17 会議するぞ

【大天使】夢音とまれを崇めるスレpart7【ASMR】


 778 視聴者の名無しさん ID:

 バブーバブー


 779 視聴者の名無しさん ID:

 また新たな赤ちゃんが誕生してしまったか


 780 視聴者の名無しさん ID:

 大天使の包容力の前には人類なんてみんな赤子だからね

 仕方ないね


 781 視聴者の名無しさん ID:

 みんなが赤子になれば世界から争いは消えて無くなる


 782 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんじゃねえぞ


 783 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんの赤ちゃんに産まれなおしたい

 毎日子守唄を聞かされておっぱい飲んで寝たい


 784 視聴者の名無しさん ID:

 >>783

 俺の席をとるな


 785 視聴者の名無しさん ID:

 >>783

 お? 俺の兄弟かな?


 786 視聴者の名無しさん ID:

 みんなでとまるんの子どもに産まれなおそう


 787 視聴者の名無しさん ID:

 想像したら地獄絵図でわろた


 788 視聴者の名無しさん ID:

 お前らと兄弟とか絶対嫌だわww


 789 視聴者の名無しさん ID:

 ん? なんか来てんね?


 790 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんがこんな長文書くの珍しいな


 791 視聴者の名無しさん ID:

 あー、最近元気ないと思ってたら猫絡みだったか

 動物はかわいいけどこれがあるからなあ


 792 視聴者の名無しさん ID:

 ばあちゃんがペットロスだったのか


 793 視聴者の名無しさん ID:

 いや猫云々はいいけどさ、幽霊少女の仲介で猫の幽霊にお別れできたって何?

 とまるんおかしくなっちゃったん?


 794 視聴者の名無しさん ID:

 お猫様の死がショックであっちの世界に行っちゃった?


 795 視聴者の名無しさん ID:

 相手ミアちゃんじゃん

 じゃあ何にもおかしなことないよ


 796 視聴者の名無しさん ID:

 誰だよ

 マイナー配信者とか知らねえよ


 797 視聴者の名無しさん ID:

 ミアちゃん知らないとか情弱かよ


 798 視聴者の名無しさん ID:

 まとめサイトで見たことあるな

 幽霊とか馬鹿にしてたけどとまるんが言うなら本当かもな


 799 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんが元気になってくれたならなんでもいいです


 800 視聴者の名無しさん ID:

 それだわ

 とまるん元気にしてくれたなら感謝しかない


 801 視聴者の名無しさん ID:

 美少女JS幽霊配信者ってなんだよwww

 属性盛りすぎだろww

 今度見てみるわ


 802 視聴者の名無しさん ID:

 とっまるーん


 803 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんの猫になりたい


 804 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんの犬になりたい


 805 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんの足の裏になりたい


 806 視聴者の名無しさん ID:

 とまるん!とまるん!とまるん!とまるぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!とまるんとまるんとまるぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!とまるんの栗色の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 傷心中のとまるんもかわいかったよぅ!!あぁぁ ああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! お猫様が無事成仏して良かったねとまれたん!あぁあああああ!かわいい!とまれたん!かわいい!あっああぁああ!ミアちゃんともコラボしてくれたら嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃあああああああああああああああ!!!幽霊なんて現実じゃない!!!!あ…ミアちゃんもお猫様もよく考えたら… と ま る ん は 現 実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ASMRぅうぅうううう!! この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?アーカイブのとまるんが僕を見てる? 僕を見てるぞ!とまるんが僕を見てるぞ!写真のとまれちゃんが僕を見てるぞ!! ショート動画のとまれちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはとまれちゃんがいる!!やったよ大天使!!ひとりでできるもん!!! あ、アーカイブのとまれちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあ真夜様ぁあ!!ミ、ミアたん!!ぁああああああ!!!お婆様ぁあああ!! ううっうぅうう!!俺の想いよとまるんへ届け!!地球のどこかにいるとまるんへ届け!


 807 視聴者の名無しさん ID:

 久しぶりに見たわw


 808 視聴者の名無しさん ID:

 はえーよwww


 809 視聴者の名無しさん ID:

 どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!


 810 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんスレは今日も平和

 

 811 視聴者の名無しさん ID:

 とまるん愛してる


 812 視聴者の名無しさん ID:

 バブーバブーキャッキャッ


 813 視聴者の名無しさん ID:

 とまるんじゃねえぞ


 814 視聴者の名無しさん ID:

 とまれよ



 〇



 翌日、俺は早速行き詰まっていた。

 ヘルメット男との遭遇から、強くなる必要性を実感したはいいものの。

 

 じゃあどうやって強くなればいいのか、それが問題だった。

 

 俺は幽霊である。

 従って、身体を鍛えればいいというものじゃない。

 そもそも、あの化け物相手に鍛えた程度で勝てるとは思えない。

 

 必然、幽霊として力を伸ばす方向、登録者を増やして存在強度を高めることが求められるのだが。

 

 しかしそれが難しい。

 元々俺はみんなと楽しく過ごせればいいというスタンスだ。

 命の危機さえなければ登録者数を積極的に増やそうなんて思いもしなかっただろう。


 だから何をどうすればいいのかがわからない。

 みんなどうやって登録者を増やしてるんだろう?

 

 真夜さんに相談してみようかと思ったが、先日の恐怖を思い出させてしまうかも知れないと思うと、それもできない。


 にっちもさっちもいかず、悩みに悩んだ末、俺に出せた結論は、なんとかみんなに楽しんでもらえる配信をして、登録者を増やすのが良いだろうというものだった。


 当たり前のことである。

 さすがにそれはどうなんだと自分でも思う。


 ならいっそ、何をしたらいいのかみんなに聞いてみるのが一番かも、と思ったのがつい先程のことだ。

 そんなわけで、俺は予定を変更して、朝から配信を開始していた。

 

「というわけで、登録者を増やして強くなりたいんだけど、どうしたらいいかな?」


 俺は先日あったことをミア友に伝え、素直にアドバイスを貰うことにした。

 下手の考え休むに似たり。

 一人で悩んでいても良案は出ないだろうと悟ったのだ。


 ちなみに、とまるんと話し合って、起こった出来事は個人情報以外ならお互い自由に公開していいことになっている。

 とまるんは記事サービスを利用したみたいだが、俺は文章が得意ではないので普通に配信で話すことにした。


『ぶっちゃけてて草』『ストレートで草』『ヘルメットお化け怖すぎる』『そんなのが普通に彷徨いてるとか怖すぎない?』『ミアちゃん大丈夫?』


「うん、なんとか大丈夫。ありがとう。ただ、やっぱり自分は弱いなと実感したから、強くなりたいなって。また同じようなことがあった時に何もできないと困るから」


『それはそう』『肉食獣が普通に彷徨いてるようなもんだからなー』『対策は必須だね』『知名度を上げれば強くなれるっていうのはわかりやすくて良い』


「ね。わかりやすくはあるんだけど、単純な分、何をどうすればいいのかわからなくてさ。みんなはどうしたらいいと思う?」


『脱ぐ』『スク水を着る』『ASMRをやる』『俺を参謀として雇う』『定期的にファッショショーをやる』『相変わらず欲望に忠実なミア友』『草』


 こら、変態のミア友は自重しろ。

 うーん、一部論外なものは別として、どれもそれなりには効果がありそうな気はする。

 

 ただ、これというほど劇的な成果が望めそうなものは無かった。

 それはそうだろう。

 そんなものがあれば配信者は皆やっているはずだ。

 

 急がば回れという言葉があるように、いきなりというのが無理なのかも知れない。

 焦る気持ちはあるけど、やはりコツコツ頑張っていくしかないかと思いつつ。


『ミアちゃんにしか出来ない配信をするといいと思う』


 という一文が目に止まった。

 

「私にしか出来ないことかー。何かあるかな?」


 自慢じゃないが、俺はちょっと美少女なだけの、どこにでもいる小学生だ。

 特別なことなんて何も出来ない。

 なので、オンリーワンを求めるのなら、必然的に幽霊であることを全面に出すことになるのだろうが。

 

 なんだろう。

 壁抜けとか?

 あまりに地味な上に一瞬で終わりそうで、げんなりする。


『除霊』『心霊スポット巡りとか』『幽霊見たい』『カメラ師匠いるし色んなところの幽霊映すのは需要ありそう』『除霊配信いいね』『ミア友の依頼受けてお化け退治しよう』


「あ、あー……」


 なるほど、そっち方向に行っちゃうのかー。

 確かに内容としてはオンリーワンだろう。

 

 ただ問題として、

 

「危なくないかな……?」

 

『危なそう』『どうだろ』『強いやつに偶然遭ったら詰みな現状はなあ……』『やめとけ』『虎穴に入らずんば』『そこら辺の幽霊映すだけなら大丈夫じゃない?』『危ないことしないで』『登録者増やそうと思えば多少はね?』


 コメント欄は肯定派と否定派で割れている感じだ。


 うーん、なるほど。

 しかし、俺としてはなかなか考えさせられる意見だった。


 というのも、幽霊を見たいというコメントが予想以上に多かったからだ。

 否定派も、危険があるならやめるべきというだけで、安全が確保されるのであれば見てみたいという風にも思える。


 オリジナリティを出しつつ、ニーズに答えるという意味では、一考の余地はあるのかも知れない。


 そもそも、安全な位置にいながら強くなりたいというのが贅沢なのだ。

 安穏と日々を過ごし、いざという時に守りたいものを守れないくらいなら、多少のリスクは許容すべきではないか?


 ヤバそうな気配がしたら近付かなければ大丈夫かな……?

 

 正直なところ、ヘルメット男についても、油断せずにしっかりと索敵をしていれば逃げ切れた可能性はあると思う。

 あれほど異質な気を巻き散らしていたのだ。

 何らかの兆候はあったはずである。

 

 危ないことはやめて欲しいっていう人たちには申し訳ないけど、俺は今後、霊との関りを増やすことに決めた。


 当然相手は選ぶけどね。


「うーん、正直影の女とかヘルメット男くらいヤバイのがどれくらいいるのかよくわかってないんだよね。だから不安はあるんだけど、ちょっと霊の露出を増やす方向で考えてみるよ」


『霊の露出(意味深)』『気をつけてね』『ミアちゃんの露出を増やして』『ミア友さあ……』『ついに幽霊配信が来るのか』


 気持ちとしてはゆっくり成長している余裕はないからね。

 自分でも焦っているのはわかるから、できることがあるならしておきたい。


 まあそれは置いても、ミア友が希望するなら叶えてあげたい気持ちもある。

 最悪、危険がない幽霊の見学ツアーみたいなものにしてもいい。

 それでも十分珍しいだろうし、注目だけ集めるなら最適かも知れない。


 とにかく、何かしらやるだけやってみようと思う。


『一回前みたいにアーカイブに映らないようにしてほしい』


 ん?

 どういうこと?


「アーカイブに映らないようにしてほしいってコメントがあるけどどういうこと?」


 視覚化を解除して欲しいってことかな?

 それだと生配信の時はいいけど、アーカイブだとただ廃墟が映るだけになってしまうが。


『ん?』『あーなるほど』『廃墟が見たいのか?』『確かに話題性は抜群だったな』『よくわからん』


 コメントしたのは、ええと、ミトコムドリャーさんか。

 次のコメントをしてないか探す。

 幸い、すぐに見つかった。


『変身能力使ってない時のミアちゃんは、モニター越しにカメラで撮影しても映らないから、ガチ幽霊って証明できる。事前に予告して人集めれば宣伝効果高いと思う』


 あーあ!

 あったなーそんなこと!

 

 どうやら俺は否可視化状態だと、アーカイブに姿が残らないどころか、配信画面自体を別媒体で記録しても映らないらしい。


 一時期話題になったことはあったが、俺がすぐに可視化能力を身につけたものだから、本当かどうかの検証ができてない人が大勢いるとか。


 なるほど、それで事前に告知して人を集めて検証させようと。


 今更幽霊であることが広く知れ渡ったところで不都合も無いだろうし、ありかも知れない。

 まあよくある霊能者とかが俺を退治しにくると困ったことになるが、正直そんなものいるのかと懐疑的な部分も大きい。


 そもそも将来的に知名度があがればどのみち同じことだ。

 やってみる価値はある。


「いいかも。ミトコムドリャーさんありがとう。ちょっと近いうちに予告して、見えないバージョンで配信してみようかな」


『おおー』『あれはガチ鳥肌たった』『オカルト否定派も納得せざるを得ないはず』『ミアちゃんはワシが育てた』『ミトコムドリャーに嫉妬』『幽霊でも好き』

 

「みんなありがとう、霊配信のほうもちょっと考えてみるね。さて、あんまり真面目な話ばかりするのもなんだし、ゲームの話でもしようか!」


 俺は、とまるんと真夜さんのおかげで、近々スミッチのプレイ配信をする環境が整うことを話した。

 

「ポルターガイストもだいぶ精密操作できるようになってきたぞ!」


 そう言って古いコントローラーを浮かせてカメラから見える位置に持ってくると、ボタンや十字キーを素早くカチカチと動かした。

 

『おおー!』『いいね!』『ついにミアちゃんと対戦できるのか!』『楽しみだわ』『何のゲーム買う予定?』


「そうだねー、まずはミア友のみんなと対戦することも考えてポコモンと大激闘スラッシュブラザーズかな? ポコモンは元々図鑑全部埋めるくらい好きだしレート対戦も結構やってたんだよね。昔は孵化作業とVの厳選が大変だったけど最近は大幅に楽になったって話だから鍛えてミア友をボコボコにしてやるぞ! スラッシュブラザーズのほうはそれほど自信ないんだけど、単純にワチャワチャやるのが面白そうだし企画として何連勝するまで終われませんみたいなのは定番だからやってみたい。マルヲカートも欲しいけどそれは次回かな? とにかくみんなで楽しめるようなものを優先的に選んでいきたいと思う」


『めっちゃ語ってて草』『早口で草』『ポコポコしようぜ!』『本当にゲーム好きねw』『ポコモンとスラブラ!』『楽しみにしてます』


 みんな喜んでくれているみたいで嬉しくなる。

 強くなることは大事だが、ミア友との楽しい時間も大切にしたい。

 

 やっぱりこうしてみんなと話してる時が一番楽しい。

 この時間を守るためにも、出来ることからやっていくぞ!


「ん?」


 そんな時、ふと階下から物音が聞こえた。


『どうした?』『なんか音がした?』『何?』『また浮遊霊か?』


「ドンって音がしたね。ちょっと見てくる」


『無茶しやがって』『危なくない?』『ただの家鳴りだろ』『気をつけてね』『それがミアちゃんの姿を見た最後だった』


 洒落にならないから変なフラグを立てるのはやめてほしい。


 口だけさんのほうに視線をやる。

 いつもの定位置に立ち尽くしている。

 

 こいつが動かないところを見ると幽霊じゃないかな?


 前に居間に猫がいたからそれかも知れない。

 特に危険はないと思うが、注意だけはしておこう。

 

 恐る恐る階段を下っていく。

 果たして、一階に降りた俺が見たのは、男女四人組の生きた人間だった。

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