第25話
「それで本題なんだが。君は何を隠しているのかい?」
突然の質問で俺の心臓が止まりかける。
レベルのことをバレるわけにはいかないのでとぼけることにした。
「どういうことですか?」
「私はこう見えても長年ギルド長を務めていてね、人の見る目はあるんだ」
「そういわれても、何も隠していないから話すことはないんですよね」
「・・・今はそういうことにしておこう。いつか話してくれると信じて待つとしよう。聖也、これ以上長居したら葵君に申し訳ない。帰るぞ」
「わかりました~。葵君、怪我が治ったら僕とダンジョンに潜ろうね~」
病室から出て行き気が抜けてベットに倒れこむ。緊張で疲れたのかそのまま寝てしまった。
~~~一週間後~~~
完全回復した俺はダンジョンには潜らず家で休暇を満喫していた。
「葵、ダンジョンに潜らなくていいの?」
「この間の戦いで疲れたから。一週間くらい休もうかなと思ってね」
「そうなのね。それじゃゴロゴロしてないで洗濯でもして頂戴」
「えっ、ピースアイランドを救った英雄である俺様に洗濯させるの?」
俺たち三人はピースアイランドを救った英雄としてニュースに取り上げられていたのだ。俺は時の人となったのだ。
「世間では英雄かもしれないけど家では関係ありません。早く洗濯しなさい」
「わかりました」
(やっぱりだめだ。いくら強くなっても絶対に母さんには勝てる気がしない)
そんなことを考えながら洗面所へと向かった。
★★★★★
「はぁ~疲れたぁ~。結局洗濯だけじゃなくて家事全部やらせれた。これなら魔物と戦ってた方が疲れなかった」
「あら、もう終わったの。さすがは英雄様ね。今日はありがとう」
「風呂に入ってくる」
「夕食もう出来てるから出たら食べなさい」
「は~い」
~~~次の日~~~
今日俺はダンジョンに行こうとしていた。本当は一週間後くらい休もうかと思ったが家に居たら家事をやらされるのでダンジョンへと逃げることにした。
昨日のことを思い出しているといつの間にか冒険者協会へと到着していた。
「お久しぶりです、葵さん。ピースアイランドでの活躍耳にしましたよ。本当に無事でよかったです。今日はどのような御用で」
「討伐難易度SSSの魔物はどんな奴がいますか?」
「葵さんもZランクを目指すんですね。頑張ってください」
「も?ですか?俺の他にもいるんですか?」
「今朝聖也さんが来て同じことを聞いてきました。四谷ダンジョンに出現する討伐難易度SSSは、蒼龍、白龍、エンペラーオークなどですかね」
「ありがとうございます。蒼龍は何階層に出現しますか?」
「六十階層です」
お礼を言いダンジョンへと向かった。その途中、この間ダンジョン内で知り合った三國源蔵から会おうとの連絡があった。ダンジョン探索に向かうといい今度会おうと送った。
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