世界探索05日目 奇跡の再会

翌朝...。

「よいしょっと。ふぅぁぁっ。」

「ふぃんな、おふぁよう。(みんな、おはよう。)」

「おはよ~!」

「ねえ姉や、少し早すぎないか?まだ四時だよ?」

「いいの。」

「えぇ?でもまだお腹すいt...」

(くぅぅぅぅ...。)

「あっ....。」

「よし、ご飯にしよか。」

「恥っず!!」

「まあまあ、ご飯食べて早く行こう!」

「そうだな!」

今日は、早朝4時から始まる。朝ごはんは普通なご飯と実家の味噌汁だった。

「この感じ、懐かしいね。」

「私達のお母さんを思い出すね。良神実。」

「1年前、あんな事が起きるとはね...。」

三合一家の親は1年前に買い出しに行ったときに事故ってしまったようだ。それで親を亡くすなんて、みんなは思ってもいなかったみたいだ。

「待って、あのときのこと思い出しちゃう...。ゔぅぅぅぅ....。」

「はいはい、わかったよ良神八。」

「この話はなかったことで...。」

「ソレよりも、口を動かす!」

今回も20分かかった。なぜ今まではとても早く食べていたのに...。もしかして胃炎を恐れてるのか?そういうこととなると私達はみんなChickenだ。

「よし、そろそろ行こうか!」

「今日はどこに行くの?」

「良神広たちが見つけた穴に向かおう。」

「よし、行くぜぇ!!」

「おっ、気合入ってるねぇ良神広!」

「いくぞぉ!」

私達はロケットに乗り、12分して現場についた。ついた頃には日も出ていた。

「よし、ナイスなタイミング!」

「じゃあ、今日も中にはいるよ...。みんな、手を繋いで...。」

「3、2、i…。」

「...けて...。」

「ん?」

「今声がしたよね?」

「この穴から聞こえる...。」

「じゃあ、今度こそ入ろう!」

「3、2、1...!」

「ジャンプっ!!!!!!」

飛び降りると、昨日と同じように中は暗かった。ただ、気持ちいい風だけを感じた。そして数秒後...。

ざぶぅぅぅぅぅん!!!

という音とともに着地した。どうやらここは洞窟内の池ポチャゾーンだった。

「ボロロロロボホッ!」

「みんな大丈夫?溺れてない?」

「大丈夫!」

「よし、まずはここを急いで出よう!」

みんなは泳いで近くの陸地に到着した。その時...。

「助けて...。」

という声がした。

「ん!?この声は...。」

「とりあえず向かってみよう!」

声の大きさからして、ここから近いって思ったみんなはライトを付け、すぐに声の方に向かった。しばらくして、岩陰に隠れていた人を見つけた。

「助けてぇ...。」

「え!?!?!?」

「ま、まさかぁ!?」

「ふぇっ?」

「「「「「「望千乃ちゃん!?!?!?!?!?」」」」」」

「よ、良神実お姉ちゃん...?」

「そうだよ。もう怖くないからね...。」

すると...。

「うぉぉぉぉぉぉん!!!あ゛いだかっだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「一体何年ぶりだ?」

「もう3年だね。」

「良かったなぁ!2人共!」

「ゔぁぁぁぁぁぁっ!!感動だァァァァ!」

感動の再会だった。でも、なぜここに?少し話を聞いてみる。

「ところでさ、なんでここに?」

「それはね...。3年前に家に帰る道中で顔に袋を被せられて身動きも取れない状態になっちゃったの...。怖くて声も出なかった...。うぅ...。そこからロケットの中に載せられた気がして...。そこから今まで記憶がないけど...。」

「まって、犯人の服装とか覚えてる?」

「なんか黒かった気がする...。」

「まさか!?」

「どした?なにか起きた?」

「あの2日目のときに死んでいたあの黒服の人じゃ...?」

「そうだと思う...。」

「だよね。あれ以外にも死んだ人はいたけど、黒服はこの人だけだったもん。」

「寒い...。助けて...。」

望千乃は寒さで凍えていて、一刻を争う状況になろうとしていた...。

「まずは急いでここを出よう!」

「みんな、手を繋いで!」

「「「「「TPするんだね。分かった!」」」」」

「え、えぇぇ?」

望千乃は少し困惑気味だったが、手を繋いだ。

「行くよ...!」

「「「「「「うわぁぁぁぁ!!」」」」」」

数秒後、ロケットの近くにみんなはワープした。

「まずはこれを着よう。」

「そして今日はロケットの中で休んどきな。」

「うん。」

「中にドローンがあるから、冒険したいならソレを使って。」

「わかった!ありがとね。良神実。」

「どういたしまして!」

「あ、入り方わかる?」

「わからない!ここのちっちゃい穴から入ればいいのかな?」

「イェス!ザッツライ!」

「よいしょっと!入れたぁ!」

「じゃあゆっくりしてて。」

「じゃあねぇ〜!」

無事、望千乃を探し出し、一件落着したのだった。だが、本題の探索はまだ始まっていない...。

「よし、またこの中に入ろう!」

「もうバラバラで降りちゃって。下で合流しよう。」

「ふぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「気ぃ早っ!」

「よし、続くよ!」

「うぇぇぇぇい!」

「うぉぉぉっふぉっふぉい!」

「ひゅうううううう!」

「たのちいたのちい長距離落下だ!」

ざぶぶぶぶぅぅん!

みんなはさっきの池ポチャゾーンに来た。早速、メンバーを決め(結局はまた同じメンバーになったが)、道を決めた。そうすると早速...。

ぷうぉぉぉぉん...。っと音を立ててドローンが降りてきた。

『はろぉ!』

「おっ、来たねぇ!」

「どっち行けばいいの?」

「じゃあ私についてきて。」

「わかったぁ!」

さっきとは大違いなテンションの高さで望千乃が操作するドローンが降りてきた。こうして望千乃も探索メンバーの仲間入りとなった。

「よし、今日はここに行こう。エネルギー濃度計と金属探知機をみんなには渡しといたから、多少は大丈夫じゃないかな?」

「だいじょぶっしょ!」

「おっ、早速、エネルギー濃度計が50になりましたねぇ。金属探知機の方は...。」

『ぴぴっ、ぴぴっ』

「うぅぅん、まだ遠いね。」

エネルギー濃度計は半分を指していたが、結局まだまだ物には遠いようだ。

そんなこんなしているうちに、もう2時になりそうだ。今日は朝4時に起きたのに、もうこんな時間になっているとは...。この世界、時間を大切にしていかないと大変そうだ。

『ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ』

「おっ?近いね。」

『何が?』

「あぁ、物だよ。」

『物を探して、どうしたの?』

「マウキ星がエネルギー不足になりかけているんだ。」

『えぇぇぇぇぇぇ!?』

『だからここにいるの!?!?!?』

「そういうことになるね。」

『じゃあ私も頑張らないと!あ、一つ聞きたいんだけど、なんでみんなおしゃれ着なの?』

「良神岡が発注してくれた。世界探索専用のやつを。」

『いいなぁ!私も欲しい!』

「ああ、もう発注してあるから大丈夫。しかも無料だし。」

「よかったね。望千乃ちゃん。」

『もうみんなLoveの方で好き!』

そんなふうに話していると...。

『ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』

「おっ?」

「来たねぇ!」

金属探知機がとても大音量でサインを出している。これは相当金属が含まれているものかもしれない。

「よし、早速掘っていこう!」

「1発目!」

がん!!

「.........ゑ?」

「早速引っかかったし。」

『運がいいね!2人共!』

「そうね。なにか見えるわ。」

「これは...鉄?」

「鉄鉱石だね。この高度で見るのは珍しいよ。」

そう言いながら掘り進めていくと...。

『エネルギーを検知。近くにあります。』

「へ?」

なんと、次はエネルギー濃度計が反応を示している。数値は87だが、結構多めだ。

「よし、奥に掘り進めよう!」

そう言うと、更に奥へ素早く掘り進めていった。

『右です。』

「近いよ!右に行こう!」

がん!

「ここっぽい。」

出てきたものは、また結界で封印された物体だった。

「またこれか。」

「どうする?もう4時だけど。」

「持って帰って良神傘に解いてもらおう。」

「そうだね。じゃあTPするか。」

「わかった。」

『私は先行ってるよ!』

「わかった!」

「よし、手を繋いで。」

「3、2、1!」

「...。」

数秒後、ロケットの近くにまた来た。みんなはもう揃っている。

「みんなはもうワープには慣れた?」

「うん。なれたよ。」

「大丈夫そうだね。じゃあ本題に行くんだけど、今日もまた結界のあるものを見つけたの。良神傘、解ける?」

「任せてぇ!」

そういうと、前と同じように念仏を唱え始めた。するとだんだん結界が光っていき、最終的にはその結界は割れた。

「で?また鍵?」

「そうだね。今回のエネルギー濃度は87。これも一応仕舞っておくか。」

「そうだね。」

「さあ、帰ろっか。ロケットに乗って。」

「「「「「はーい!」」」」」

みんなはロケットに乗り、望千乃と一緒に拠点に戻った。そして、久しぶりの私達7人での夕ご飯を楽しんだのだった。

『♬♪♬♪♬♬♪』

「ん?」

着信だ。

「もしもし、こちら良神実。」

『こちらマギー。...?なんか人数増えてるけど大丈夫?』

「なんで分かるの?」

『声でわかった。7人いるってことを。』

「地獄耳かな?」

『で、大丈夫なの?』

「大丈夫よ。3年前に誘拐されちゃった実の六女を見つけて今ここにいるって話よ。」

『あ、じゃあ新メンバーってことか。あ、あとオーダーある?』

「オーダーね...。ちょっと待ってて。」

オーダーか。良神実には何もわからないので良神岡に代わった。

「おーい、良神岡〜!ちょっと電話代わって。」

「はーい...。」

良神岡はすぐに駆けつけてきた。

「お電話代わりました。こちら良神岡です。」

『良神岡ちゃん、そっちに一人来たのは私も知ってるよ。何か、服のオーダーとかある?』

「あ、じゃあ今から望千乃ちゃんの3年前のおしゃれ着の画像を送りますね。」

『これを防寒仕様にすればいいのね。わかった。明日の朝にできるから、待っててね。』

「わかりました。失礼します。」

『ツーーーー』

「終わったよ〜あ、それから望千乃ちゃんの防寒着、頼んどいたからね!」

「え!?マジ!?」

「マジだよ。お金は取らないから。」

「ふぉぉぉぉぉぉぉ!!まじ嬉しい!!!ありがとう良神岡お姉ちゃん!」

「いいのいいの。」

これで、正式にこの探索メンバーの仲間入りとなった。ただ、まだ誰か忘れているような気がする...。すると、

「ふぁぁあぁっ。眠くなってきちゃったよ☆」

と望千乃が言った。

「じゃあみんな寝る?」

「そうしよう。俺も眠くなってきたよ。」

「じゃあみんな寝ようか。」

「あ、そうだ。望千乃ちゃんの寝る場所確保しないと。」

「そうしないと私、眠れなくなっちゃうよぉ!」

幸い、ここにはあと四人分の空きがあって、そこに寝かせることにした。

「よし、ここでいいね。」

「うん。色々ありがとぉ良神実お姉ちゃん。」

「このあと日記書くから先寝てな。」

「はーい!おやすみぃ!」

望千乃は元気よくベットに向かった。ただ、元気すぎて寝れるのかどうか...。多分寝れるだろう...。

(望千乃はあんな事があったのにもう元気になったのか。メンタルが強いなぁ。さて、今日の日記を書いて寝よう。)

私はすぐに日記を書いた。

『探索5日目

しばらく会っていなかった望千乃ちゃんを見つけ、これで三合一家が完全にそろった。ここからまだまだ大変になってくると思うが、7人でやり遂げなければならない。1人増えただけでも不安が結構消えるから、やる気が出てくる。タイムリミットまで2年と360日。明日で360日を切ってしまう。ペースを上げないと。あの鍵は、どこで使うのか...。

作:三合良神実』

「ふう、書いた書いた。」

「さてと、寝るか。」

今日もいつもどおり、眠りについた...。

(望千乃ちゃんの服、届くといいな。でも、明日に備えるためにも、早く寝たほうがいいな。今日は十分に身を休めよう。)

………今日もこんな事を考えながら...。

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