第9話 シフォサと仲間たち 1

4月4日 放課後


談話室


美奈「ついにスタートだねシフォンサークル!」


設立書類も受理され、今日から本格的に部活の始まり!


って言っても皆でお喋りしてるいつもの流れなんだけどね笑


ゆき「正式名称がぱっと出てこないシリーズだわこれ」


結「確かに…笑」


実里「ちょっと~自分達で設立したんだから…学園交流部、ね」


ゆき「もーシフォサで良いじゃん~改名届出そうよ」


実里「やれやれ笑。そう言えば黒鵜先輩は?あんまり来れない感じ?」


美奈「まー名前貸しって感じだよね…それにこのメンバーの中に入るのって勇気いると思うよ笑」


ゆき「どー言う事だ!!」


結「美奈ちゃん…何て事を…」


実里「まるで自分だけは違うみたいな物言いではないか」


大ブーイング笑

実は黒鵜さんは今朝の話題にあった、1年C組で発生している強い能力反応の調査をしているんだよね。


新入生で天使なのは私とゆきだけらしくて、私達以外の新入生から能力が出たとなればそれなりに危険って連絡が来ている。


要するに理由も無く侵入しているって事。


流石のゆきも少し警戒ムードで今日は大人しい。


と、思いきや…。


ゆき「やっぱ野郎を惹きつけるにはラップだろお!!」


ゆき「ずんずんちゃっ…!ずんずんちゃ…!」


結「ゆ…ゆきちゃんどうしたの?」


ゆき「ヘイヨウ!併用!ヘイヨウ!塀用!」


ゆき「やっぱ?ラッパー?イケてる俺たちラップでアップっイエー」


実里「まさにパッパラパーだな笑」


美奈「前言撤回」


シフォン学園の部活動の実績は、教授会で認められるとかなり優遇されるみたい。

学費の補助、留学費用免除、他校との交流代表、地域の役員会への参加などなど。


実績のある部活動に入部するのが一番の近道だけど、実績が取りやすい内容の部活設立も戦略として流行っているらしい。


実里「実績と楽しみを両立出来れば最高だよね」


結「ねえ…学内掲示板に何か掲示してみない?」


美奈「お!何だか面白そう」


ゆき「美しくお願いねっ、後名前は全部ひらがなでわかりやすく頼みますわ!」


実里「選挙ポスターかっ!」


結「あながち間違ってないんだけどね笑」


美奈「微妙に難しくボケんでくれ…そして実里の超反応にもビビるわ笑」


結「やっぱり知られてないといざコラボとかする時も、自己紹介からしないといけないし」


結「部活の紹介ポスターを貼るのも有りかなぁ…なんて」


実里「確かにそれ有りかも!併せて学生サイトに部活ページを作るのも良いと思う」


美奈「よーし!そしたら今日はデザインとか色々考えよ~!!」


ゆき「その前に……買出し行こうよ!」


もはやスーパーかと言う品ぞろえの購買部でお菓子やら飲み物やら色々ゲット、部活動第2章が幕を開けた。


実里「ポスターのレイアウトはこんな感じかな?みんなどう?」


結「良いと思う!」


美奈「ちょっと派手な気もするけど笑」


ゆき「かー!美奈は何にもわかってないぞお!!アピールってのは遠慮してたらダメ!ダメ!どーんと行かないと!」


すっかり馴れてしまったがこの子の制服のカラフルさは不意に笑いを誘うんだよね。


美奈「笑っ」


ゆき「なーに笑ってんじゃ!!」


美奈「だって…その制服…笑」


皆も意識してしまったのかしばらくみんな笑いが止まらなくなった。


ゆき「やれやれ…スーパーカリスマタレントの辛いところね…うんうん」


ふざけながらもユキが一番目立つ部活ポスターが完成。と言うかすでに有名人な気がするからポスターいらないかもね笑


結「印刷研究部って言うのがあるみたいだから、そこに印刷お願いするのどう?」


実里「まって結。印刷部って言うのもあるよ」


結「ほんとだ…どっちに頼もう」


ゆき「連絡してみれば良いんでない?」


美奈「研究部の方は部室も連絡先も書いて無いね。内々の部活かな?」


結「印刷部の方は部室も連絡先もあるみたい。えーっと…」


結ちゃんがキョロキョロしている、どうやら交渉的なのは苦手みたい。


実里「今日は皆貸しって事で良い?笑」


実里ちゃんが連絡してくれるみたい。


結「実里ちゃんありがとう…」


ゆき「ちょっ~と待って~!」


実里「ゆきどうしたの?」


ゆき「一応黒鵜先輩に連絡しとこ?依頼とは言えコラボるのに変わりは無いし」


典型的なやる時はやるタイプだなこの子は…って空気になるのはゆきと仲良くなるとあるあるだ。


美奈「連絡するね」


通信端末で黒鵜さんに内容を説明するとすぐ返信が来た。


【了解。費用が必要ならまた連絡してくれ。】


美奈「良いって!お金掛かりそうなら連絡ちょーだいって書いてあるよ」


実里「OKー!早速連絡してみる」





??「はい、真中(まなか)ですが。」


実里「すいません。印刷部さんのお電話でしょうか」


真中「そうです印刷部の真中です。あなたは?」


実里「学園交流部の日比谷と言います。ポスターの印刷をお願いしたくて電話しました」


真中「学園交流部、学園交流部…。ポスターの印刷は多分出来ると思うので、明日昼休みか放課後すぐにうちの部室に来てください。打ち合わせしましょう」


実里「わかりました!ありがとうございます!ちなみに費用は掛かりますか?」


真中「内容にもよりますが多少は…。明日見積出しますね」


実里「では明日お伺いします。失礼します。」


皆こういう電話に馴れていないのか、聞き耳を立てながら変な姿勢で通話を聞いていた笑


美奈「実里ちゃんすごー」


結「何だか私が緊張しました…」


ゆき「いやー!シフォサ初仕事ご苦労様ですっ!!」


実里「大した事じゃないじゃん…笑。次からは皆順番にやるんだから」


えーーーー!!


一斉に歓声があがったけど、皆満更でも無さそうな顔をしているのが面白いね。


実里「電話番号個人のっぽい番号だった笑。まあ端末番号だったからそんな気はしたけどね」


美奈「私達の番号載せるのちょっと危険だから、捨てアドとメッセアプリにしよ?」


結「その方が良いね。今学生サイトを見たんだけど他の部活も結構そうしてるみたい」


ゆき「ふっふっふっ…敢えてゆきの番号を載せ、釣りあがった者どもを戦闘員として確保する戦略を思いついたぞ…」


美奈「わかった」


ゆき「へ??」


実里「うん、それで行こうか」


結「目指せ!1か月で部員100人!」


実里「下書き書き換えとくね」


ゆき「ちょっとちょっとー!」


美奈「凄い数の電話が来ると思うけど頑張ってね…私達、応援してるから」


ゆき「冗談ではないですかぁぁぁぁ!!!」


美奈「却下」


ゆきの断末魔が今日のエンディングテーマとなった。

平和って良いねえ。


続く

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