第27話 僕が相手だ!

僕の目の前でペドロ師匠とグリフォンの魔族の激しい攻防が繰り広げられている。グリフォンの魔族の素早い動きにペドロ師匠が付いていっている。


僕は6歳の頃からペドロ師匠の剣を受けてきた。今まで受けてきたペドロ師匠の剣よりも鋭いと思う。


「動きが少し遅くなってきたんじゃないか」


ペドロ師匠がグリフォンの魔族に向かって言った。ペドロ師匠がグリフォンの魔族を押し始めた。


ペドロ師匠の高速の連撃がグリフォンの魔族を襲う。その動きにグリフォンの魔族が少しついていけていない。グリフォンの魔族は体の様々なところに剣で傷を受けた。


僕の神眼でペドロ師匠の動きはおえる。だが反応はできないだろう。それほどに今のペドロ師匠の動きは速すぎる。


するとペドロ師匠はグリフォンの魔族の背後を取った。


「終わりだ」


ペドロ師匠はグリフォンの魔族を剣で斬ろうとした。


「させません!」


グリフォンの魔族は背中の翼でペドロ師匠に攻撃した。ペドロ師匠は剣で翼の攻撃を受け止めようとしたが、完全に受け止めきることができず後ろに突き飛ばされた。


ペドロ師匠は立ち上がろうとしたが、立ち上がれない。


「ペドロ師匠。どうしたんですか!」


ペドロ師匠は答えない。


「体力が限界を迎えましたか」


グリフォンの魔族はそう言い、ペドロ師匠に向かい突っ込んできた。


「まずい!」


ナナさんが叫んだ。


「風魔法 ウインドカッター」


ナナさんが唱えた風の刃がグリフォンの魔族に当たる。グリフォンの魔族は動きを止める。だが効いているように見えない。


「私に風魔法は通用しません」


再び動き出しペドロ師匠を殺そうと爪を振り上げた。そして振り落とした。


僕は何も考えていなかった。グリフォンの魔族が動き出した瞬間、僕の神眼に見えた光景にさせないために足が勝手に動いた。


僕はペドロ師匠の前に立ち、グリフォンの魔族の爪を剣で受け止めた。


「ここからは僕が相手だ。魔族!」






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