ゴドーとは何か

死はゴシップにして良いものではないのに、人はそう捉えたがる。
本当のことを言うと、悲劇なんてちっとも美しくないんだ。「あの人が可哀想だ」と思う自分に無意識に自惚れていたり、他人の不幸を目の当たりにして自分の幸せに気づくということがあったりするから、「美しい」なんて思う余裕があるんだ。

自分事ならどうなんだい、ゴドーのみんな。
きっと、「美しい死」を迎える瞬間に分かるんだ。それまでの時間こそが素晴らしく、かけがえのないものだったってことに。
だから私もゴドーに背く。自分自身の喜びと私の存在を喜んでくれる誰かために、例え泥を啜ることになってもしぶとく生きるんだ。