3-2 全員の経歴を紹介しようと思います、雑ですけど

 さてそれでは早速、一番さんから。

 一番さんは【椅子無双】という事ですが、どのような展開だったのでしょうか?


「えっと、授業中に異世界転移して。それから最初に触った物が武器になるって言われたんです。そしたら座ってた椅子が適応しちゃって。それで椅子ぶん回して戦うことになりました。椅子を使うと強化されるので、ゴブリンとかオークとかを勢いよく――」


 モンスターを無双するお話だったんですね。

 きっとさぞかし良いスコアが稼げた事でしょう。


 では次、二番さんは【掃除機無双】でしたね。如何でしょう?


「転生後に欲しい武器はと言われて。悩んだ結果、死ぬ前に使ってた掃除機になったんですよ。戦いとかあまり興味が無かったもので……。それで異世界に付いたらドラゴンが襲い掛かって来まして、それで――」


 力を試すのに丁度良い相手ですものねドラゴン。

 この後は美少女化かな?


 では次、三番さんは【段ボール無双】ですね。これ期待していいですか?


「元運搬業だ。転生後、段ボール製造技術を駆使して魔法小包爆弾を造る事に成功した。そこでターゲットに配送し、爆殺。暗殺者として十分な成果を上げたはずだ」


 そうですか。

 異世界で段ボール、便利そうですもんね。


 では次、四番さんは【パジャマ無双】。武器ではないとすると……?


「馴れた服じゃないと夜眠れないんですよー。でも寝る時襲われたら嫌じゃないですかー」


 ですね。

 守り、大事ですよね。


 では次、五番さんは【キャットタワー無双】でしたっけ。あれ、これ武器?


「ああ。このタワーに乗ってくれる猫を探している。その為にも俺はたとえ血に染め上げようとも戦い続けるつもりだったんだ。このオリハルコン柱とゴルゴン麻ワイヤーのキャットタワーで」


 五番さん、現地人ですよね。

 それなんでキャッタワにしたんです?


 では次、六番さんの【靴紐無双】はどんな感じですか。


「転移前は暗器に憧れてて、転移後に『靴紐を暗器として扱えばカッコ良さそう』なんて思いつきましてね。最初はガチで戦ってましたが、最近では――」


 暗殺者ですね、さっき聞いたので知ってます。

 ワイヤー暗殺者鉄板ですもんね。


 では次、七番さんは【フライ返し無双】。アットホームそうですねー。


「あのね、私料理が大好きで! 転移した時に武器を一つ選べって言われてね、おたまか、フライ返しか、菜箸かって悩んだものよ。それでフライ返しを選んだらほら! 敵がサクサク切れるじゃない? それでおばちゃん夢中になっちゃって!」


 そこでどうして包丁とかフライパンを選ばなかったのか。

 お優しいんですね。


 では次、八番さんは【ベッド無双】とか。あの寝るベッドですよね?


「特殊能力でベッドリスポーン能力もらって生まれたもんでな。なので能力を生かす為に常々持ち歩く事にしたんだ。夢はベッドマスター、最強のベッド使いになる事。その為に専用のベッドウェポンを造り、武器として扱えるようにもしている」


 そこで武器として扱う事を選んだ発想は秀逸ですよね。

 コテージを九九個持ち歩くよりはずっと現実的です。


 では次、九番さん【スカート無双】ですが、これはどうなんでしょう?


「転生前は女性に憧れていた。スカート履きたいって。そうしたらスカートの無い世界に転生できたんだ。だから俺はスカートを造り、履いて戦う事にした。すると、その欲望の力で劇的な強化が――」

 

 あらすじか!

 どうも発想が斜め上過ぎて付いていけそうにありません。


 では次、一〇番さんの【フィギュア無双】。どう戦うのかは興味あります。


「金型魔法を使って一杯フィギュア量産してさ、可愛い子一杯作っちゃってぇ! 転移前では出来なかった二.五次元ハーレムを――」


 それ本当に無双してるんです?


 では次、一一番さんの【ウニ無双】ですがこれはオチが見えました。


「えーそれじゃ話す意味ないじゃないですかー。まぁ想像通り、ウニって手に持つと、痛いよね。でも敵倒さないといけないし。呼び出して、投げるしか無いんだよね、全力で。痛いよー。異世界ウニ、致死毒持ってたりするし。耐性あっても辛いのなんのー」


 ですよね。


 では次、一二番さんの【リモコン無双】。これは意外と強そう。


「フッ、私のリモコンから発する思考電波は相手の記憶をも操れる。だが欠点は電池切れだ。こいつを完全にするには充電手段を何とかしなければならない。しかし異世界ではそれも簡単には叶わないんだ。クッ、私としたことが何たる凡ミスを――」


 やけに設定深いですよね。

 まず充電手段探しから始めるって。


 では次、一三番さんの【マタタビ無双】。粉物……?


「そうだにゃー! 転生前は猫に憧れたら、マタタビパワーアップの能力もらったにゃー! それで悪い奴を無双するのにゃー!」


 ポテンシャル高そうですよねー。

 この明るさは人気出そう。


 では次、一四番さん【KDM無双】――KDMとは?


「体毛を纏う者ならば誰もが怖れる物だ。酷く成れば皮さえ引き、自由に動く事さえ叶わなくなるだろう。俺はそのKDMを自由に創る事が出来る。なれば毛深い獣人共は泣き叫ぶ事だろう。俺は奴等の天敵とも言える存在なのだ」


 アッハイ。けーだーまーですね。

 確かに恐ろしい。


 では次、一五番さんの【ディスク無双】という事ですが。


「ボクの敏腕ディスクテクニックが火を噴くぜ! 今だ必殺フリスビースライサー、ヤバい鳥人類もこれで一発さ。ヘイ、ヘイ! 生産量が命の武器! 投げる辛いよ灯の武器!」


 YO! YO! ノリノリワタクシ意味わからん!


 では次、一六番さんは【綿棒無双】ですが。限り無く心配です。


「あたしね、綿棒で催眠術するの。それでね、おねむした敵さんの耳元で囁くの。呪いの言葉、絶命の呪文を一人づつ、一人づつ」


 怖ぁい!!

 想定していたのよりおかしい方向でずっと怖いよ!!


 では次、一七番さんの【素麺無双】とは?


「我が流派は麺闘法・素麺の技。拉麺拳やパスタッシングといった汎用麺闘法と異なる秘伝の技術だ。そして麺金術の力を駆使して作り上げた特性麺を駆使し、多くの麺闘士達と常日頃戦い続けている。だが負けはしない。私の麺はミスリル製だ」


 そうですか。

 コシがありそうですね。


 では次、一八番さんの【大根無双】です。これ少し期待してたんです。


「ボクの力は大根に活力を与える事。これでどんな病気もイチコロさ。ただ一つ欠点があるとすれば、そのままどこかに突き刺す必要が――」


 アウトーッ!!

 大根の使い方絶対間違ってる!!


 では次、一九番さんは【塩対応無双】。別の意味で攻撃力高そう。


「貴様の個人的判断で決めつけるんじゃあないッッッ!! このウスノロがァァァ!!」


 ですよね。

 塩対応ですもんね。


 では次でラスト。

 二〇番さんの【アルティメットキングスバハムート無双】。


 あ、いや、やっぱりいいです。


「何故だ。私はこの腕に刻まれた邪龍紋章テスタメントビジョンに誓い、無理をしてこの場に馳せ参じたというのに。この力があれば我が左腕に宿る化身、究極伝説竜王アルティメットキングスバハムートが力を貸してくれる。呼んだのがたとえ剣一本奮う事の叶わない虚弱な俺であろうとも――」


 以上が本日のゲスト様達の経歴となります。

 では一旦CMでーす。


「しかし俺は諦めなかった。この力が暴走しようとも!! だが、それで気付いたのだ――」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る