眠りの果て、或いは恋の予感

おのぎのあ

眠りの果て、或いは恋の予感


迷い道を春風と行く


君が見えなくなった角をまだ見ている


窓辺で踊る昨夜のワンピース


着工の昨日はポピーが咲いていた場所


かじかんだ言葉を夜に放つ


掴み損ねた花びらはらりら


ソーダ水際限のない睦言


こんがらがった夏に立つ


早く会いたくて夕闇を走る


夏にほどけてゆく身体


君向きについた寝癖を直す


満月と知らずに見る月の丸い


君を待つベンチに積もる夜


恋をしている指で桃を剥く


君に手を振って明るい地下鉄


眼裏を漂う恋のひかり


君と枕の境界に闇


心ひっぱって火花


亡霊をなぎ払う君の声


抱きしめられて取り戻す輪郭

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眠りの果て、或いは恋の予感 おのぎのあ @onogi_noa

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