世界探索06日目 苦があれば楽もある

翌朝...。

「おはよう世界!」

「まだ数日しか経ってないのにテンションアゲアゲだねぇ望千乃ちゃん。」

「別にいいじゃん!みんなに会えたんだし!」

「まあね。さ、みんな起きようか。」

「おはよ~!」

いつもより気分の上がる朝を迎えた。まだあんなことになるとは知らずに...。

「さあ、朝ごはんと行こう!」

今日の朝ごはんはいつものご飯だった。白米にきゅうり。さらに味噌汁がセットとなって出た完全なる和風グルメだった。いや、魚がないので和風とは言えないかもしれない。みんなはこれを25分で食べ尽くした。すると...。

『マギー博士より、お届け物です。』

とAIが言った。もしかしたら望千乃のおしゃれ着兼探索専用服が来たんだと思う。いや、確定だ。

「わあ、来たぁ!」

「開けてもいい?」

「いいよ。一回試着してみ?」

「わぁ!懐かしい!マジでありがとう!」

「着てみるね!」

「おい、良神広、目ぇ隠せ。」

「言われなくてもわかるわw。」

着替えているとき、2人は小声で会話していた。

「すごい温かい!このふわふわなところとかもマジでいい!細かいところまで再現されててしかもこれがタダなんて...!めっっっっっちゃ嬉しい!!」

「「「「「「めっちゃかわいい...!」」」」」」

「昇天しちゃいそう...。」

「ぶっ!」

「良神広!?」

「あちゃ〜...。こりゃ尊さで鼻血ブーしてるよ...。」

「ゔゔ、ばなじが...。(うう、鼻血が...。)」

「ちょっと良神広!鼻血出てるぞ!」

「だれがでぃっしゅ...。(誰かティッシュ...。)」

良神広は望千乃の可愛さに負けて鼻血を出してしまった。それほど尊かったようだ。

しばらくして...。

「よし、治ったぜ!」

「じゃあいこっか!望千乃ちゃん初の探索へ!」

「お〜〜〜〜っ!」

私達はロケットに乗り、着地地点へと飛んでいった。

その間に、今日の探索ルートを確認した。

その瞬間、竜の世界は雲に包まれた...。

10分後、雲を抜けてついたときには雨が降り始めていた。

「あれぇ?雨だ。」

「気をつけて。雨に濡れると防寒機能を失ってしまうから。なるべく大きい傘を出して。」

「なんで知ってるの?」

「マギーさんが言ってた。」

「あ~ね。」

「さぁ、分担しようか。」

「今回は、望千乃ちゃんが私達のチームに入って。あと良神岡も。」

「あとはいつも通りで。」

「「「「はーい!」」」」

「集合時間は、17時!」

「OK!解散!」

今日も探索が始まった。望千乃はデビュー探索日となる。ここの世界のことを探索しながら教えていこう...。

それに、望千乃はしばらく動いていなかったので、あんまり動きすぎると撃沈してしまうかもしれない...。ここは彼女のペースに合わせていこう...。

「さて、行きましょうか!あんまりはしゃがないでね!」

「はーい!」

「今日はここに行こう。もしかしたらなにかあるかもしれない。」

「直感を信じるんだ!良神実!」

「いや、あんまり信じたくない。私の直感はいつも悪い方にしか向いてないから。」

「そっかぁ〜。まあ、いいか!結果が良ければいいんだ!うん!」

「そうだね。」

「2人共、ここでポジティブシンキングしてる場合?もうここの時間軸で30分経過してるんだけど...。」

「あ、いっけない!」

「出発!!!」

3人はようやくスタート地点から出発した。するとすぐに何かを見つけた...。

「なにこれ?黒い粉?」

「よくわからないなぁ。近くに木の棒があるから火を起こしてこれがなにか調べる?」

「そうだね!」

3人はこの物体を調べるため、近くにあった木の棒を集めて火を点け、この粉を熱した。すると白くなって、空気は熱いがとても美味しいと感じた。

「これはもしかすると酸化銀だね。白い部分は銀だと思う。」

「そうなのか!一応仕舞っておこう!

「さあ、次行こう!」

3人は更に奥へ歩き続け、前来た穴のところまで来た。だが、その穴は岩で埋まっていた。前来たときはここにあった岩をどけてこの中に入ったが、なぜ埋まっているのだろうか...。謎だ。

「あれ?ここって確か...。うん、そうだよね。旗がある。折れてるけど...。」

「あ、ホントだ。またどかしとくか。」

「でもさ、なんでここにまた岩が埋まるのだろう?」

「謎だらけだ...。」

「一回どかそう...。」

3人は協力してこれをどかそうとした。その瞬間、大きな影が、私たちを襲った...。

「ん?」

私はすぐに気づいた...。そこには...。

「き、恐竜!?!?!?!?!?!?」

恐竜がいたのだ。今にも良神実たちを食べに来そうな様子をしている...。

「不味い!一旦逃げろ!」

良神岡が言った次の瞬間...。

プスッ!

ぎゃおおおおおぉぉぉぉんん!!

「うぉぉぉこっちにくるなぁぁぁぁぁ!!!!」

ドスン!!!

「な、何が起きた!?」

みんなが逃げた数十秒後、恐竜が倒れた。いや、死んだ。一体何が起きたというのだろうか...。

「あ、みて!」

「誰かいる!」

「うぁっ!もう消えた!」

恐竜のそばには見知らぬ人がいたが、すぐに消えてしまった。

「あれ...?どこかで見たような...?」

「ま、とりあえず危機を回避できたから次に進もっ!」

「そうだね。早くこの場を離れないと二次被害に遭う。」

私たちはそう言いながら先へと進んでいった...。だが、私にとって心当たりのある人物だった...。

その道中、たくさんの大きな岩があった。それらをどかしていったが、穴とかまったくなかった。

「残るはこれだけか...。」

「じゃあ、行くよ...。」

「「「1,2,3!」」」

ゴロゴロと音を立て、岩が動いていく...。すると...。

「穴だ!」

「マジやん!」

「印つけよ!」

「なにか見つかるといいね!」

「ね〜!」

そんなふうに話していると、遠くから私の方へ人が近づいてくるのを感じた...。

「まって、誰か来る!」

「「え?」」

ガサガサ...と音を立てて草むらから人が出てきた。

「あ、あなたは!?」

草むらから出てきたのは、私の友達、早乙女奏と姫野桜だった。

「あえて嬉しいよ。よしみん。」

「こっちこそ!まさかここで会えるなんて!」

「あ、良神岡ちゃんに望千乃たん!お久しぶり!」

「「どうもぉ!」」

「思ったんだけどさ、なんでここにいるの?」

「そりゃあニュースを見て、更によしみんちでなんかやってたら?」

「まあそうだけど...。」

「それでマギーさんに言ったら竜の世界まで直送してくれたよ!」

「まじか!」

「やるねぇ!」

まさか、マギーさんってこんなにもノリが軽いとは...。思わなかった。

「あ、そういえば、探索してるんだら?」

「そうだよ!」

「私達も入れて!」

「いいよ!みんなでやれば早いからね!」

「うん!ありがとね!」

「よし、じゃあ帰るか!もう17時だから。」

「急げぇ!」

私たちは急いでロケットの元へ帰った。

「みんな、おまたせ!」

「遅いよ姉や!」

「あ、早乙女ちゃんと姫野ちゃんだ!」

「みんな、お久しぶり!」

「「「「「久しぶり〜!」」」」」

「よし、もう暗いから帰ろ!」

「うん!」

「ロケットエンジン起動!」

私達9人を含めたロケットは宇宙拠点へと帰っていった。そしていつもどおり帰ってきた私たちは、9人でご飯を食べた。マギーさんも知っていたのか、ご飯も9人分だった。普通のご飯にスパム缶の肉、サラダと今日は本当に普通なご飯だった。みんなはこれを30分ほどかけて食べ終えた。

「さて、9人になったんだけども、寝る場所どうする?あと3人分あるけど...。」

「私と早乙女ちゃんは一緒がいい!」

「わかった。じゃあここ使ってね!」

「ん!わかった!」

「じゃあ、寝るとするか...。」

「「「「「おやすみ!」」」」」

私の家族6人全員寝たが、奏と桜はまだ起きていた。

「あれ?よしみんまだ寝ないの?」

「うん、日記を書くからね...。」

「私達にも書かせて!」

「いいよ!」

3人は協力して日記を作り上げた...。

『探索6日目

5日目より収穫は少なかったが、新たに2人の心強い仲間ができた。これからは多分探索効率がものすごく高くなるだろう...。

タイムリミットまであと2年と359日。明日も頑張るとしよう...。

作:三合良神実、早乙女奏、姫野桜』

「よし、寝よ!」

「うん!ねよねよ!」

「じゃあおやすみぃ〜」

今日はたくさん歩いたからか知らないが、すぐに眠り込んだ...。

(...。)

今日は何も考えずに...。

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