第4話おでかけ、おこられ、おびえて、おーまいがー

第4話おでかけ、おこられ、おびえて、おーまいがー

((ナレーター視点))

宇宙歴4998年 3月11日 10:48


惑星:地球 トーキョー 渋Y区 


大型デパートジャスコー

アリスと兎丸の共同生活が始った翌朝。

早速、兎丸に必要な物を買いに大型デパートその名もジェスコーにきていた。


最寄駅から電車で。


もちろん兎丸は可愛いウサギのリュックとフリフリの傘を持って。







デパートの一階フロアを馬鹿でかいカートをおして歩くアリスと

軽やかな足取りであたりを見回しながら歩く兎丸


アリス「シャンプーとかの消耗品は取り敢えず新品を買っておくか……


服と布団はあるんだよな?」


兎丸「うん!でもお皿がない!ご飯はVADの食堂で食べてたからマイお皿、必要なかったし」


アリス「分かった。


しかし、子供用品って言っても結構するもんだな…

服とかも買い替えないといけない日が来るだろうし。


この費用は"対ト"に請求できるんだっけか?

よし、しておこう。


でないと俺の貯金がいつのまにかからになる。


うん」


とぶつぶつと商品とメモを見ながらぶつぶつと呟く


兎丸「!!」

それをよそに兎丸はフラフラと、

とある店の展示ケースに目を止め立ち止まる。


アリス「?おい、兎丸。

そっちになんかあるのか??

言っとくけど余計なものは買わないぞ

経費で落ちなくなる可能性もあるからな。」


と兎丸の様子を見に近づつ。

アリス「…………!なんだ食器か。


(ふーん、さてはこのうさぎの柄の食器セットが欲しいんだな。なんだかんだアンドロイドと言っても子供らしいところもあるんじゃん。)」


兎丸の後ろから展示ケースを覗いたアリスは

なるほど察したぞと得意げな顔をする。


アリス「どれが欲しいんだ?」

そして念のためと思い聞く。


兎丸「!!これっ!このうさぎ柄の食器セット!」

アリスの予報通りうさぎの食器セットを指差しながら


目を輝かせながら言う兎丸


予想以上に嬉しそうにいうもので思わず呆気に取られて目をまんまるにすることアリス


兎丸「??どったの?ダメ?…?」

そんなアリスに不安そうに聞く


アリス「い、いやそう素直に言われると思ってなくてびっくりしただけだ。気にすんな。

俺もキャラモンの食器とか高校の時とかも全然持ってたし。」


と腰をさすりながら立ち上がるったアリス


兎丸「よし!そうとなったら早速買おう!!」

そう言ってお店の中に入る兎丸

その後に続いて入るアリスはというと


アリス「(そういえば服もふわふわしたの多いと思ってたけど、やっぱ好きなのか可愛いの)」

とか妙に納得しているのであった。



____________________________



大型デパートジャスコーの外


無事に全ての買い物が終わった2人は


買ったものが夕方に届くように宅配を頼み領収書だけ貰うと、手ぶらで店を出た。


アリス「よし、買い物は終わったな。」


兎丸「何事もなくてよかったね。」


アリス「何事もなかった……か??」


______________回想______________


ジャスコーの中の本屋さんで


兎丸「ねぇ

あれ欲しい!!あのキラキラポーチのついてるご本!!」


アリス「今日はダメ。必需品だけ買いに来たんだから。

まだ他にもよるところあるからかさばるし」


兎丸「やだっ!!欲しい!欲しい!買っていいよって言ってくれなきゃアリス君のベッドの下にあるエ◯本でドミノ作ってやる!!」


アリス「なんで在処知ってんだゴラァ!!」

と顔を真っ赤するアリス


兎丸「昨日アリス君が風呂入ってる間に頑張って探した!」

とドヤ顔の兎丸は


アリス「頑張るなぁあ!!!」


こうした攻防の結果アリスが負けたのだ。


兎丸Win

______________回想終了____________



そして今は宇宙電車を待つためにホームに立つ2人


アリス「…………うん。

次は、対宇宙怪人用アンドロイドサポート協会に行くぞ」

と記憶を消すかのように頭を振ってから

兎丸に声をかける


兎丸「えっ行かなきゃダメ?」

と何故かかなり嫌そうな兎丸だが


アリス「ダメ

お前の必需品の金額請求しないといけないし。

これから俺も色々お世話になるだろうから場所は把握しておきたいし。」


[初めての対宇宙怪人用アンドロイドのバディのための本]


とどこからもらったのか

ドンピャなタイトルのを読みながら話す。

兎丸「その本どこで買ったの。」


アリス「ん?ポストに入ってた宛名がVADだったから輝夜が送ってきたんだろたぶん。」

時に気に留める様子もなくその方を黙読するアリス


そこへ対ト行きの宇宙電車が来るのだった。



____________________________


宇宙最大人工惑星

通称:技術ノ星


電車に揺られ1時間、地球を出て宇宙空間をはしていた列車は技術ノ星へと電車が入り込んだ


兎丸は爆睡中(スリープモード)になっているようだ。


(次は〜対怪人用アンドロイドサポート協会の地下駅。対怪人用アンドロイドサポート協会の地下駅です。)

と言うアナウンスを聞くと


アリス「おい、兎丸。次で降りるぞ」


アリスは小声で兎丸の肩を揺らすが全く起きない。


アリス「おい、おいってば…(くっそ!こいつ全然起きねぇ!!シャットダウンしてるからか!?大声出すわけにもいかねぇし…)」

そうこうしているうちに

対怪人用アンドロイドサポート協会の地下駅に着いてしまった。


アリスはヤケクソだと言わんばかりにフリルの傘をを持ち兎丸をおぶって電車を降りた。


側から見れば不審者である。


アリス「うぉら!起きろぉぉおお!!」


アリスは周りに誰もいないことを確認すると

電車の中で出せなかった声量叫びながら思いっきり連続でジャンプしておぶっている兎丸を起こす。


兎丸「うぎゃぁぉあ」

振動を感知した兎丸の体は緊急的に

情けない声をあげながら起動した兎丸。


兎丸「なに!?起こすんならもっと優しく起こしてよ!!そんなんだから彼女の一人もできないんだ!!。」

と言う兎丸を


アリス「〈ブチッ〉なんで知ってんだぁぁぁあ!!」


(グリグリグリグリ)

アリスは無言兎丸のこめかみをグリグリする。

アリス「何か俺に言うことは?」


兎丸「お、起こしていただきありがとうございますです。」

とこめかみを自分の撫でながら言う


アリス「どういたしまして。あと一様言っとくが俺が彼女いないのは俺の顔が良すぎるからだ。ほら、なんだあのー、逆に?と言うやつだ。」


兎丸「そのたまに思いだしたかのように出る

弱ナルシストはなんなんだ??

顔がいいのは本当だから突っ込みにくい」


と真顔で言う兎丸だった。


______________


対宇宙怪人用アンドロイドサポート協会内





地下の駅にあった階段から上へ登るとすぐ目の前の自動ドアの先に"対ト"の総合案内所を見つけるアリス





アリス「良いか。大人しくしてろよ。絶対余計なことはするな。」

兎丸にそう忠告してから自動ドアをくぐる。


兎丸「……うい。」

兎丸はアリスの言葉を聞きつつなぜか周りをキョロキョロと警戒する


アリス「??、ほら行くぞ」

そんな兎丸の手をとってアリスは受付へと進んだ


受付「ようこそ、対宇宙怪人用アンドロイドサポート協会へ。此処は総合案内課です。本日はどのようなご用件でしょうか?」


と受付の人間の女性が丁寧に挨拶する。


アリス「あー、アンドロイドの必需品に使った金銭を請求したいんですけど」


と先ほどとは打って変わっておとなしそうに尋ねるアリス


受付「はい、かしこまりました。

ではこの先をまっすぐ進んで3番窓口と5番窓口の先の7番窓口アンドロイド必需経費申請窓口に領収書をお出しください。」

カウンターの地図で説明を聞いたあと

アリス「分かりました。ありがとうございます。」


ひとことお礼を言い。アリスは7番窓口に向かおうとする。


それを横目に兎丸はそっと抜き足差し足で

別方向へと向かおうとする。


がしかし


(ガシッ)


兎丸「うぅっ…」


アリス「どこへ行こうと言うのだね??兎丸さん?」

兎丸が逃げるのに気づいたアリスが肩を掴みそれを止めた。


兎丸「て、手続きしてる間暇だからその辺散歩に….」


アリス「何言ってんだ。

お前が居ないと俺みたいな一般人が

アンドロイドの必需品を請求する理由が説明できないだろ。


本来請求するのはVDRの職員なんだから」


とまたまた


[初めての対宇宙怪人用アンドロイドのバディのための本]を読みながら言う


兎丸「確かにそうだ。

でもね?聞いてくれアリス君。

私は分け合って5番窓口に付かずきたくないんだよ。」

と演説する。


アリス「そうか、なら引きずって言ってるよ。」


兎丸「いやぁぁぁあ!!」


そして何故か半泣きの兎丸はアリスに引きずられながら5番窓口へと近づく





そして兎丸がなぜか嫌がっている5番窓口を通る時にアリスは立ち止まり


窓口の案内板をみた。


アリス「5番窓口清掃部門??んで?なんでお前は此処が嫌なんだ?」


アリスは引きずってきた兎丸をそのままに


兎丸に聞く


兎丸「アリス君、頼むから立ち止まらないで私を隠しながら目的地まで行こうお願い。」

とめちゃくちゃ早口で言う兎丸



アリス「さっきからほんとなんなんだよ…」

と思わず突っ込むが


兎丸の口は頑なに閉ざされたままだ。

とそこへ


??「おや?兎丸さん?」


2人の背後から紫色の髪の青年が現れた


兎丸「ミ°」


兎丸はすぐさまアリスを盾にした。


兎丸「おおおおぉ、お久しぶりです。ネズさん!!」


ネズと呼ばせて青年はニコッと微笑むがその笑顔はまるでハリボテのようだ。


アリス「え?なんだ?知り合い?」


兎丸「いい……ぇ……はい!」


アリス「どっちだよ。」


ネズ「初めまして。"対ト"清掃部門のアサナリ・ネズと申します。貴方は?」

ネズは丁寧にアリスに名刺を渡した。


アリス「あぁ、えっと譜和アリスです。

えーと分け合って兎丸とバディを組んでます。」



ネズ「あぁ…輝夜さんからお聞きしております。

今の兎丸さんの保護者はVADではなくあなただとか。


ちょうどよかった……今、お時間よろしいですか?」

と表情を変えることなく問いかけてくるネズという男


アリス「えぇ、まぁ。」

アリスはなんの疑問もなく返事をした。


ネズにどうぞお座りくださいと言われた椅子に腰掛けるアリスと兎丸


ネズ「早速本題ですが。兎丸さんは何故私に引き留められたか分かりますよね??」


兎丸「………………え、えっと…何故でしょう。」


ネズ「怪人の倒し方についてです。

貴女が怪人を倒した現場が毎回あまりにも

芸術的にとっ散らかってるもので

それを片付ける我々も大変困っているんです。



…………ところでこの話は何度目でしょうか?」


兎丸「ああああ、あれは不可抗力というか………思って……すんませんしたぁあ!!!」

と全力で頭を下げる兎丸


ネズ「いえね?アンドロイドさん達には怪人を倒していただいて大変感謝しています。


我々清掃部門の人間も後始末するのが仕事です。


ですが、明らかに必要以上に暴れ回ってますよね?


メディア受けとか考えての大盤振る舞いなのは分かりますが我々のことも考えていただきたいです。」


兎丸「……ひゃい!!!」


ネズ「譜和さん」

といきなりアリスの方へとネズは視線を変えた



アリス「は、はい」

と話になかなか入り込めなかったアリスはネズに尋ねられてようやく答えた。

ネズ「今まではVADの方にお伝えしていたんですが今回からは貴方にお伝えいたしますね。



これは我々"対ト"がアンドロイドさん全員にお願いいていることです。


怪人を倒す時はできる限り街を汚さないようにしていただきたいのです。


怪人の血飛沫ってなかなか頑固なので。」


アリス「な、なるほど。」

表情変わらずいうネズにタジタジと返事を返すアリス


ネズ「…ところが兎丸さん。

全くお願いを聞いてくれないんですよ。


ねぇ?兎丸さん?」 



兎丸「ひぃい!!」

兎丸のアンドロイドとしての全機能が悲鳴を上げる。


アリス「(そ、そんなに怖いのかネズさん。

そうなふうには見えないけど)」


アリスはずっと怯えている兎丸を横目に話をなく

兎丸はその間、寝るでもなくフラフラどこかに行くでもなく大人しく座っている。



ネズ「と言うわけで、譜和さんには兎丸さんの保護者としてしっかり教育をしていただきたいのです。


余計な汚れが増えないように。


VADの時はアンドロイド全体を管理していて

活動している一体一体の個別教育は難しかったのでしょうがマンツーマンであればできるかと。」


譜和「わ、分かりました。やってみます?」

譜和はぽけっとした顔で聞き返す。


ネズ「ありがとうございます。"くれぐれも"お願いいたします。………….もしこれからも何も変わらず無駄が増えるようでしたら」


ネズは笑顔のまま

どこからともなくチェーンソーを取り出し掲げる。


アリス「うおおぇおえ!?どっから出した!?!?」


兎丸は隣で声にならない声でアワアワしている。


ネズ「連帯責任でお二人のことを解体することにしましょう。


これ、最近気づいたんです。言葉だけではダメだと思い切って実力行使するべきだと。」



兎丸「おおおおお落ち着いてネズさんん!!

ごめんって!本当にごめんってば!!!後悔は毎回してるんだよ!?反省してないだけで!!」


アリス「兎丸ちょっとお口チャックぅ!!」

と兎丸を机に叩きつける。


アリス「あの、しっかり行って聞かせますから!!だから切らないでぇ!!その物騒なもんしまって!!」


ネズ「そうですか?それはよかったです。」

そう言うとネズはチェーンソーをしまう。


アリス「はい!!!喜んでくださって何よりです!

そ、それでは急いでるので失礼しますぅ!!!」


アリスはそう言うと兎丸を抱えて


全力で対トから出た。

______________________

対ト地下駅


アリス「な、なんなんだあの人!?

クソこえーよ!!


てか、お前も必要以上に暴れるのやめろよ!」


と超高速で逃げた後に

兎丸の方をがっしり掴んで半泣きで揺らす。


兎丸「ね、ねねねねねネズミさんは、

対トの中でもやばい部類なんだよ。

建物壊したりしても怒らないのに


必要以上に汚したらめっちゃ怒るんだよ」


アリス「えぇ…」


「しかも今回はまじでやばい…


今まで派手に汚すたびに

洗われたり。埋められたり。飛ばされたり。

はしたけど。今回はそれ以上にやばいしまずい。」


と顔を真っ青に震えなが説明する。


アリス「洗われたり。埋められたり。飛ばされたりって何!?


てか、その上でまだ繰り返してたのか!?バカなのか!?なんで!?」


兎丸「下級怪人の血ってやたらカラフルで可愛いから。つい?」



アリス「理由が怖すぎる!」



という兎丸の声と共にに電車が到着するのだった。

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