第16話 半年後

グリーンゴブリンが村の中に侵入する出来事が起こってから半年が経過した。その間に多くのことがあった。


1つ目は、僕は遂にペドロ師匠に認められた。


「アレスの剣の腕前はC級冒険者ぐらいだ。そんな剣の腕前の奴を認めないのは流石ににおかしいからな」


と言われた。


遂に薬草採取以外の依頼を受けることができる。つらかった。半年間見分けにくい薬草と普通の草を見分け続けるのは。


ちなみに僕は薬草採取の依頼だけでF級冒険者からE級冒険者になってしまっていた。E級からは魔獣を討伐する依頼を一定数受けないと上がらないのでちょうど認められてよかった。


2つ目は、エリーが魔法を使えるようになった。この世界には、炎、水、土、雷、風、闇、光の7大魔法と回復魔法がある。


エリーはなんと炎、水、土、風の魔法と回復魔法を覚えてしまった。たった半年で。


僕から見てもエリーには魔法の才能がかなりあると思う。



僕はペドロ師匠に認められたので冒険者ギルドで魔獣の討伐依頼を探していた。その時、エリーが近づいてきた。


「アレス、話があるの」


エリーの顔を見ると真剣な顔をしている。よっぽど重要なことだろう。


「私たちの故郷、カザオカ村の魔獣掃討作戦が正式に決まったわ。カザオカ村の近隣の村と町が協力して行うみたい。その作戦にはかなりの人に参加してもらうらしいの。ギルド職員も参加する。もちろん私も。」

「ギルド職員も参加するのか。なんで?」

「魔獣掃討作戦はかなり大掛かりな作戦だから指揮系統がしっかりとしないといけないらしいからギルド職員が前線で指揮をするんだって」


心配だ。エリーたちギルド職員は作戦の指揮で参加するので魔獣と直接戦うことはないだろうけど心配だ。


「エリー。僕もその作戦に参加しちゃだめか?」

「参加できるわ。冒険者のランクがE以上の人は参加できるからね。そもそも私がこの話をしたのはアレスに参加してほしかったからよ」


こうして僕はカザオカ村魔獣掃討作戦に参加することになった。


エリーと話をして2日が経過した。今日からカザオカ村魔獣掃討作戦が始まる。


僕たちの里帰りが始まる。




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