2023 08 18
CNさんの戦争(その3)
CNさんは今治駅から善通寺まで行きました。善通寺市は四国の師団があるのです。鈍行で行きましたが応召された兵たちが沢山いました。見たところ弱そうな兵隊ばかり。CNさんもその中の一人でした。三日間ほど訓練(と云っても訓練の真似)があって戦地に行ったのです。戦地は、ソ満(ソ連と満州の国境線)でした。南方はひどいらしいけど、北方は戦争も大した事ないし、一応は安心したのです。
CNさん曰く「最初は気候も良く、夏も涼しいしええとこやなと思ったのけど、古参の兵隊によると冬は厳冬で身体の弱いのは普通に死ぬそうや。わしも冬は越せんやろなと思ったな」
しかし、ロシアが国境を越えて来よった。いわゆる日ソ不可侵条約を一方的に破ったのです。CNさんはロシアの捕虜になりました。捕虜になってひと月ほどして身体検査がありました。すぐに連れて行かれたのです。結核が見つかったのです。何とかして隠していたところ結核はすぐに見つけられたのです。
CNさん曰く「病気になると労働者の捕虜なんかは銃殺や。何処かに捨てられて終わりや。さすがに観念したな」
列車に乗せられて行ったのですが、何日行っても何処かどうか分からない。一週間ほどして降りたところ病院がありました。多分、モスクワ郊外だと云ってました。
CNさん曰く「生体実験だなと思ったな。最後は生体実験か。死ぬことは何ともないし覚悟もあるけど、苦しいとか拷問は勘弁してくれと思ったな」
夏の甲子園も暑い中やってますね。慶応高校が坊主じゃないとか長髪もええやないかとか、色々な意見がありますが、50年前も時々長髪の高校も出てました。その頃、同級生の野球部員が云ってました。監督に「長髪いかんのですか?」と云ったら、その監督、「相撲取りが髷切ったら相撲取り辞めないかんやろ。高校野球も同じや。坊主辞めて長髪にしたら高校野球も辞めないかんやろ。そう云うこっちゃ」
その野球部員「何か分からんけど、妙に納得したわ」
その野球部員、今は、野球部の監督になってますが、やはり、野球部の部員は坊主にしてます。
以前、私が、その監督に「補欠は長髪やけど、ベンチ入りメンバーにできたら坊主になれるなんか、ええんやないか」と云ったら、
「それええかもしれんな。相撲取りになるのが関取の大銀杏の証しやしな。坊主はベンチ入りの証になったら面白いし。長髪は補欠の証となると恥ずかしいことになるわ。坊主になったら女にもモテる。それ一考ありや」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます