好感度メータが突如振り切れた!?そろそろわたしの心臓は爆発します!

佐久間 円

第1章

第1話


「ちょっ!?  いや、待って! 」


 わたしは今、尋常じゃないほど動揺し慌てふためいていた。

 なぜなら息をのむ程の美人が、ふたりきりの部屋でわたしを抱きしめているからだ。


 しかも、わたしの事を、ソファーに、押し倒しながら⋯⋯!?



朱莉あかり大好き」

 

 わたしを抱きしめたまま、深月みづきは耳元で破壊力抜群な言葉を囁く。

 抱きしめる力も、一向に弱まる気配がない。


 くっ! いい匂⋯⋯じゃなくて!

 

「みっ、深月?」

「うん」

「ちょっと離れて欲しいかなぁ?」

「やだ」

「やだっ!? なんで!?」

「離れたくない」

「わっ、分かった、から。少し落ち着いて。ね?」


 まずは落ち着かせようと、わたしは深月の背中をぽんぽんと軽く叩く。深月は渋々といった様子で身体を離してくれた。

 

 あぁ! そんな潤んだ瞳で見ないでほしい!

 

 身体は離れたとはいえ、依然押し倒しされたままの状態なのだ。わたしの心臓は、いつ爆発してもおかしくないほど高鳴っていた。


 とにかく! このままの体勢でいるのはまずい気がする!

 身体が離れた隙に、わたしは上半身を起こした。


 ソファーから起き上がるわたしを大人しく見守っていた深月は、起き上がることによって近くなった距離を更に埋めるように、ふたたびわたしに抱きついてくる。

 わたしの頭は一瞬で真っ白になった。

 

 ――えっ!? なんで!?


 動揺が限界突破しそうなわたしを余所に、深月はわたしに抱きついて、今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうなほどご機嫌な様子。

 一方、わたしの心臓は更に主張を強くする。激しく肋骨を叩き続け、もはや痛いほどだ。


 そろそろ、本当に爆発するんじゃないかな⋯⋯。


「朱莉に言われたとおり、ちょっと離れたからもう離れない」

  

 ⋯⋯あぁ、もう、なにそれ。深月が可愛すぎて、どうしたらいいんだ――っていうか、そもそもどうしてこうなった!?




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*同時連載*

【私が抱き枕になるまでを説明をいたします

⠀~私と彼女の秘密の事情~】

https://kakuyomu.jp/works/16817330660533025669

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