第10話 ……嘘だろ

僕はペドロ師匠に剣を教わることになった。今日は初日。


「アレス、まず聞きたいことがあるんだが君の神眼の効果はなんだ?」

「分かりません」

「左目にカッと力をいれてもなにか感じないか」


僕は左目を意識してカッと力をいれる。特になにも変わらなかった。


「特になにも感じないです」

「神眼は君にとってこれから力になる。どんな効果か分からないがな。これからは左目に意識を向けてみるといい」


そうして剣の指導が始まった。


初日はコテンパンにやられた。こっちは剣なんて全く使ってこなかったんだぞ。少しは手加減してほしい。初日の剣の指導が終わると小さな男の子が近づいてきた。


「おとさん」

「おう、ユーリいい子にしてたか」


どうやらペドロ師匠の息子でユーリという名前らしい。


「何歳なんですか」

「この前3歳になったばっかりだ」

「3歳………」


今、僕には疑問に思ったことがある。

この世界ではだいたい15歳〜20歳の間に結婚する人が多い。子どもの出産にいたっては早ければ結婚してすぐの場合もある。


僕はペドロ師匠の顔を見て30歳前後ぐらいだと思っていた。


「ペドロ師匠は何歳なんですか?」

「22歳だが」


……嘘だろ。30歳前後だと思ってた。


「アレス、話は変わるが魔力を測定したことはあるか?」

「生まれてから1度もないです」

「一応、魔力を測定しておいたほうがいいぞ。お前は剣で戦っていくから魔法は必要ないかもしれんが知っておいて損はない」


魔力の測定か。少しワクワクするな。


「魔力の測定はどこでやるんですか」

「冒険者ギルドで普通にできるぞ」


意外と簡単にできるらしい。


「ちなみに師匠は魔力はどのくらいなんですか?」

「魔力が少なすぎて周りの奴らに笑われたよ」


僕たちは魔力の測定をするため冒険者ギルドへ向かった。

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