第11話 え、働けるの
僕とペドロ師匠は冒険者ギルドに向かった。魔力の測定をするためにね。ギルドの中に入り受付に近づいた。
「ペドロさん、お疲れさまです」
「お疲れ、まずこの子の冒険者登録をしてもらっていいか」
「ペドロ師匠、魔力の測定をしないんですか?」
「冒険者登録の際にタダで魔力の測定をしてもらえるんだよ。それ以外の場合は金が取られるんだ」
そうして受付の人は後ろに向いた。
「エリーちゃん、冒険者登録に必要な紙と魔力測定器を持ってきて」
「え?」
ギルドの受付の奥から紙と水晶玉を持ってエリーが出てきた。何してるんだ。
「エリー、何してるんだ」
「冒険者ギルドに就職が決まったんだよ。昨日アレスがペドロさんと話している間に受付の人に頼みこんでギルドマスターにも頼みこんで働かせてもらえるようになったよ」
エリーは手を腰にあてながら言ってきた。ドヤ顔もしている。冒険者ギルドに働けるの。エリーはまだ7歳だぞ。
「エリーちゃんは働けるのか?まだ小さいぞ」
ペドロ師匠も疑問に思ったのか受付の人に聞いた。僕も疑問だ。
「マスターが許可しましたし」
なぜ許可したんだ。
「そうか。まあいい。アレス、紙に書け」
僕は冒険者登録に必要な紙にどんどん書いていった。結構すんなり終わった。
「では、魔力測定に移ります。この水晶玉に手を重ねてください。水晶玉は白→ピンク→赤→黒と色が変わります。黒に近いほど魔力の量が多いですよ」
「アレス、私は黒だったのよ」
「黒か。すごいな。え、お金を払ったの?」
「私も冒険者登録をした時にタダでしてもらった」
「いつの間に。ちなみにペドロ師匠は何色だったんですか?」
「俺は白だよ」
黒までいかなくても赤ぐらいまでいってくれると嬉しいな。僕は水晶玉に手を重ねる。
水晶玉は白になった。魔力の量がとても少ないことが分かった。
「俺たちは仲間だな」
ペドロ師匠は僕の肩に手をおいてきた。そしてニコニコ笑っていた。周りの人たちも笑ってた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます