10 絶対に許さないぞ
【コラボ】幽霊配信者ミアちゃん応援スレpart3【敬語】
16 視聴者の名無しさん ID:
パニーメンくっそわろた
神ゲーだわ
17 視聴者の名無しさん ID:
ミアちゃんが嬉しそうでよかったわ
最初固かったからどうなることかと思ったけど
18 視聴者の名無しさん ID:
オフコラボの話出てたけどできるのかな?
同じ場所にいることは可能だろうけど、見えないし聞こえないんじゃどうしようもないような
19 視聴者の名無しさん ID:
アーカイブ
20 視聴者の名無しさん ID:
>>19
ん?
21 視聴者の名無しさん ID:
そういえばコラボのアーカイブ残ってるのか
ミアちゃん映ってないだろうけど
22 視聴者の名無しさん ID:
……これヤバくね?
23 視聴者の名無しさん ID:
何かアーカイブ男の声入ってる?
24 視聴者の名無しさん ID:
鳥肌たった
これはガチのヤバいやつ
25 視聴者の名無しさん ID:
こえええええええ
26 視聴者の名無しさん ID:
何て言ってるかわからんけどヤベえ
27 視聴者の名無しさん ID:
いやいやいや、洒落にならんぞ
せっかく良コラボでホッコリしてたのに
28 視聴者の名無しさん ID:
ミアちゃんの姿、声がゴッソリ抜けて、よくわからん男の声みたいなのが入ってるな
許さんとか、愛してるとか言ってるように聞こえる
29 視聴者の名無しさん ID:
まよまよの声に反応してね?
30 視聴者の名無しさん ID:
まよまよと会話してるように聞こえる
31 視聴者の名無しさん ID:
これはヤバい
何がヤバいって、これが仕込みじゃないならおそらく心霊現象の類じゃないかってこと
まよまよ自体に霊感は無いんだし、ミアちゃんのせいにされかねない
32 視聴者の名無しさん ID:
既にまよスレだとミアちゃん叩かれ始めてるな
33 視聴者の名無しさん ID:
なんでだよ
ミアちゃん喜んでたし何も悪いことしてないだろ
34 視聴者の名無しさん ID:
まよまよとかいう女が男連れ込んでただけの話しじゃねーの?
35 視聴者の名無しさん ID:
部屋に男がいるにしても明らかに異常だぞ
まともな精神してないと思う
36 視聴者の名無しさん ID:
これ聞いて男バレなんて思うやつがいたら頭おかしいわ
そもそも配信中にこいつの声聞こえなかったのをどう説明するんだよ
37 視聴者の名無しさん ID:
誰も気付かなかったからな
どう考えても普通じゃない
38 視聴者の名無しさん ID:
やらせだろ?
売名行為おつwww
幽霊なんていねーからww
39 視聴者の名無しさん ID:
>>38
消えろ
40 視聴者の名無しさん ID:
このせいでミアちゃんの笑顔が曇るかと思うと心が痛むわ
41 視聴者の名無しさん ID:
むしろまよまよのほうに憑いてる霊っぽい
ミアちゃん側ならミアちゃんが気付いてるはずだし、まよまよに話しかけてるように聞こえる
42 視聴者の名無しさん ID:
怖すぎておしっこ漏らした
43 視聴者の名無しさん ID:
仮にそうだとしてもタイミングがなあ
まよまよは今まで二年間何も無かったのに、ミアちゃんとコラボした途端これだから、勘繰るやつは勘繰るよ
44 視聴者の名無しさん ID:
ふざけんなよ
ミアちゃん泣かせたらころすぞ
45 視聴者の名無しさん ID:
お前ら……ついに百合の間に挟まってしまったのか
46 視聴者の名無しさん ID:
アーカイブ消えた
47 視聴者の名無しさん ID:
アーカイブ消えたな
48 視聴者の名無しさん ID:
まよまよ気付いたか
49 視聴者の名無しさん ID:
これは荒れる
50 視聴者の名無しさん ID:
ミア友でミアちゃんを支えるぞ
○
深夜、真夜さんから連絡が入った。
通話を繋げ話を聞くと、どうやらアーカイブに謎の男の声が混入していたらしい。
真夜さんは泣いていた。
俺に迷惑をかけるんじゃないかと。
今、俺は半ば炎上しているらしい。
突然起こった心霊現象らしきもの。
タイミング的に俺の存在が悪影響を与えた可能性が高く、俺なんかと絡んだばっかりに真夜さんは被害を受けたというの意見が大勢を占めているようだ。
自分がコラボに誘ったからだと泣きじゃくる真夜さんを宥めるのは大変だった。
実際問題、謝るのは俺のほうだ。
ネット上で言われているように、このタイミングで起こった以上、俺の存在が何かしら関係した可能性が高い。
そもそも、配信前に違和感を覚えてはいたのだ。口だけさんも反応していたし、緊張していたとはいえそれらを全部無視して、呑気に浮かれていた自分に腹が立つ。
真夜さんに頼んでアーカイブのデータを見せてもらう。
『こんまよー! マヨネーズじゃないよ、真宵だよ! 元気いっぱい胸いっぱい、真宵真夜です!』
『………お………許さ……ころ……』
『今ちっぱいって言ってたやつ後で覚えとけよ! さてみんな元気にしてたかな!? 知ってるとは思うけど今日はゲストに来てもらってます! ミアミアどうぞ!』
『………愛してる………してる………』
『あはは、ミアミア固いー! もっとリラックスしていいんだよ!』
『………くないよ………きて……』
『そうだよー! 良いところに気付いたね諸君! 私とミアミアは既にマブダチなのだ! どうだ羨ましいかこの野郎!』
『………けないで………殺す』
まよまよが喋った後に必ずと言っていいほど反応する男の声。
ノイズがかったような、こもっているような、不自然に響く声質だ。
直感的にわかった。こいつは生きた人間じゃない。
おそらくは以前から真夜さんに憑いていたのではないだろうか。
それほどの強い執着を感じる。
少なくとも俺に憑いてきたのなら気付けないはずがない。
声がマイクを通して聞こえてきたことといい、配信中は真夜さん側にいたのは間違いない。
とはいえ、所詮は幽霊。生者に干渉できるほどの力もなかった。今までは。
悔しいが、ネット民の言う通り、俺の存在が何かしら影響を与えたことで、こうして表に出てきたのだろう。
「しかし、なあ」
最高に気に食わない。
怒ったぞ俺は。
せっかく楽しく配信できていたのに、真夜さんという友達もできて嬉しかったのに。
その真夜さんをあんなに泣かせやがって。
そもそも、あの配信は俺と真夜さんのものだ。
だというのに、俺が抜けた隙間に入り込んで、成り代わったつもりか?
まるで自分の居場所を土足で侵されたような不快感。
その上、殺す?
誰を?
まさか真夜さんじゃないだろうな?
「ぶん殴ってやる」
『え?』
俺の呟きに、泣いていた真夜さんが反応する。
ちょうどいいので、俺は今しがた思いついたことを伝えることにした。
「真夜さん、ちょっと提案、というかお願いがあるんだけど」
実のところ、コラボ配信が終わった直後に、ちょっとした実験をしていたのだ。
これが思いの外上手くったというか、かなり予想の斜め上をいったというか。
何にせよ、俺の予想が正しければ、廃墟から出ても真夜さんとコンタクトが取れるだろう。
となれば話は早い。
「口だけさん」
部屋の隅にいる口だけさんに声をかける。
混入した声からは、駅前にいるあの影ほど危険な臭いはしなかったが、用心に越したことはない。
「ちょっとつき合ってくれる?」
まあ言わなくてもついてくるんだろうけど。
〇
夜が明けると共に、俺と口だけさんは始発の電車に乗って真夜さんの家へと向かっていた。
住所はあらかじめ教えてもらっている。
幸い、同じ都内だったのでそれほど時間をかけずに辿り着くことができそうだ。
チラリと傍の口だけさんを見る。
予想通り、俺の後をついてきてくれているが、何を考えているのかはサッパリわからない。
少なくとも電車には乗れるようだと妙な感心をしつつ。
更に反対側の背後を見やる。
そこには、空中にフヨフヨと浮かぶカメラの姿があった。
意味不明な光景だった。
あまりの非現実さに自分でも頭がおかしくなりそうだ。
そう、カメラである。
昨夜、取り外しができないかどうか調べてみたところ、取り外しどころか、宙に浮いて俺の後をついてきてくれることが判明したのである。
更に言えば、どれだけ距離が離れても家のパソコンに繋がっているのは昨晩のうちに実証済み。
明らかにおかしい。
こんな都合のいいことある?
薄々思っていたが、このカメラも霊的な存在なのは間違いない。
人からは見えていないようだし、何より遠隔兵器さながら俺の後をついてくる姿は、意思を持ってるとしか思えない。
俺は彼のことをカメラさんと名付けることにした。
そのままである。
なんにせよ、これで俺は廃墟以外からも配信ができるようになったわけだ。
応用すれば、ビデオ通話をしたまま出掛けることも可能になるのである。
目的の駅に到着したので降りて改札を抜ける。
人気の少ない駅構内にあって、彼女の姿は簡単に見つかった。
「真夜さん!」
呼びかけて近付いていく。
「え、あ、えっと、あ! ミアミア、そこにいるの?」
「はい、いますよ、こうして会うのは初めてですね」
「あ、あはは、肉眼で見えないからあんまり実感は無いんだけど」
そう、
真夜さんからは俺の声も姿も認識できない。
ではどうやって意思疎通しているのか。
それを可能にしているのがビデオ通話である。
今、真夜さんのスマホは、俺とビデオ通話状態なのだ。
従って、スマホを見れば、カメラ越しに俺の姿が見えるし、声も聞こえるという寸法だ。
欠点といえば、パソコンの前から離れてしまうので、俺からは通話相手の声や姿が見えないことだが、それもこうして会ってしまえば問題ない。
カメラさんが便利すぎて、間接的な交流ができるようになったわけである。
カメラ師匠と呼ぶべきかも知れない。
「でも本当に幽霊なんだね……。スマホで見ると間違いなく私の横にいるはずなのに、現実には影も形もない……」
「そうなんですよ、怖くなりました?」
「いや、いやいやいや! そんなことないよ! 今日だってこうして私のためにわざわざ来てくれたんだし! 感謝感激雨霰だよ!」
とりあえず怖がられてはいないようで一安心だ。
一応、本物の幽霊だとわかって距離を置かれることも想定していたのだが、真夜さんに失礼な考えだったかも知れない。
「昨日はあれから何も無かったです?」
「うん……私も部屋に一人でいるのは怖いから、さっきまでファミレスにいたんだ。そのおかげか特に何も起きなかったよ」
真夜さんは実家暮らしで、両親も一緒に住んでいるらしいが、あまりオカルトに理解のある人たちではないとのこと。
一応事情を話して連れ出そうとはしたものの、眠いから明日にしろ、寝ぼけているのかと一喝されて渋々退散したらしい。
いっそ自分が家に留まる方が巻き込んでしまうかもと考え、一人で出てきたという。
「あ、ちなみに今は……」
「周囲には何もいませんね、憑いてきてはいないみたいです」
「そ、そっか」
声の主が真夜さんに憑いてきているかどうかは、俺も最大限気を張って探していた。
残念ながら、この場には来ていないらしい。
もしいれば話は早かったのだが。
となると本命はやはり真夜さんの部屋だろうか。
「お父さんとお母さん大丈夫かな……?」
「そんなに強力な霊という感じはしませんでしたから、今が元気であればすぐにどうにかなることは無いんじゃないかと」
「そっか、それなら良かった」
とはいえ、絶対ではない。
早めに対処するに越したことはないだろう。
「今日学校なのになあ。寝不足でフラフラするよ」
「そういえば高校生でしたね。配信と両立なんてすごいです」
「そんな大したことはないんだよ? 学校終わってからの空いた時間を活用するだけだし。ただ今日はさすがに少しキツイかも……」
無理もない。
今まで霊とは無縁だった女の子がいきなり心霊現象に巻き込まれたのだ。
不安や恐怖は相当なものだろう。
「でも本当にごめんね、ミアミア。私がコラボになんて誘ったからミアミアが叩かれるハメに……それなのに様子まで見に来てもらって……ありがとう」
「いえいえ、本当に気にしないでください。昨夜も言ったけど多分私のせいな部分も多々あるので」
そう、だからこそ責任を取らなくては。
まあ責任云々なんてなくても、真夜さんのことはもう友人だと思っているのだ。
どこのどいつだか知らないが、霊なんかに傷つけさせはしない。
「じゃあ、早速ですが真夜さんの家に行きましょう!」
「う、うん。すいませんけどお願いします」
そうして、俺たち一行は真夜さんの自宅へと進んでいった。
外からは真夜さんが一人で行動しているようにしか見えないだろうが、実際は俺、口だけさん、カメラ師匠と勢揃いである。
当初は真夜さんを連れて行っていいものかどうか迷ったが、場所が真夜さんの家であること、両親が寝ていることから、真夜さん自身が着いてきたいと主張した。
まあ、俺が体を張れば、最悪でも真夜さん一家が逃げる時間くらいは稼げるだろう。
相手の気配的にそこまでの脅威は感じていないが、用心に越したことはない。気を引き締めていこう。
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