第13話

現れたのは龍だった。しかも、火竜の二倍の大きさも。鑑定してみると、火竜の上位種の火龍だった。


「全属性の魔法耐性を持っているし、再生も持っていやがる。魔力が切れない限りずっと回復すんのかよー」


めんどくさいなと思いながらも倒した時のドロップ品のことを考えると笑いが抑えられなかった。

短時間で決着をつけるため限界突破を使う。体が今まで以上に軽くなる。火龍との距離を一気に縮め義手で殴る。数メートルくらい飛ばすがダメージを負っているようには見えなかったが、気にせず殴り続ける。

百発くらい殴り一度やめて様子を見てみるが、全く効いているようには見えなかった。


「これだけ殴ってもダメか。一度諦めて限界突破を解除するか」


次の策を考えていると火龍が口からブレスを吐いてきた。ジャンプして真上に避ける。次は俺のターンと言わんばかりの勢いでブレス、火魔法で攻撃してくる。それらの攻撃をすべて避けていると、あることを思い出した。

俺は好機を見出し最後の力を振り絞り限界突破を使い攻撃を避けながら火龍に近づいていく。目の前までやって来た俺は一枚だけ逆さに生えている鱗を見つけそこに向かってありったけの力で殴る。


【火龍を倒しました】

【レベルが上がりました】


「はぁ~疲れた。もう筋肉痛で動けない。火龍強すぎだろ。逆鱗のことを知らなかったら絶対に勝てなかっただろ。なんでこんな強い奴が三十位階層のボスなんだよ。おかしいだろ。これ、パーティーで挑む敵であってソロで挑む敵じゃないだろ」


想像以上の敵の強さに文句を言いながらドロップ品だと思われる真っ黒の剣を拾い鑑定する。

鑑定結果を見て敵の強さに納得をし怒りが収まって来た。


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呪剣・殺

ランク:SSS

説明

壊れることはない。斬りつけた箇所に毒が入り数秒で死ぬ。状態異常無効化のスキルや特性を完全無効化する。

補足

一日に三回と使用回数がある

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これさえあればどんな強敵も倒せる。これならZランクダンジョンのボス、邪神をも殺せるかもしれないと思った。そのためにはまず休むことが大切だと思い、呪剣・殺を杖代わりにして階段を下りる。


~~~三十一階層~~~

呪剣・殺をしまい空間を断絶し死んだように眠った。


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