第31話
~~~二週間後~~~
「さて、始めるか。葵、当然準備はできてるんだよな?」
「当たり前だろ」
今俺は冒険者協会の闘技場にいた。その理由とは二週間前に約束した愛理と摸擬戦をするためであった。
「それじゃ始めるとするか。開始の合図はコインが落ちたらでいいよな?」
「俺もそれでいいぞ。その前に勝敗はどうやってつける?」
「そんなの決まってるだろ?どちらかが気絶するで永遠と続ける。殺さなければなんでも良しだ」
「オッケー!」
愛理はポケットから一枚のコインを取り出し、それを上へと投げた。
コインが落ちたと同時に身体能力を上げ成長の魔剣を召喚した。刀身に闇を纏い愛理に向かって斬撃を飛ばし攻撃する。
「効かんわ!」
持っている剣で防がれ愛理が斬撃を飛ばして攻撃してきた。空間魔法で空間を断絶で防ぐ。
短期決戦で決めるべく俺は、限界突破を使う。成長の魔剣から鬼殺しに取り換える。火魔法で目くらましをし自分の気配を完全に消す。
「こんな目くらましじゃ私を止めることはできないぞ」
背後に回った俺は鬼殺しで袈裟切りをするも防がれた。すぐにその場から離れ光魔法で迎撃するも溶岩魔法で壁を作られ防がれた。
(さっきから防がれてばっかだな。しかも、気配を完全に消したのにどうして俺の居場所が分かったんだ?まずはそこから改善していかないとこの勝負勝てない気がする)
考えていると、
「勝負の時に考えとは随分私のことを舐めているんだな」
愛理が俺の右腕を狙って剣を振るってくる。部分龍化で剣を弾き飛ばし俺の奥の手である龍化を使う。
「おいおい、マジかよ。どんだけ私を楽しませてくれるんだよ」
龍になった俺は尾で愛理を吹き飛ばす。倒れた愛理に向かって火雷魔法を放つ。
そろそろ体が悲鳴上げているので龍化を解き、勝負の行方を見てみる。
「私の負けだ。もう動かん」
「よっしゃ!」
「それにしても、龍になるとは。本当に私のことを飽きさせないな、葵は」
「昔からこう言うだろ。"男子三日会わざれば刮目して見よ"って」
「はは、そうだな。次戦う時は私が勝つからな」
そう言って愛理の姿が目の前から消えた。
疑問に思っていると、後ろから声を掛けられた。
「おっ、どうやら葵君が勝ったみたいだね」
声の正体は聖也さんだった。
「聖也さん」
「どうして愛理の姿が消えたか知りたいだろ?」
「はい。知っているなら教えてください」
「多分だけど、蒼龍との激戦で新しいスキルを覚えたらしくてね。それだと思うよ」
「なるほど」
(どういうスキルなんだ?転移系のスキルだったら俺との摸擬戦で使えばいいというのに)
考えても全くわからないという結果になり考えるのを辞めた。
「教えてくれてありがとうございます。自分も疲れたので帰ります。お疲れ様です」
「うん。お疲れ。二週間後の会合でまた会おうね」
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読んでいただきありがとうございます
これからもよろしくお願いします
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