世界探索03日目 更に奥へ

深夜0時...。

「ぐはぁっ!?」

突然、私の上になにか乗った感じがした。更に、とんでもない激痛が走った。なぜだ。よく見てみるとそこにはとんがった石のようなものがあった。血も出ている。

「なんとか...しなけ...れば...。」

「う〜〜〜〜〜ん。」

「よし...良神広...。」

「!?!?」

「姉や、どうした!?」

「た...たすけ...て...。」

私は今持っている力を出して痛みに耐えながら良神広に助けを求めた。

「なんとかしなければ...ん?あれは...!」

「医療キットだ!」

幸い、近くに医療用キットがあったため、応急処置はすぐに済んだ。もっと言えば、これが奥まで刺さっていなかったことも運が良かったからなのかもしれない。私も痛みが収まったので、また寝始めた。

翌朝...。

「よいしょっと...くっ...痛い...。」

「そうだ、あの物体は!?」

痛みに耐えながらも良神実は朝5時に起きた。そしてすぐに昨日体に刺さっていた物体を確認した。正体はすぐに分かった。どうやらガラスの破片だったようだ。そりゃあ痛いわなって良神実も納得した。傷はもうすでに大きい痂になっていた。へそは無事だった。

「みんなぁ、起きてぇ!」

「ん~~~〜〜〜〜〜〜〜〜!」

「「あ~よく寝たぁ!」」

「2人共大丈夫?」

「今は大丈夫。昨日はダウンしてたけど。」

「てか、あなたの方こそ、大丈夫なの!?」

「今は大丈夫。」

「それよりもぉ、朝ごはん食べて早めに行かなぁい?」

「せやねぇ〜!」

良神岡が言ったあと、みんなはすぐに食事ルームへ行った。

今日の朝ごはんは白ごはんに野菜、鯵の干物があった。みんなはこれを20分で食べた。特に鯵の干物がめちゃくちゃ美味しかった。

「さあ、今日も張り切っていくよぉ〜!」

「レッツゴ〜〜〜〜〜〜!」

私達はロケットに乗り、昨日行った場所に降りた。今回は20分かかったが、前の場所をずっと探索するよりは新しいところを探索したほうが良さそうだから。

「じゃあ、今日は前に前に進んでいくよ!」

「はーい!」

「待った!」

良神広が待てと止めた。

「どした?」

「分担してこ。」

「そっちのほうが効率いいかもだね、そうしよう!」

私は分担を決め、また良神岡と一緒にいくことにした。

「いい?今日はたっぷり探索してきて。」

「17:00に集合ね。」

「分かった!」

「さあ、行った行った!」

みんなは元気よく、探索を開始した。

さあ、今日はどこから行くか。とりあえずはこの周りの気になる石から見ていくことにした。

「ねえ、これ、なんかあるのかな?」

「知らん。私に聞くな(笑)。」

「とりあえず動かしてみる?」

「そうだね。」

「2人で動くかなぁ?」

「やってみなきゃわからない。そうでしょ?良神実。」

「さあ、いくよ!」

「3、2、1で行くよ...。」

「3...2...1...!」

「うごけぇぇぇぇぇぇ!」

ごろ、ごろごろ....。

石は音を立てながらゴロゴロ転がっていった。その奥には大きな穴があった。なにかの洞窟か?

「なにこれ?」

「洞窟じゃね?」

「入ってみる?」

「いや、みんなが集まってから入るようにしよう。この奥に何があるかわからないし。」

「そうだね。一応印つけとくね。」

「ん。」

「いや返事の仕方!(笑)」

出た、返事が一文字...。最近の時代の言葉は変わってきているものだ。

「別によくね?(笑)」

「それよりも、もっと奥に進みますか!」

「せやね!」

更に奥へ、奥へと進んでいく。今日はまだたっぷり時間があるから、もっと探索できるはずだ。

そう思いながら進んでいくと...。

「ぎゃおおおおおぉぉぉぉんん!!」

「うおおおお!?」

「いだっ!?」

「ごほぉっ!?」

突然、とても大きい恐竜の悲鳴みたいな声が聞こえた。しかも破壊力も凄まじい。

これを聞いた瞬間、2人の鼓膜が破れかけ、周りの植物は枯れ、木も倒され...。さらには良神実の傷跡は破れ、そこから血が大量に吹き出していた。

「助け...て..........。」

「おい、大丈夫か!?!?!?!?」

「待ってろ...。今助けてあげるっ!」

そう言いながら良神岡はバックの中から注射器と裁縫セット、ガーゼなどを出してきた。

「痛くしないから、頑張って。良神実!」

そう言いながら液体の入った注射器を良神実にぶっ刺した。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁいだぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

良神岡は良神実に医療処置を施している。なぜ医学知識を知っているんだ?

科学者から教わったのか?

てか、良神岡は私のライフラインなのか?

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!」

「頑張って!もう少し!!」

「よし、縫い終わった...。」

「ふ、ふぅ...。」

「もう動いてもいい?」

「ダメダメダメ!傷跡からまた血が出ちゃうよ!今日は安静にしたほうがいいよ。」

「そうだね...。ったたたたっ....。」

私は良神岡の言うとおりにした。その時...。

『良神実の負傷を確認。ロケットに転送します。』

「なにこれ?」

「うわぁぁぁぁっ!?!?」

変な音とともに良神実は転送されていった。こんなシステムがあるなんて...。

「さて、残り一人。どうしようか。」

『plll…plll…plll…』

「ん?ああ、maulineのグル通か。」

『もしもし?みんな、聞こえてる?』

「良神岡、異常なし。」

『ほかは?』

『良神広チーム、異常無し。』

『良神傘チーム、異常無しぃ〜。』

『てか、なんで姉やだけロケットの中にいるの?』

『おっと、これには訳があってね、なんか大きな悲鳴がうちの傷を破ってきたんよ。それで良神岡に医療処置をしてもらったんだけど、傷からまた血が出たら危ないから、きょうはもうおやすみってわけ。』

『やばくね?』

「ふつうにやばいよ?」

『うん。』

「ねえ、みんな、これからどうする?良神実いないから。」

『え?keep going、だよ?』

「わかった。じゃあ、それぞれ探索を続けて。」

『『はーい!』』

その後、私が電話を切った瞬間、

『主催者が電話を切って全員を退出させました。』

と出てきたらしい。


              **良神岡 View.**


「さあ、続きから行きますかぁ!」

あたしが探索を続けようとしたとき、ぷうぉぉぉぉんっという音とともに何かが飛んできた。その物体は確実にあたしの方に向かっていた。

すると...。

『おーい、良神岡、聞こえる?』

「聞こえるけど?てかこれ何?」

『なんかロケットの中に’’超高速ドローン’’ていうのがあって。』

「そうなん?」

『取り敢えずこれで負傷しても遠隔で探索できるね。』

「そうやねぇ。」

「電波が届かない距離とかあるの?」

『ないっぽい。』

「??????????」

通信範囲のことを聞いただけでまさか固まってしまうとは。あたしも思っていなかった。流石に届かない距離がないって言われるとね...。

「も、もっかい...。」

『え?だから、』

『電波が届かない距離がないっ!』

「えええええええ!?」

『ちょちょ!!うるさいうるさい!!』

「ああ、ごめんごめん。傷は大丈夫なん?」

『一応大丈夫だけど...。どうかした?』

「あれはただの応急処置だから。あんまり動かんといて。」

『どれくらいの期間?』

「まあ、その傷なら2日で完治するよ。明日には動けるようになるかも。」

『そうなんか!』

「じゃ、探索続けよか?」

「そだね~!」

あたしたち2人は話を終え、ジャングルの奥地へと行った。

しばらくして、この奥に行ってもなにもないことだけ分かったので、結局来た道を引き返していった...。その間に時間だけが過ぎていって、ついた頃には、時計はもう17時を指していた。

「え?」

『なんで、誰もいないの...?」

そこには、誰もいなかった。

「17時集合っていったやん!」

『まあそのうち戻ってくるかもだけどねぇ。』

「気長に待つか。」

しばらくして、ようやくみんなが戻ってきた。

「みんな遅刻!!どうしたの?!」

「あ〜なんかでかい石があったからどかしたら遅くなっただけだよ。岡。」

「え?」

『私たちの方もあったけど?』

「それマ?」

「YES.」

「もしかしたら繋がっているかもね。」

「明日見てみるか!」

「「「「そうだね!」」」」

『よし、そろそろ戻ろう。日がもうほてりかかってる。』

「そうだね。さあ、早く乗って!」

5人とドローンはロケットに乗り、拠点に戻ってきた。

「明日のために充電しておかないと...。」

「え?何%?」

「12%」

「いやどんだけ使ったんだよ!(笑)」

「まあまあ。しょうがないでしょ!(笑)」

「ソレよりも姉や、飯食わねぇか?」

「せやね。」

「じゃあ行こうか!」

今日のご飯はハヤシライスにブロッコリーのサラダだった。やっぱり豪華すぎる。実際の宇宙生活とは真逆なものだ。

今日も私たちは10分で平らげてしまった。

「あ゛〜この調子で食ってたら胃炎起こしそう...。」

「もうちょっとペース落とそうか。」

「そうだね。」

「あぁ眠い。」

「みんなは寝てもいいよ!」

「「「「「あ、じゃあおやすみぃ〜」」」」」

「みんなおやすみぃ〜」

「さてと、日記を書こうか。」

『探索3日目

今日は本当に散々な日だった。ガラスの破片が私のお腹に刺さったし、幸い、傷は深くなかったが、その後探索に行ったら大きな悲鳴で私のお腹の傷跡が開いて更に深くなって大量出血した。おかげでドローンを使って探索をしなければいけなくなってしまった。あぁ、恥ずかしい...。

でも、エネルギー不足を解決するならば、この傷で泣いてたらおかしい。

今日見つかった大きな穴はエネルギー元となるアイテムはあるのか。

タイムリミットまで2年と362日。1日でも早くマウキ星を救わなくては...。

作:三合良神実』

「よし、寝よう。」

私は日記を書き終え、眠りにつくのだった...。

(ああ、今日はほんとに最悪だった...。でもまだ嫌な予感がする...。今日だって本当にやばかったけど、なんで嫌な事が起きたのにこの予感が消えないの?もしかして、まだ序盤...?あぁぁぁぁぁ!寝れなくなるからもう考えない!!)

…こんなことを思いながら..........。

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