第7話 大好き エリー視点

私たちはなんとかカザオカ村から脱出することができた。村の人たちはほとんどの人が行方不明か死亡。私のお母さんもお父さんは死体を見ていないから生きていると信じたいけどおそらく死んでいる。とても悲しい。だが私は悲しみと同時に今後の不安がこみ上げてきた。今後生きていけるのだろうかと。


アレスはお母さんとお父さん、左目を失った。ココロギ村に逃げてきてからふさぎこんでしまっている。そこでココロギ村の唯一のB級冒険者であるペドロさんに相談をした。結果ペドロさんはかなり厳しいこと言ったと思う。厳しすぎだと思う。


次の日私の部屋のドアがノックされた。


「エリー、いるか」

「ア、アレス、どうしたの!」


ドアを開けるとアレスがいた。私に聞きたいことと言いたいことがあったらしい。ドアの前では他の人に話を聞かれてしまうと思ったから部屋の中に入れた。昨日よりも顔色がいいように見える。というか言いたいことってなんだろう。もしかして愛の告白だったりして。


「エリー、昨日の男の人は何者なんだ」

「あぁ、ペドロさんだよ。この村で唯一のB級冒険者だって。すごいよね」

「その…ペドロさんは両目の色が違うけどあれは何なんだろう」

「それはペドロさんの冒険者仲間の人に聞いたよ。左目が神様から授かった神眼なんだって」

「へぇ~」


アレスは納得したようで少しうなずいていた。


「エリー、突然だけどさ、僕はこれから前を向いて生きていくよ。そしてエリーを守れるぐらいに強くなって見せるよ」


アレスは顔が赤くなり急に私の部屋から出ていった。私は放心状態だったけどしばらくして顔が暑くなっていくのを感じた。実質愛の告白なのでは。急すぎない。


あぁ、やっぱり私はアレスのことが大好きだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る