幕間
幕間 ネクストクラレント計画
本開発計画は私、シルル・リンベが中心となり、アストラル体やタリスマン達の意見も参考にしつつ進める、惑星国家ネクサスにおいては惑星の安全を保障する為には最優先事項である防衛戦力の拡充計画である。
現状、ネクサスの防衛戦力はエクスキャリバーンを除けば建造済みのローエングリンとタンホイザー100隻ずつと、仕様変更のため改装をはじめたプリドゥエンが58隻。
ソリッドトルーパーに関しては、クラレント(※1)、フロレント(※1)、Spec2仕様アロンダイト(※1)に加えて、他の惑星から買い付けたクレストが全部で2410機(※2)。
衛星軌道上を周回するプラネットガードナーが120機。
これで惑星1つを守り切ろうというのだから、無理がある。
尤も。特筆すべき戦力としてモルド――オームネンドの存在があるが、アレに関しては最終手段。何よりあれも数が多いとそれだけで抑え込まれかねないのだから、頼り切るのは問題があるだろう。
さて、肝心の機体の設計について。
技術試験機としてのクラレントの戦闘データをもとに、ブラッシュアップした発展高性能機および、その発展機を万人でも扱えるようにデチューンを施した量産機の製造計画。それがネクストクラレント計画である。
この計画によって生み出される機体の名前はクラレント
高性能機に関しては、あらかじめアッシュ、ベル、アニマの3人が使用する機体として手加減ナシの設計を行う(※3)。
1号機は標準となる汎用機(※4)、2号機は軽量の高機動機、3号機は重力制御特化機。それぞれ、アッシュ、ベル、アニマ用の機体である。
この機体のために新たに開発した機体フレーム・
テスト機として外装のみをクレストのものに変更した機体を1機用意して稼働手テストを実施。OSについてはこの時点では搭載されていないため、テストパイロットは私、シルル・リンベが担当。フレームの性能は量産機としては高水準であると確認した。
2号機には軽量化した代わりに、エネルギーを溜めておき、溜めたエネルギーを開放することで一時的に出力を向上させるパワーブースターを仕込む。これはベルの戦闘スタイルとして一撃よりも手数による攻撃を好むからであり、この機体用に追加装備の開発も進行中であるが、機体のロールアウトには間に合いそうにない。
3号機に関しては1号機とも2号機とも大きく異なる外見になり、
1号機に関しては――量産仕様に最も近いからおもろみがない(※5)のでまあいいか。
量産用のクラレント
ウイングバインダーを廃し、代わりに通常の推進装置を組み込んだバックパックを装備。バックパックに装備したビームソードは右側に1本。原型機の場合ウイングバインダーに1つずつ装備しているが――まあ、2つとも使用する場面など限られるだろうし、量産するならば必要ない。
装甲素材は流石に安価なものへ変更し、低下した防御力はクラレントと同型のビームシールドを装備することで補う方向性で。
尤も。OS開発の際に参考にしたアッシュとベルのシミュレーションデータが常軌を逸しているせいでデチューンに手間取っているので、量産機はもう少し時間がかかるかもしれないが――これもすぐ終わらせるさ。
今はアニマやレジーナが手伝ってくれる。その分、作り込めるし、作業も早く終わるはずだ。
製造ラインであるが――これはシースベースと地上の工廠の両方で行う。
何。自分で言うのも何だが、惑星国家ネクサスの生産速度は常軌を逸している。
準備さえ整えば、あっという間に大国にも負けない戦力を整えることができるだろう。
最大の問題は――人員不足、か。こればかりはどうしようもない。
無人機化も同時並行して進めておくか。
(※1)いずれも惑星アクエリアスにて損失。
(※2)現在、惑星アクエリアスでの作戦において8機損失。12機が部位欠損。4機が大破状態で回収。
(※3)当計画提出当初は1号機から3号機はすべて同一仕様であったが、つまらないので変更した。後でめっちゃマルグリットに怒られた。
(※4)最終的に仕様変更。
(※5)可変機にしたせいで4号機としてもう1機製造することに。後でマルグリットに殺されるんじゃないかってくらい怒られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます