第24話 風の槍
僕らE級の冒険者とギルド職員でこちらに向かってくる魔獣の群れと対峙していた。魔獣の群れの数は少なく僕らだけで対応できるほどだった。
「炎魔法 ファイアボール!」
エリーも魔法を使って応戦している。
そして魔獣の群れは全て倒し終わった。
「エリー。おつかれ」
「おつかれ」
僕とエリーは互いに言い合った。
「エリーちゃん。アレス君。お疲れさま。すごい大活躍だね!」
ナナさんが僕たちを褒めてくれた。
すると誰か1人の人物がこちらに近づいてくる。その人物は僕らがよく知っている人だった。
「ペドロさん。どうしたんですか。そんなに慌てて」
ペドロ師匠はギルド職員の人に話しかけられた。ペドロ師匠は少し慌てているように見える。顔も少し暗い。
「村の中に自分のことを魔族と言う奴が現れた。今ゴンザレスがそいつの足止めをしてる。そいつは見る限りかなり強い。間違いない」
周囲にいた人々は困惑している。魔族の存在は知っている人が多い。お母さんなどから「早く寝ないと魔族がくるぞー」と言われたことがある。魔族は都市伝説的、幻想的な存在だ。
普通ならばペドロ師匠の言っていることは誰も信じない。だがペドロ師匠は真剣な顔だ。
みんなペドロ師匠が言っていることが本当なことだと信じた。
「ペドロさん。ここからその魔族の距離、方角を教えてください」
ナナさんがペドロ師匠に聞いた。
「ここからちょうど南の方角で距離は900メートルだ」
とペドロ師匠は答えた。おそらく5キロメートル以内ならどこでも見える神眼の能力を使ったんだろう。
「分かった。ここからその魔族を私の魔法で攻撃する」
ナナさんが言った。するとエリーがナナさんに聞き返した。
「900メートルも離れているし、家の残骸みたいな障害物があるのに魔法が当たるんですか?」
「当てれるよ。私は魔法の正確性は自信があるんだ」
と笑顔で答えた。
「ペドロさん。魔族の動向を逐一報告してください。」
「分かった」
「それじゃあいきます」
ナナさんの周りは何か空気が濃くなったように感じる。僕にはよく分からないが。エリーの方を向くと小声で「すごい」と言っていた。
ナナさんの杖の先に風によって作られた槍のような物が現れた。その風の槍はすごい圧縮されているように見えた。
「風魔法 ウインドランス」
ナナさんが唱えた瞬間、風の槍が村に向かって放たれた。村の家を貫通しながら進んでいく。そして何かに当たったのか風の槍がはじけた。突風があちらこちらに吹いている。すごい威力だと思った。
「魔族に当たったぞ」
とペドロ師匠が言った。
ナナさんはすごい魔法使いだと僕は思った。
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