用語等 ※ネタバレ含む

・技術


ワンマンシップ

 個人または少数で運用する艦艇の総称。ただし、スペースクルーザーやシューターはこれに該当しない。

 人員不足を補う為に制御系をAIに任せたり、オートマトンを運用する事を想定しているものの、その代償として電磁波の影響を受けやすくなっており、生活環境において発生する程度のものならばともかく、プラズマベルトのような場所では機能不全を起こしてしまう。

 さらには熟練者の技術を再現することはできず、結局は少数人数で運用する場合でも、各部署にあわせた人員を配置して運用したほうがはるかに有用である。

 尤も、それでもワンマンシップが生産されているのは、人的資源に乏しい惑星、逆に人的資源も物資も潤沢な惑星が宇宙海賊といった組織が運用し続けている為、需要が無くならない為である。


ソリッドトルーパー

 宇宙規模で生産、運用されている機動兵器。

 基本的には頭頂高5メートルから10メートル以下の小型で人型のものが主流。

 人間が使用する武器をそのまま大型化したかのような武装を使用し、汎用性の高いのも特徴。

 小型のものや推進剤を大量に搭載する必要がある機体などはバッテリー駆動方式であることが多いが、ビーム兵器を運用する機体や比較的大型の機体はプラズマ核融合炉の一種であるプラズマジェネレーターを搭載している。

 当然、バッテリー式のほうが製造コストが安いため量産化に向いており、大量生産された機体の大半はバッテリー駆動式。


エーテルマシン

 惑星エアリアで運用されている、動力にエーテルコンバーターを採用した有人操作する機械類の総称。

 霊素――エーテルそのものをエネルギーに変換して稼働することで稼働する。

 基本惑星エアリアで製造されている人型兵器や艦艇、果ては移動用の車両までこれに該当するが、主に艦艇以外の兵器類のことを指す。

 エーテライトを展開することで空中に足場を生成。それによって空中でありながら踏み込むことができる為、実体近接武器による近接戦闘において無類の強さを誇る。

 同時にエーテライトは強固な盾ともなるため、シールドを装備する機体は存在しない。

 また艦艇においては自身をエーテライトの上に乗せることで高度を維持することで推進剤を節約。かつ、エーテライトが防壁の役割をもち、本来は死角になる下方からの攻撃にめっぽう強いという特性も持ち合わせている。


重力制御機構グラビコン

 文字通り、重力そのものに干渉する機構である。グラビコンという名称自体が略称であり、正式な呼称はグラビティコントローラーシステム。

 主に艦艇に使用されるものであり、開発段階で艦そのものの一部として組み込む必要があるほど大型であり、内部構造は複雑であるため専門のエンジニア以外ではメンテナンスすらできない。

 原理としては霊素による重力場生成現象をコントロールすることで、艦内を一定方向かつ一定重力の環境に保つ、というものである。

 が、より高出力のものになると艦艇そのものの推進力として使用することもできるし、重力場を形成することでデブリや攻撃から身を守るバリアとしても使用できる。

 また、本来の用途とは異なるが、重力場を武器の周辺に纏わせる事による直接攻撃、射出することでの遠距離攻撃にも転用可能。


イナーシャルキャンセラー

 慣性中和装置。宇宙空間において一度ついた速度を減速させるためには反対方向に同程度の加速を行い減速させる必要がある。

 この方式では必要以上に推進剤を使ってしまう上、急な方向転換も不可能に近かった。

 それを可能とするのがこの装置であり、トップスピードをいきなり静止状態にすることが可能となり、その際に発生するあらゆる慣性を打ち消すことが可能となる。

 この装置の発明は、その後の宇宙における艦隊戦の在り方を変え、艦艇であるにもかかわらずまるで戦闘機のような動きを可能とすることすらある。

 宇宙空間での活動を想定したありとあらゆる艦艇には基本装備されているが、性能はピンキリ。


エーテル通信/エーテルレーダー

 霊素の性質のひとつとして、通常の電波を阻害するという性質がある。

 そのため、エーテル技術が発展すると必然的にそれまで存在した通信技術の多くは使い物にならなくなる。

 その問題を解決したものが、エーテル通信であり、エーテルレーダーである。

 用途としてはそれまでの通信とレーダーと大して変わりはない。

 現状においてこれらを採用していないものは存在しない為、特筆しない場合は基本的に各種通信技とレーダーはこの技術を使っている。


ワープドライブ

 恒星間航行を可能とする装置、およびその技法。本来はワープドライブという装置の名前であったが、時代が下るとその装置の名前がそのまま恒星間航行技法の名前となった。

 霊素による空間湾曲現象を利用し、目的地までのショートカットを生み出すというものであり、この際にできるショートカットの事をハイパースペースと呼ぶ。

 なお、通常空間へ復帰することをワープアウトと呼ぶが、このワープアウト時に周辺に異物があった場合は当然大事故に発展するが、ワープアウトする前に目標地点周辺の状況はある程度把握でき、それに備えることができるようにはなっている。


ハイパースペース

 ワープドライブで発生する超長距離移動に使用される湾曲空間。

 空間がねじ曲がっており、本来は人類が生きたままたどり着くことができないような惑星への移動を比較的短時間で移動可能。それでも数日の移動などザラである。

 主観としてはトンネルの中を通るようなものであり、当然壁面は存在する。

 が、この壁面は湾曲空間の境目である。その境界を越えれば、ハイパースペースの内外で数光年分の位置ずれが発生し、あらゆる物質が一瞬にして引きちぎられる。


ハイパースペースリンク

 ハイパースペースを使用した恒星間ですら可能な高速通信技法。

 超極小のハイパースペースを展開。霊素に刺激を与え、情報を書き込んで飛ばす事で相互通信が行われる。

 欠点としては送受信者のどちらかがワープドライブを所有していないと機能しないことであるが、非常に便利な通信技術であるため一般的に使用されている技術である。


プラズマジェネレーター/プラズマドライブ

 一般的に使用されている高出力プラズマ核融合炉。

 そのうち高出力を求められるソリッドトルーパーや戦闘を行わない艦艇が小型であるプラズマジェネレーターを使用し、戦闘を行う艦艇は高出力であるが大型のプラズマドライブを使用する。


エーテルコンバーター

 惑星エアリアで運用されている機動兵器エーテルマシンの動力炉。

 霊素を取り込み、エネルギーとして変換する装置。

 エネルギー変換時に発生するアンチエーテルは、大気中の霊素と反発する性質を持ち、それを噴射することで推進装置として利用。航空力学を無視した飛行を可能としている。

 なお、このアンチエーテル噴射口をエーテルリバウンダーと呼ぶ。


ビーム兵器とレーザー兵器

 この2つは明確に異なるものである。

 まずビーム兵器とは、圧縮した荷電粒子を利用した兵器群のことであり、ビーム砲などは光速に近い速度が出ているものの、発生する熱によって事前に察知して回避や防御が可能である。

 また大気中の霊素濃度によって減衰率が異なり、霊素濃度が薄い場所ほど遠くまでビームが届く。

 一方レーザー兵器は単純に光を1点に集束させることによって対象を貫通する兵器である。当然射出すれば弾速は光速であり、基本的に回避も防御も不可能。

 ただし、あくまでも光であるため、屈折率の変わる物体が射線上にあれば曲がってしまうし、鏡で反射してしまったりと問題が多く、さらにはビームと比べると威力に対するエネルギー効率も悪いせいで、せいぜい対空機銃として使用される程度に留まる。


エーテライト

 エーテルを物理干渉可能な状態にしたもの。エーテルによる力場。

 無色であり、視認が不可能であるが、2つのエーテライトの間にレーザーを通すことで視認させる技術もある。

 用途は様々であり、強固な鎖のように使われる事もあるし、防壁のようにも使用される。

 惑星エアリアにおいては当たり前に存在する技術で、エアリアで製造された艦艇の大半はこのエーテライトで出来た力場の上に乗ることで高度を維持。別途用意した推進によって移動し、エーテライトの位置を上下させることで高度の調整を行っている。

 エーテライトそのものを弾丸として射出する技術も存在したが、それを開発した開発チーム以外では再生産することができず、加えて技術解析も進まなかった結果、機体がすべて失われた時点でロストテクノロジーと化した。

 また同時期に開発された刃状に生成することで近接用装備も存在。こちらは刃の部分が使う側も目視できないため間合いの把握ができず、回避も困難だが当てるのも困難であった為、現在はエーテライト同士の間に可視光を通すことによって視認性をあげて現在も使用されている。


縮退炉

 すでに製造法が失われた技術のひとつ。単純に動力炉としてみても莫大なエネルギーを生成するものである。

 原理は現代の技術では解析不能。より正確には『安全に使用できる程度の解析はできているが、生産するために本格的に調べようとするのは何が起きるかわからない以上触れない』である。

 なお、キャリバーン号に搭載された機械偽神の縮退炉は特別製であり、各地で発見されるそれらよりも遥かに高性能・高出力であり、万が一破壊されようなものならば銀河規模の大災害を起こす可能性があるほか、その莫大なエネルギーは時空すら歪ませ、過去や未来への転移や、並行世界への移動すら可能である



・惑星


地球

 人類発祥の惑星。現在はその存在こそ語られ、理想的な居住可能惑星としてデータが残されるのみ。

 ただそのデータも、比較的環境が安定していた20世紀のころのデータが参照にされている為、人類が星の海に旅立つ寸前の徹底的に破壊されつくした自然環境の状態は残っていない。

 長い月日が経過した現代において、この惑星の存在は一種の伝説のようになっており、その名残は脱出時に人類と共に移民船に積み込まれた動植物と、紙の資料として残された各種資料に限られる。


ラウンド

 惑星全土がひとつの国家に統一されている為、この名称は惑星の名前でもあり、国家の名前でもある。故に、惑星国家ラウンドと呼称される。

 惑星への移民時に指導者であった者たちの子孫たちが王族として国家を支配している王政国家。

 惑星間戦争においては無敗であり、宇宙最強の軍事力を持っている。

 事実、軍事関連技術の成長速度は他の惑星の追随を許さず、次なる戦争に備えて軍備を整えている。

 しかし、他の惑星への侵略を目的とした軍拡が始まった事に反発した第1王女マルグリット・ラウンドと技術開発主任シルル・リンベが『燃える灰』を雇い、最新鋭艦キャリバーン号の強奪と、それに使用された最新テクノロジーに関する一切合切の資料の抹消という事件が発生。

 この事件により、他の惑星の警戒が強まったことで軍事的な展開が鈍化。また最新技術のノウハウが開発者ごと失われたことによって技術的な成長スピードも鈍化してしまった。


サバイブ

 自然に恵まれた惑星。地球とほとんど変わらないと言って過言ではない惑星であり、巨大生物が跋扈しているという点を除けば非常に生活しやすい惑星。

 移民直後から幾度となく巨大生物との攻防を繰り広げ続け、結果この惑星の人間は外見的には変化に乏しいが、身体能力が飛躍的に上昇するという進化を果たす事になる。

 現在において、巨大生物の生息地はある程度解明されている為、その生息地からは離れた場所に生活拠点を築くことで定住しているが、それでも少なからずそういった巨大生物との接触は避けられない為、どの拠点も武装している。

 尤も、基本的な生活は牧歌的であり、畑で農作物を育て、家畜を育て、海で漁をして生活している。


アクエリアス

 惑星全土が海で覆われた水の惑星。人類の拠点はかつての移民船や、その後生み出されたメガフロートやギガフロートなどに限られるが、水中にも都市がある。

 資源面で言うと、鉱石類は海底のものを採掘すれば問題ないのだが、食料面では魚と海藻以外の動植物が希少であり、生産できる拠点も限られている為非常に高価。特に、直接な栄養的な意味を持たない調味料は塩以外ならば高額で取引される。

 この惑星に移民した人類は、脇腹のあたりに鰓に似た器官を有することで水中での呼吸を可能にする進化を遂げたが、その他の身体の構造は普通の人間と大差ない。

 また鰓の部分が乾燥しすぎると健康面に問題が発生する為、すぐに湿らせることができるように薄着でいることが多い。

 なおフロートの名前はすべて海に関する名前が付けられ、水中都市はかつて地球に存在したとされる湖に関する名前がつけられている。


ウィンダム

 天候が不安定な惑星で、高高度は常に暴風が吹き荒れている。

 この暴風が原因で、通常の惑星ならばスペースポートと地上との行き来は軌道エレベーターで十分なのだが、それが不可能であるため、専用のシャトルを使用することが一般的。

 なお降下するだけならば通常の艦艇でも可能だが、離脱するとなると暴風に阻まれて速度が乗り切らず、難易度が跳ね上がる。

 人類の生活圏はシェルターに限られ、それら1つ1つが都市国家として機能している。

 いつ暴風雨に襲われるか、いつ落雷が起きるかという不安定な環境のため、常に怪我に悩まされ、被災後の衛生環境を起因とする病気も多発していたこともあり、医療技術と製薬技術の発展度は宇宙随一。

 また環境の変化に適応しようとした人類は頭頂部に獣の耳にも見える感覚器官を新たに発生させ、それを使って気圧や湿度の変化を読み取ることで、即座に気象状況の変化を読み取れるよう進化した。


レイス

 幽霊惑星とも呼ばれる惑星で、人類の拠点となるようなものは軌道エレベーター直下の街に限られる。

 昔は惑星中に都市が存在したが、その大半がゴーストタウンと化している。

 また幽霊惑星と言われるだけあり、怪奇現象が発生する事でも有名であり、特にゴーストタウンでは頻発する。

 その実態は、現在レイスにいる人類よりも先にレイスに到着していた先住レイス人とも言える人類が惑星の待機に含まれる毒素によって身体を蝕まれ、肉体を捨てた姿たるアストラル体による物理干渉現象である。

 この物理干渉現象は霊素を介して行われ、その際に青白い発光現象が発生。これをレイスの人々はカスミホタルと呼称していた。

 ただ、この現象において多少アストラル体の趣味や遊び心が加わるため、海洋生物の姿をとったりする事もある。

 惑星全土に蔓延する毒素は身体に蓄積し続けることで初めて毒性を持つ毒素であるため、惑星に立ち寄ったくらいでは問題にならない。が、その毒は確実に身体を蝕み、原因不明の死病として扱われ、そしてその影響は世代を重ねれば生殖能力を喪失させる。


エアリア

 陸地がすべて空中に浮いている惑星。これはエアリウムという鉱石の作用による。

 高い高度に陸地があるため当然酸素が薄く、慣れていない人間は酸素マスクを着用しないと高山病に似た症状を起こす。

 この惑星の人類は皆、霊素に干渉することで様々な超常現象を起こすことができる。これ便宜的にを魔法と呼称するが、現代においては科学技術の発展が目まぐるしく、廃れた技術、あるいは廃れつつある技術となっている。

 またそれとは別に長寿な人類も存在。曰く、こちらの人類は別の世界から来たとのことであるが、そのことを証明できる人間は当事者以外に存在せず、詳細は不明であるが、すでに1000年以上生き続けている人間も存在する以上、全くの嘘とも言い切れない。

 過去に惑星全土を巻き込んだ大規模な大戦が発生しており、その際に投入された超兵器の数々によって一時期爆発的に科学技術が発展。

 さらにはこの惑星には地球の技術がほとんど原型を残したまま遺跡として存在。それらは周囲に与える影響も考慮し、所有する国家による徹底した管理が行われている。


アルヴ

 惑星ラウンド同様、王政を取っている惑星国家。ただし、こちらは女系である。

 巨大樹林が各地に存在する事以外これといって特筆すべき環境的問題や巨大生物といったものは存在しない惑星であるが、いたるところに始祖種族のものと思われる遺跡が残されている。

 ただし当のアルヴ人たちがその遺跡について無頓着であり、その結果犯罪組織であるウロボロスネストによって利用されるという結果を招き、内戦状態に陥った。

 問題を解決した後は、正規軍と革命軍の間に和平が結ばれ、復興がスタート。行方不明ながら生存が確認されたリーファ・アルヴ王女の帰還までの間、国家を維持しようと奮闘している。


サンドラッド

 砂漠化した惑星。元々は自然も存在していたが、人類の開発と共に砂漠化が加速し、最終的には人類はシェルターを建造し、そこで生活する事になった。

 過酷な環境の中、サンドラッド人の中から身体に水晶体を持つ人間が発生。成長と共に全身が水晶体に変換された人類が誕生し、彼等は食事も呼吸も必要としない上、身体の一部を変化させて武器にすることができる。のちに彼等はタリスマンと呼称され、通常のサンドラッド人と区別されるようになった。

 年々増える砂の量により緩やかながら滅びの時が迫っていた中、サメカラス変異種の大量発生により決定打を受け、生き残ったサンドラッド人は皆惑星を脱出。

 さらには収拾がつかないレベルでの大繁殖によって人類の生存に不適格だと判断され、廃星となった。


ディノス

 やや乾燥していることと温暖な環境であり、他の惑星よりも酸素濃度が濃い。

 順調に惑星開発を行い、増えた人口をフォシルへ送って口減らしを行った。

 またフォシルを一種の資源採掘用の惑星であるとみなしており、その為フォシルの自治権を認めていない。


フォシル

 ディノスと同じ恒星系に存在する惑星。元々は荒れ果てた土地であり、酸素も存在しなかったが、ディノスから口減らしとして送られてきた人間たちによってテラフォーミングが行われ、居住可能な惑星となり、惑星国家とも言えるほどの成長を見せる。

 しかし、その途端にディノスからの支配を受け、それに反発し解放軍が結成。

 惑星全土でゲリラ戦が繰り広げられる惑星となっている。


ネクサス

 『燃える灰』の一行が発見した未開拓惑星。

 サンドラッドからの避難民たちの要望と、『燃える灰』としてのメリットを考慮した結果、惑星国家として惑星連盟に参加することになる。

 現在確認されている人類が居住可能なあらゆる惑星からかなり離れた位置にあるため、一番近い惑星であるアクエリアスですらワープドライブ航法でも往復で4カ月かかる。

 現在は多少の建造物があるが、大型の移民船や輸送艦をそのまま流用した居住施設や、完全に新造された工廠といったものが存在。

 徐々にではあるが、農地の拡大や畜産にも手を入れはじめ、不足する物資は唯一国交のあるアルヴ経由で買い付けている。


ベンダー

 すでに滅んだ惑星。この惑星出身者は皆長寿であり、特殊な能力――いわゆる超能力者ばかり。

 自身等の能力に絶対に自信を持ち、それ故に増長。他の惑星の人類を支配しようと惑星間戦争を引き起こした結果PD-05のガンマ線照射により人類を含む一切の生物が死滅。惑星環境が一変し、人類が生存するには適さない環境となってしまっている為、廃星となっている。

 現在残っているベンダー人は、この惑星間戦争の時に惑星の外に離れていた穏健派が主。


モルゴス

 惑星ラウンドの存在する恒星系における第4惑星。きわめて酸素が薄いこと以外は人類の生存するのには十分な環境がある。

 ラウンドにとっての囚人や捕虜の強制労働施設を兼ねた採掘場が存在する。



・コロニー


アムダリアコロニー群

 ごく一般的なコロニーが集まったコロニー群。

 すべてシリンダー型で、各コロニーごとに特色があり、それぞれがそれぞれの役割を果たしている。

 構成は居住コロニーが5、観光コロニーが1、工業コロニーが2、農産コロニーが3、漁業コロニーが2、貿易コロニーが1となっている。

 それぞれが直通ラインで接続されており、行き来は自由。


ヴァフシュコロニー群

 工業に特化したコロニー群で、食品や医薬品等の大半を輸入で賄っている。

 代わりに、このコロニー群からは数多の工業製品が輸出されており、それによって生活が回っている。

 構成はシリンダー型のメインコロニー3つを中心に、艦船用部品の大型の密閉型産業コロニーが2つ、ソリッドトルーパー用武装を含む機械類部品の小型密閉型工業コロニーが1つ、艦艇建造用大型密閉型コロニーが3つ。

 それぞれの行き来は艦艇を使って行う。


・組織


『燃える灰』

 他称・正義の宇宙海賊。悪党専門の略奪者として宇宙中にその名を知られている。

 一応は海賊である為犯罪者ではあるが、襲った相手がことごとく犯罪者や悪人ばかりであるため、その行動によって世論が動くことすらある。

 現在は2代目の『燃える灰』であり、キャリバーン号強奪を切っ掛けにその名を宇宙中に轟かせる数多の事件、そしてウロボロスネストとの因縁の戦いを各地で繰り広げる事になる。


UNN《ユニバーサルネットワークニュース》

 宇宙規模のネットニュース。信用度の高い情報を発信する事で有名。

 各惑星のマスメディアより正確な情報を出す事もあるため、かなり正確に事態を把握している情報源と早期に接触しているのは間違いないが、どうやってそこにたどり着いているのかは一切不明。


惑星連盟

 宇宙に数多ある人類の植民惑星同士で結成された組織。

 主な目的は銀河規模の治安維持。及び、所属惑星間の交渉と仲裁。

 また下部組織として数多の研究機関を保有する他、独自の治安維持部隊も所有する。

 現在ほどんどの惑星がこれに加入してはいるが、惑星ごとの発言力に差があるため、決して平等な組織ではない。


管理組合ギルド

 宇宙中に存在する賞金稼ぎやならず者に仕事を斡旋する組織。各惑星に支部が存在している他、オンラインでの取引も存在する。

 仕事の依頼は各惑星の企業や個人、時には国家そのものが出す依頼も存在する。

 同時に、数多の賞金首の管理も行っている。

 元々は裏社会に流れる金銭を、懸賞金の手数料として管理組合ギルドそのものが、懸賞金としてお抱えの賞金稼ぎが資金を回収することで、表の流れに戻す事を目的とした組織であったが、最終的には自分達だけでは事態に対処しきれず、一般の賞金稼ぎを起用し始め、挙句賞金首自身が他の賞金首を捕まえるようになり、現在に至る。

 また惑星連盟の下部組織の1つでもあり、惑星連盟の依頼を割り振る事もある。


ウロボロスネスト

 宇宙規模の犯罪組織。その存在を知る者は多くなく、知る者たちは皆その名を公的な場では使いたがらない。通称、蛇。

 独自の戦力を持ち、その規模は国家にも匹敵するとも言われる。

 また数多の組織に対して影響力を持ち、ただの犯罪組織、テロリストと切り捨てるには厄介すぎる規模となっている。

 ――しかし、それらの情報も意図的に流された誇張した情報である可能性も否定できず、ただ確実なのは中枢メンバーがたった5人であるということのみである。


『蛇の足』

 フォシル人によって結成されたテロ組織。目的はフォシルのディノスからの独立である。

 当初はネオベガスを占拠。人質を取り、要求をのめなければ核弾頭で自爆するつもりでいた。

 しかし、その核弾頭の提供元であるウロボロスネストに目を付けられ、結果として文字通り全滅の憂き目にあう。


『ハンマーヘッド』

 宇宙海賊の1つ。旗艦ハンマーヘッド号に由来する名前で、宇宙海賊としては大規模の部類。

 所属する人間の多くはアクエリアス人である。

 惑星レイス周辺宙域にてキャリバーン号=『燃える灰』と戦闘。戦力の大半を喪失。

 旗艦ハンマーヘッド号も惑星レイスにて轟沈。これによって事実上の壊滅となった。


・その他


霊素エーテル

 ありとあらゆる場所に存在する、肉眼では捉える事ができない物質。

 これが存在する事によって、宇宙空間でありながらごくわずかな時間ではあるが燃焼反応が起き、ごく短距離であれば音の伝播なども起きる。

 基本的に宇宙空間には豊富に存在し、惑星上ではその惑星の環境によって大きく変動する。

 具体的には未開拓惑星ほど豊富であり、砂漠化するほど荒廃した惑星にはほとんど存在しない。

 一説によれば、宇宙空間に豊富に存在するのは、死を迎えた惑星から漏れ出たものが宇宙空間には満ちている、というものがあるが照明されてはいない。

 また矛盾する性質を同時に内包する物質であり、使用用途によっては全く異なる性質を発現させる。

 早い話、霊素が絡めばどんな現象が起きても不思議ではなく、人類はその不可思議現象の内自身等でコントロールできるものだけを利用している。

 なお、ありとあらゆる場所に存在しているとはされているが、実際のところ水中には存在していない。

 これは水がすでに霊素が何らかの反応を起こして変質したものであるためである。


プラズマベルト

 超高密度の荷電粒子集合体であるプラズマクラウドの密集地帯。宇宙に点在しており、その中では強烈な電磁波と常に発生する放電現象により普通の艦艇では侵入はできても脱出は不可能。

 当然ながら通常の艦艇はこれを避けた航路設定をする。

 とはいえ、膨大なエネルギーを蓄えているのは間違いなく、これをエネルギーに変換できないかという研究は常に行われている。


廃星

 植民惑星が人類が居住し続ける事のできない環境になったと認定された状態。

 管理組合ギルドが確認を行い、惑星連盟が認定。認定後、連盟を通して連盟所属惑星すべてに通達される。

 基本的に特別な理由がない限りこれが解除されることはない。

 認定基準は様々で、大気組成の変化や天変地異、危険生物の跋扈などが理由となる。


コロニー

 スペースコロニーの事。人口の大地であり、元々資源となる小惑星が存在した宙域に建造されていることが多い。

 主要なコロニーはシリンダー型であるが、砂時計型、ダイソン球型もわずかながら存在している。


スペースポート

 宇宙港。各惑星の衛星軌道上に存在する完全中立地帯であり、たとえ犯罪者であっても入港を拒否することはない。

 実際、惑星そのものへの降下はできない者たちにとっては重要な補給拠点である為、いかなる勢力もここへ攻撃を仕掛けることはない。

 むしろ攻撃を仕掛ける事に多大なデメリットがあり、その時停泊している艦艇すべてから攻撃を受けるだけでなく、以後一切あらゆるスペースポートを使用できなくなる。

 通常の惑星は軌道エレベーターと直結しており、そこを介して地上とやり取りを行うが、惑星環境によっては軌道エレベーターを有さないものもある。


スペースオアシス

 宇宙に点在する惑星間航行時の中継地点。基本的にはスペースポートと同様、宇宙においては重要な補給地点。

 同時に娯楽施設も併設されている、まさに宇宙の休憩所である。

 徹底的なプライバシー保護が行われており、中での荒事も基本的にご法度。


宇宙生物

 宇宙空間に生息する生命体の総称。とくに有名なのはアストロケタス類に属する宇宙シャチや宇宙イルカ。

 酸素の存在しない空間で生存できる以上、通常の生物とは異なる進化を遂げるはずであるが、なぜ既存の生物に酷似した姿をしているのかは不明。

 また一部の生命体は惑星上でも活動することが確認されており、サメカラスはまさにそれに該当する生物である。


生体制御装置

 人間の脳を演算回路として組み込んだ、無人兵器の制御装置。

 生体部品を使用している為高熱に弱いという弱点はあるものの、無人機用の制御装置としては非常に優秀であり、特に人型の機動兵器――ソリッドトルーパーなどに搭載した場合、有人機以上の反応速度を見せる。

 ただし、先述の通り熱に弱い為これを搭載した場合は冷却装置またはそれ相応の機構の搭載が必須であり、必然的に機体は大型化してしまうという問題も。

 通常の制御装置と異なり、戦闘中であっても即座に思考して臨機応変に行動できるのが最大の特徴。また素材となった人間の技術も機体が追従すれば再現可能である。

 ただし、全ての行動を思考させていると負荷がかかりすぎるため、ある程度の命令をあらかじめ与え、それを遂行するのに最適な行動パターンを入力しておかなければならない。

 この装置を使えば、退役軍人や傷痍軍人など戦えなくなった兵をもう一度戦場へと送り出すことが可能であると期待されているが、当然ながら倫理的には問題しかない上、製造できるのが犯罪組織であるウロボロスネストだけであるという問題もあり、表向きには存在しない技術ということになっている。


始祖種族

 人類を設計したのではないか、と言われている存在。

 この存在が提唱されたのは、様々な惑星に散らばった人類が各々独自の進化を遂げたにも関わらず、その間で交配が可能であること。世代を重ねても子孫を残し続けることができる事が理由の1つ。

 しかし、確実にその存在はこの世界に存在していたことが、様々な惑星で発見された遺跡が証明している。


オームネンド

 始祖種族が国家間の戦争の際に生み出した生物兵器。惑星エアリアの遺跡にて眠っていた。

 複数の生物種の遺伝子を混ぜて生み出されたキメラであり、霊素を動力として使用。細胞レベルで超再生能力を有する、半永久的に活動し続けることが可能。

 飛行能力を持つがこれは反霊素式推進機関――すなわちエーテルと反発する物質であるアンチエーテルを使用して飛行している。この原理はエーテルマシンと同様である。

 ただこのままでは制御不能であるため、その制御には人間の脳を使用している。

 遺跡に残されていた情報のうち、ウロボロスネストがこの部分を解析し着想を得て開発したのは生体制御装置である。


惑星エアリアの大戦

 超兵器が多数投入された惑星規模の大戦。

 当時のエアリアは人類の天敵たる超常的存在に脅かされており、それに対抗するためにエーテルマシンを多数投入。同時に人類同士の戦争も発生しており、混沌とした状態であった。

 だがそんな最中、1人の少年と、それに感化された者たちによってさまざまな超兵器が実戦投入され、大戦は終結。一説によるとその大戦は異世界にまで拡大したとかなんとか言われているが、当時を知る人間のほとんどは生存しておらず、当時ですら眉唾物として扱われるような現実離れしている話であった為、現代においては最も新しい神話として語られている。

 その神話の中で登場するのが、有翼有尾の機械神である。


機械偽神

 惑星エアリアの神話に登場する有翼有尾の機械神をモチーフとした偽りの機械神。

 誰が、何のためにこんなものを作ったのかは不明であるが、発見されると同時にその危険性を察知した者たちによって封印処置をされた。

 しかし、突如として何者かの干渉によって覚醒したが、動力炉たる縮退炉を抜き取られて機能停止した。


プラネットデストロイヤー

 略称はPD。惑星そのものを破壊、あるいは惑星環境の破壊を目的とした兵器群。

 惑星の酸素消失、石油分解バクテリア、致死率の極めて高いウイルス、クラスター核弾頭、ガンマ線砲、自律稼働要塞など、バリエーションは多岐にわたる。

 ただしその製造コストに見合う戦果が得られない、または効果が高すぎて逆に危険すぎて気安く使えない為、自然と廃れていった。

 メグ・ファウナの出身惑星である惑星ベンダーはPD-05=超大型ガンマ線照射機動砲台の攻撃によって滅ぼされている。


タリスマン

 惑星サンドラッド出身者のうち、成長するに伴い全身が水晶のような物質に変化していく特異体質の人間の事。普通のサンドラッド人との区別のために『仲間を守護する護符』の意味も込めてシルル・リンベによって命名された。

 食事を必要とせず、無酸素空間でも問題なく活動でき、さらには霊素エーテルを取り込み、それを噴射することで推進する器官も有するため宇宙空間での活動も可能。

 のちにメグ・ファウナの研究により、タリスマンのエネルギー源は光であることが判明。水晶体に当たる光を吸収することで半永久的に活動し続けられる。

 なお、寿命に関しては不明であるが、タリスマンとなったサンドラッド人は長命になる事は確認されており、不老不死に限りなく近い存在ではないか、と推測されている。

 また、一部の個体にい限り、メガフラッシャーと呼ばれる熱光線放射器官を有する。

 この威力はソリッドトルーパーの装甲を容易に融解させるほどの高熱を放つことが可能であるが、威力を調節して目晦まし程度の閃光を放つ事も可能。

 ただ最大パワーで放つとしばらく使用できないという欠点がある。


ゾーム

 惑星アクエリアスで眠っていた始祖種族が生み出した蛇のような巨大兵器。

 惑星全域を覆うほどの巨体を持ち、常に惑星深くを泳ぎ惑星全域を監視するシステムそのものであり、惑星を外敵から守るための超兵器かつ惑星環境管理のためのシステムでもあり、惑星アクエリアスの文明が滅んだ原因。

 進みすぎた文明をリセットするために陸地をすべて海底に沈め、さらにその上に土砂で埋め尽くした。

 ただしその管理用の遺跡だけは深海に残されていた。

 武装は荷電粒子砲のみ。ただしその威力は規格外。


シスターズ

 全72人存在する女性型情報処理及び演算用人造人間。

 元々はウロボロスネストの計画していた人間の強化計画であるブースデッド計画から派生したものであるシスターズ計画に基づいて製造された。

 が、シスターズ計画そのものはウロボロスネストの無許可で行われ、かつ厳重に隠蔽されていた為、ウロボロスネスト側も計画通りの人数を製造し終えるまで事態を把握できていなかった。

 本来はワンマンシップの制御ユニットとして運用される予定であったが、そのすべてがウロボロスネストによって奪取されている。

 72人全員の脳波がリンクしている為、シスターズ同士では言語化せずとも意思疎通が可能。かつそれぞれの脳を接続している状態であるため、情報の並列処理が可能となり、的確な状況判断が可能である。

 が、欠点として自他の境界線が曖昧になってしまったため、自力で食事すらとれない植物人間のようになってしまった失敗作である。

 うち、71番の個体が自我を確立。独自稼働をはじめ、ウロボロスネストの一員のリオンとして活動を始めたことで状況が変化。

 自我の覚醒には至らないが、ある程度人間らしい活動ができるようになった。


インベーダー

 文字通りの侵略者であり、その起源や目的は不明な、未確認領域起源侵略性敵性生命体。

 人類の生存圏の外から1万2000周期ごとに出現する事だけが判明しており、かつては始祖種族と敵対し、その発達した科学力によって抑え込まれていた。

 また様々な惑星に存在する始祖種族の遺跡や超兵器は総じてこのインベーダーに対抗すべく生み出されたものであり、それらを投入しなければ討伐できなかった存在である、という点でその脅威度は計り知れない。

 始祖種族が滅びた後、この存在が確認されていなかったのは、最後の襲来から1万2000周期経過していなかっただけである。

 

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