第17話 死闘 2
クリスマスソングのジングルベルが死のロンドの様になって、コロナ族数千万匹をオミクロン族一億匹が包囲し、一斉にソリントガンの様にダブルチューブを発射した! センター街を行き交う人類には時々、眼がチカチカしたり、頭皮に痒みが走ったりしていたが、気にも留めずニコニコ顔で恋人達や家族連れがクリスマスを楽しんでいたdし、マスクをしているからこその奇説の風物詩に何の疑いを持たず、壮絶な死闘を繰り広げているクリスマスツリーにロマンを感じ見上げて通り過ぎていた。
オミクロン族の攻撃に一溜りもなかったコロナ族は、遠方より応援のテレパシーを無差別に放射的に送信していて、第一波が戦場の三宮センター街に到着したのは、大阪府と奈良県県境にある生駒山の暴走族に感染していたコロナ族が到着した。
「アンタら、なにしてんねん! ウチらは紅蜘蛛やからな!シバキ上げるでえッ!最高の睨みを利かせ、無垢なオミクロンをたじろがせていた!
気を取り直したオミクロン族が、後転してコロナ族にソーシャルディスタンスを採る!
腰の銃を取りダブルチューブを構えた!バグッ!
ダブルチューブとは、散弾銃のショットガンタイプの事で散弾タイプの銃弾が撃てるコロナ族には脅威の兵器だった。
コロナのボディーが飛び散る!
息つく間も無く背後から忍び寄るコロナ族に踵を返して、バグッ!銃を撃つ!
コロナのボディーが飛び散る!
頭上から降ってきたコロナ族を迎撃!
バグッ!コロナのボディーが飛び散る!
飛び散ったコロナの体液が、久美ちゃんの顔に掛かった!
咄嗟に銃を久美ちゃんの身体に向けた!
バグッ! 刹那久美ちゃんのボディーが粉々に飛び散る!
飛び散ったボディーの欠片を吸い込む様に他のオミクロン族が、久美ちゃんを吸収して行き口からエクトプラズムの様な物体を吐いた!
1秒で久美ちゃんが形成された!
オミクロンと言えどもコロナの体液には要注意で、それに触れたオミクロンは、真性のコロナ 族に変態するから一旦オミクロン族の体内に吸収してヒーリングをやりながら完全体に生まれ変わる!
戦場は神戸三宮のセンター街だ!一列にディフェンダーがウイングラインを組みコロナ族のフォワードが突っ込んで来るとダブルチューブを間髪入れず発砲する!
ウイングから毀れた手負いのコロナをフルバックが処理した。
戦いのフォーメーションは無敵で、このルーチンが作業の様で、リズミカルな手さばきで久美ちゃんは圧勝だと思っていた。
同じ様な光景が三宮センター街のあちこちで繰り広げられていた!
同じ様な光景を1000万回以上繰り返されそして久美ちゃんは果てし無い戦いを繰り広げそして消えて行った。
キラキラと鮮やかなピンク色を発光させていたコロナ族のオーラは赤色に変色して行き交う人類が何事も無かったように不織布のマスクを装着し、足底には死んで行ったコロナ族の残骸が圧着され、足底を洗浄されるまで残骸は忘れられ、新たな情報が流れては消え、流れては消える社会のルーチンが、三宮センター街の戦いを誰一人気付く者も居ない・・・。
そして人間社会にも新型クロスの販売合戦が決算期の週末に連れ終わりを迎えた。
「宗像さんサービスフロントにお客様です。」
フロント受付事務のつばさ、久美ちゃんと消えて行った彼女達は亮一にレクイエムを歌う機会を残し、「いらっしゃいませ。」アレッ?と怪訝な表情を残し、客席へ接近して行った。
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