14 白い花
白い花
大きな白い花が咲くとその中には一人の女の子がいた。
その女の子は眠っているようだった。
でも、花が咲いて少ししてからゆっくりとその女の子は目を開ける。
その女の子は山根美鷹だった。
美鷹はまだぼんやりとした表情をしたまま、大きな白い花の上にその身をゆっくりと起こした。
世界は真っ暗だった。
星はどこにも見えない。
月も探してもどこにも見つけることはできなかった。
それから美鷹は空から大地の上にその視線を動かした。
すると美鷹はその真っ暗な大地の上にある生き物の姿を見つけた。
それはぼろぼろになった黒い一匹の小さな子供の蛇だった。
そのぼろぼろになった大地の上に目を瞑り、死んだように横になっている黒い蛇を見て美鷹は「龍子ちゃん?」と言った。
その言葉は自分でもよくわからない言葉だった。
でも龍子の名前を言ってから美鷹はそのぼろぼろになった黒い蛇が自分の友達である谷龍子であると確かにわかった。
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