第4話 クミちゃんの警告

瞼の裏に赤い閃光が広がる。

ヤバイ!脳内に今まで聴いた事の無いメロディが流れていた。

 これは耳を塞いでも聴こえて来る! 咄嗟にそう思った。

イキナリ柔らかい細い指が亮一の手を包み「こっち!」繋いだ右手を引っ張られ、為すがまま、引かれるベクトルに抗わず素直に従ったが、足下がフラットの様にすいすい歩けた。

「眼を開けてみて下さい。」女の人の声がして、フワッと床が浮いた様な気がして、眼を開けたが、そこは見たことの無い部屋で、目の前にはキラキラとイヤ、純白とイエローのオーラに包まれた久美ちゃんが立っていた。

 こんなよろしいスタイルとグッドな顔だったのか・・・。

あの時、振り向いていれば良かったと思ったが、不意に右手の小指が気になり恐々目の前に翳して見たが、全部再生されていた!グー、チョキ、パーが、高速で出来る! 

 今までは何処か引っ掛かっていたが。

「じゃんけんが好きなんですか?」と、久美ちゃんは不思議そうな顔をして此方を見ていた。「何で久美ちゃんが?」

 湧いてきた疑問を素直にぶつけてみた。

「実はね、宗像さん?」

「私は、アルツハイマー星人のオミクロン族なんです。」


「えっ?何を言うてんねんきねんぶつ?」


咄嗟に出た言葉が、ギャグめいていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る