマスター達。


吟一「みんなやる気満々っスねぇ」


ヴェール「フリーパス欲しいやつがほとんどだけどな。俺は興味ないから譲るよ。」


メイコ「わ、私も結構よ。子供っぽいテーマパークの類は興味がないもの。」


兎丸「うそだぁ!?」

メイコ「ほ、ほんとよ!!人間の子供じゃないんだから!」


吟一「あははっ、

さて、それでは怪人退治の依頼を受けたいアンドロイドはじゃんけんするっスよ〜


勝った2人が依頼を受けるということで」


アリス「なんでだっ!!!」


とアリスの訴えをよそに


吟一は最初はグーと手をかがげで

フリーパスが欲しいアンドロイド達はその勝負にじゃんけんぽんで参加した

そして勝ったのは


兎丸「シッァ!!フリーパスゲット!!」

ともうすでに遊園地フリーパスのことしか頭にない兎丸とそれと一緒に行動しなければいけないアリス


そして


林檎「なんでわーと兎公セットなんば!わー、一人で十分だぎぃ!」

兎丸を敵視する林檎という組み合わせに


ヴェール「どうーどうー、仲良くしろ〜」

お怒りの林檎を適当に落ち着かせるヴェール





アリス「なんだかもうすでにチーム崩壊の危機なんだけど!?」


メイコ「不安ね。」


そんな2人を見てアリスとメイコは先が思いやられるのだった。

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