第22話 都市伝説の魔族 ペドロ視点
何なんだ。こいつは。人間の言葉を話しやがった。しかも魔族だと。
魔族とは魔獣から進化した先の姿である。最後に魔族の目撃情報があったのは100年以上前のこと。今の人々にとっては都市伝説的なものである。
「お前。人間の言葉が話せるんだな」
ペドロは魔族のグリフォンに向かって言った。
「はい。我々、魔族には知能がございますからね」
我々?他にもいるのか。
「ペドロ」
後ろにいるゴンザレスが小声で話しかけてきた。俺は魔族のグリフォンに目を向けながらゴンザレスに小声で聞き返した。
「なんだ。ゴンザレス」
「ペドロ。ギルド職員たちがいるところまで走ってこいつのことを伝えてくれ」
「その間、こいつはどうするんだよ」
「俺がここで足止めする」
ゴンザレスの口から衝撃的な言葉が発せられた。
「だが」
「こいつをほおっておけばみんな死んじまう」
ゴンザレスの言う通り魔族のグリフォンは見ただけで強いと分かる。ほおっておけば確実に大量の冒険者とギルド職員が死ぬだろう。
「分かった。だが死ぬなよ」
「もちろん」
俺たちの話がまとまると魔族のグリフォンが話かけてきた。
「そろそろいいですかね。我々の目的のために人間には滅びて貰わなければなりません。なので今から殺しますね」
魔族のグリフォンは俺たちに向かって突進し始めた。
「走れ」
俺はギルド職員たちがいるところに走り出した。
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