第32話 涙の再開
辺りを見渡したがグリフォンの魔族や空に浮かんでいた者はいなかった。
この場所での戦いは終わった。
「お前ら大丈夫かー」
村の方から冒険者の人たちが戻ってきた。
「村の中の状況は大丈夫ですか」
とナナさんが聞いた。
「大丈夫だよ。村の中の魔獣はほとんどいなくなった。魔獣掃討作戦は成功だ」
僕たちは安堵した。だが気になることがあった。僕は村の中から来た冒険者に近づき聞いた。
「村の中にある死体はどうしましたか」
「村の中にあった死体はそのままにしてるよ。死体を運びながらじゃ戦えないからな」
気になっていた事は聞くことが出来た。僕はエリーに近づいて村の中に行こうと言った。エリーはうなづいた。僕たちは村の中に入った。
僕たちは村のある場所に向かった。それは最後にお母さんと別れた場所だ。
その場所に着いた。その場所はあちこちに血が付いていた。俺たちはお母さんたちを探した。
「アレス。こっちに」
エリーに呼ばれた。その声は震えていた。僕はその場所に行った。その場所には2人の遺体があった。その遺体の顔は僕たちがよく知っているお母さんたちのものだった。
「お母さん!」
エリーは声を震わせながら叫んだ。僕は何も言えなかった。自然と涙が出てくる。
「エリー」
僕たちは抱き合った。僕はエリーの背中をさすった。涙を流しながらエリーにつぶやいた。
「エリー……だい…じょうぶ……僕が…いるから」
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