東京客人(とうきょうまろうど)//「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 二十句連作部門」

宮国 克行(みやくに かつゆき)

東京客人(とうきょうまろうど)

いつもより赤い洋服東京へ


扉あけ「行ってきます!」と声高く


足どりは軽き素足にばんそうこう


「派手かしら?」少し気にするあぜの上


土のもバッタも今日は気にならず


顔見知り避けて歩いて駅前に


携帯の汚れ気にせずLINEらいんだけ


改札は陽炎だけが通り来る


時刻表かすれた文字はそのままに


ホームから聞く発車ベルときめくの


車窓から入道雲は主張する


何かを捨てる日立の海はいい感じ


都会へと柏の駅は一里塚


上野駅都会の香り幾重にも


都会では人々の顔覚えれず


小声だと訛り聞かれず安心す


プリクラも都会では違って見える


夜半の夏よはのなつ嬌声きょうせいだけがこだまする


故郷へ下り電車はホッとする


客人まろうどの私もいつか仮面剥ぐ



























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