5 アーカイブは残らないぞ(前)
幽霊配信者ミアちゃんスレ
1 視聴者の名無しさん ID:
元スレ落ちたので立てた
チャンネル
URL:ttp://www…………
まとめ
URL:ttp://www…………
元スレ
URL:ttp://www…………
10 視聴者の名無しさん ID:
>>1 おつおつ
11 視聴者の名無しさん ID:
迅速なスレ立て、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね
12 視聴者の名無しさん ID:
ミアちゃんペロペロ
13 視聴者の名無しさん ID:
もうまとめあるのかw
見てくるわw
14 視聴者の名無しさん ID:
仕事早すぎわろち
15 視聴者の名無しさん ID:
可愛いし怖いし面白いし最高だったな
これは化けるわ幽霊だけに
16 視聴者の名無しさん ID:
>>15
審議中
17 視聴者の名無しさん ID:
結局透けてるのってなんか種があるのか?
あの唇の化け物も被り物とか?
18 視聴者の名無しさん ID:
>>17
口だけさんな
19 視聴者の名無しさん ID:
実際のところはわからんけど面白ければいいんじゃね
20 視聴者の名無しさん ID:
俺は本物だと思う
そのほうが夢があるし
21 視聴者の名無しさん ID:
おい
おい
やばい
アーカイブ見ろ
22 視聴者の名無しさん ID:
>>21
どした?
23 視聴者の名無しさん ID:
これまじ?
24 視聴者の名無しさん ID:
鳥肌たった
25 視聴者の名無しさん ID:
ヤバいヤバい
ガチで幽霊だったのか?
26 視聴者の名無しさん ID:
怖い(´;ω;`)
27 視聴者の名無しさん ID:
怖すぎ泣いた
28 視聴者の名無しさん ID:
なんじゃこりゃ……
延々暗い廃墟が映ってるだけやん……
ミアちゃんどこいった……
29 視聴者の名無しさん ID:
今仕事中で見れないんだけど何があったん?
30 視聴者の名無しさん ID:
>>29
アーカイブにミアちゃんの姿も声も映ってない
ひたすら誰もいない暗い部屋の映像
コメントだけ何かと話してる
31 視聴者の名無しさん ID:
KOEEEEEE!
32 視聴者の名無しさん ID:
映像差し替えた?
そんなことできんの?
33 視聴者の名無しさん ID:
アーカイブ残らない系配信者だったのか……
34 視聴者の名無しさん ID:
アーカイブ残らない(物理
35 視聴者の名無しさん ID:
いやこれは洒落にならんだろ
実はmytobeの悪戯でしたとかじゃない限り安心できない
36 視聴者の名無しさん ID:
ミアちゃんどこ行ったの(´;ω;`)
37 視聴者の名無しさん ID:
幽霊ならおかしくない……のか?
38 視聴者の名無しさん ID:
怖いよ
もうペロペロできないよ
39 視聴者の名無しさん ID:
>>38
この程度でへこたれるとは
ペロリストの恥晒しめ
40 視聴者の名無しさん ID:
ガチの幽霊であることが証明されてしまったか
41 視聴者の名無しさん ID:
もしミアちゃんが本物の幽霊だとしたらさ
口だけさんとか、例の駅前のヤバい悪霊とかもリアルに存在するってことだよな?
怖すぎる
42 視聴者の名無しさん ID:
幽霊自体は結構いるみたいなこと言ってたもんな
知らなくていいこと知っちゃった気分だわ
43 視聴者の名無しさん ID:
編集だろ
44 視聴者の名無しさん ID:
トイレ行けなくなった
誰かついてきて
45 視聴者の名無しさん ID:
幽霊ってほんとにいたのか
46 視聴者の名無しさん ID:
ままま待て、まだあわ、あわ、あわて
47 視聴者の名無しさん ID:
可愛ければ何でもいい
48 視聴者の名無しさん ID:
ミアちゃんはいいとして
他の悪霊どもも存在することになっちゃうのがな
49 視聴者の名無しさん ID:
オカルト好きの友人に教えてやったら馬鹿にされたわ
絶許
50 視聴者の名無しさん ID:
とりあえずやるって言ってたし明日の配信を待とう
○
幽霊は寝る必要がない。
そのため夜は適当にお散歩でもして時間を潰すのが癖になっていたのだが、昨夜は一味違った。
何せ配信でしたいことをアレコレ考えているだけで無限に時間が過ぎていくのだ。
こんな楽しいことを何故俺は前世やらなかったのか。
いや、慢心は禁物だな。前世の冴えないおっさん時代の俺がやっても罵声を浴びればマシなほう、下手をしたら完全無反応だっただろう。
この美少女ボディと幽霊というインパクトがあってこその今だと思うべきだ。
ついでに言えば、人恋しさのあまり、どんな反応でも嬉しくなってしまう精神状態だもんな。
こんな状況じゃなければやっぱり配信なんて思い切ったことはできなかっただろう。
そんなわけで、あれやこれやと妄想していたら、あっという間に時間は経過。
一応余った時間でざっと全部屋を回ってみたが荒れているほかは特別なことは何も無かった。
口だけさんみたいな幽霊が棲みついていたらどうしようかと思ったがそんなことはなく。
……ちなみに前世の俺の両親の姿も、どこにも見えなかった。
これについては半分以上諦めていたし仕方がない。
むしろ下手に両親の霊がいて、意思疎通できない状態であったほうがダメージが大きかっただろうから、これでいいのだと思う。
俺としてももう何年も前に心の整理がついていたことだ。
もしかしたら程度の期待だったので、配信やこれからのことを考えて気を取り直すことにした。
そういえば、自室に行けばパソコンでネットサーフィンができるじゃん! と気付いてからは更に時が加速した。
ずっと部屋にいる口だけさんの存在は不気味だが、特に何をしてくるわけでもなさそうなので、努めて無視。
幽霊になってから初めて、この上なく有意義な夜を過ごせたと言えるだろう。
「やっぱパソコンって最高だわー……」
参考にしようと有名な配信者のチャンネルを見たり、漫画サイトで無料の漫画を漁ったり、ネット掲示板でニュースやゲーム情報などを調べたり。
「こんないいもんだったのかパソコン、失って初めてわかる文明の利器のありがたさよ」
いつの間にか時間は朝の十時になろうとしていた。
まさにあっという間だった。
一応昨夜立てたスレも見に行ってみたが、既にレスが千を超えて過去ログ行きになってしまったようだ。
「しまった、配信が楽しすぎてスレのこと忘れてた。また立てたほうがいいのかな? それとも配信始めればわかるかな?」
少し寂しい気もするが、登録してくれている人はそれなりにいたし、始めればきっと来てくれるだろう。
来てくれるよね?
一人も来なかったらどうしよう。
急に不安になってきた。
「ええい、男は度胸! 取り敢えず配信を……」
始めようとして動画サイトを開くと、そこには登録者数317人の文字が。
……はえ?
「な、ななな何これ?」
一体何があった?
はっ、見るチャンネルを間違えたのか?
試しに色んな角度からモニターを見て見るが、飾りっ気一つないデフォルトの、味も素っ気もないチャンネルはまさしく俺のだ。
一晩俺がパソコンで遊んでいる間に何が起こったというんだ。
嬉しいを通り越してもはや恐怖を感じる。
これが美少女幽霊の力なのか!?
「落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ。123456789。ダメだ、全然落ち着かない!」
そもそも素数って何だっけ。
もう何一つわからない。
誰か助けて!
実は今が俺の見てる都合の良い夢なんじゃないかとすら思う。
「いや、死んで幽霊になってる時点で都合良くはないな」
唇の化け物と殴り合うハメになるし。
あれは痛かった。
「と、とにかく配信を始めないと」
撤退する、という選択肢はない。
確かに人が増えすぎて怖いが、もはや配信は俺の中で麻薬と同じ、一度味わったからにはやめられない禁断の果実なのである。
俺の配信を楽しみに待ってくれている人も一人くらいはいるかも知れない。
そう思うとやらないわけにはいかない。
意を決して配信の準備をする。
取り敢えず真っ白い画像に『ちょっと待ってね』と書かれたものを映す。
『きたああああ!』『待ってた!』『愛してる』『アーカイブヤバかった』『お前らおはよう』『うおおおおお! 好きだああああ!』『ミアちゃん!』『アーカイブううぅう!』
すぐに複数のコメントがついてホッとする。
視聴者数を見ると33人となっている。
今日配信するとは伝えていたが、何時とは言ってなかった。それなのにすぐにこれだけの人が来てくれたことが純粋に嬉しい。
取り敢えず十時から始める予定で枠を作ったので、もう少しだけ待つことにする。
うん、自分も一視聴者の頃は好きな配信者の配信は生で見たかったからね。
それを考えるともっと早くから予約枠を立てていれば良かったかも知れない。
次からはそうしよう。
などと反省しつつ。
「アーカイブ?」
なんだかアーカイブについてコメントしている人が多い気がする。
確か昨日確認した時点では残る設定になっていたはずだけど。
何か問題でもあったのかな?
試しに自分のアーカイブを開いてみようかと思ったが、もう十時になるので配信を優先する。
気付けば、視聴者も62人まで増えていた。
増えるの早すぎぃ!
「あ、あー、あー、聞こえるかな? み、見えてるー?」
『ミアちゃんきたー!』『可愛い』『マジで透けてる』『聞こえてるし見えてるよー』『良かった、ミアちゃんはちゃんといたんだ』『まだ口だけさんいるww』『口だけさん、ずっとあのままなのw』
そう、口だけさんは部屋の隅で立ったままである。もはや置き物。俺の精神の安寧を考えて、いっそいないものとして扱いたい所存である。
「ええと、昨日ぶり? 初見さんは初めまして、幽霊配信者のミアです。口だけさん? あいつのことは忘れよう。そ、それより、登録者数すごい増えててビックリしたよ! チャンネル登録してくれた人ありがとう!」
『可愛い』『おはよー』『初見です』『草』『草』『口だけさんの扱いw』『また襲われるぞww』『まとめサイトに上がってたね』『多分まだふえるぞ』『可愛い』『自分古参名乗っていいっすか?』
「え? まとめサイト? マジで?」
それで一気に増えたのか!
どこかわからないけど、なんて奇特な!
ありがたいようなそうでもないような。
本音を言えば許可くらい取って欲しかった気もするが、ああいうのって権利とかどうなっているのだろうか。
別に文句を言うつもりは無いんだけど。
ただそうか。まとめられたのが深夜だとしたら、確かにまだ増えるのはこれからの可能性が……。
『ガチ幽霊だから話題性すごい』『可愛いからだろ』『千人とかすぐじゃないの?』『アーカイブは衝撃だった』『収益化も近いな』
「収益化は無理かなー。幽霊だし未成年だし。それにみんなとこうして話せるだけで十分だから」
『ええ子や』『泣いた』『実際幽霊が収益化するって可能なのかな』『保護者が同意すればワンチャン?』『運営が困惑しそう』『赤スパしたい』
「あ、あはは、気持ちは嬉しいけどごめんね」
赤スパっていうのは確か一万円以上の高額の投げ銭だったか。
投げ銭したいって言ってくれる人には申し訳ないけど、幽霊の身でお金貰っても使い道がないし、今のままでいいんじゃないかと思う。
正直、このカメラを通して姿が見えるとわかった時、今世の両親に会うことを考えなかったかと言えば嘘になる。
ただ、俺自身いつどうなるともわからない身だし、両親はようやく俺の死から立ち直りつつあるところだ。
古傷を広げるようなことは躊躇われる。
寂しい気持ちはあるけどそっとしておくのが一番だろう。
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