短め 下に行くほど最新

1

「うん?なんじゃわっぱわし何用なにようか。む?わしの名?...かっかっか、わしに名を問うてなんとする、わっぱ。使役しようなどとほざくのではあるまいな?...笑止しょうし。この大妖たいよう蠎蛇うわばみ支配下しはいかに置こうとは。笑えぬ冗談よのぅ!わっぱぁ!!」

2

「コンコン!!失礼致しつれいいたします!わたくし昨日さくじつ貴方様に助けて頂いた小狐でございます。本日は、恩返しをさせて頂くべく、人形ひとがたにて参上致さんじょういたした次第しだいでございます!...は、必要ない。そんなことおっしゃらず!なんでもお言いつけ下さいまし!ね、ね?」

3

「ンにゃぁお。女郎蜘蛛じょろうぐも、貴様最近いきがってるようじゃにゃいか?にゃふ、別に俺は気にしゃぁしにゃいけどにゃんっ。にしても、あの犬神いぬがみ小僧こぞうがあそこまで強くにゃるとはにゃぁ...今後も楽しみになるにゃ?ふふっ」

4

「うるさいねぇ、放っといておくれよ猫又ねこまた。あたしゃこの短い一生を好きに生きるのさ。……犬神いぬがみねぇ。あたしにゃ関係ない事さね。どっちが崩れて消えちまっても、あたしゃ好きに生きていくのさ」

5

「わしゃぁ裏切うらぎられたんじゃ。あの人間にな。彼奴きゃつはどうにも信じられるにあたいする人間じゃった。じゃがわしは裏切られた。わしはまんまとだまされ、ここに幽閉ゆうへいされた。2度と出ることはかなわぬ。みじめなものよ」

6

荒魂あらみたま和魂にぎみたま奇魂くしみたま天つ神あまつかみ国つ神くにつかみ八百万やおよろず神達かみたち、共に和示なぎしめせ。眼前がんぜん驚異きょういのために、御力おんちからあたたまえ。ひふみよ、いむなや、ここのたり...布留部ふるべ 由良由良止ゆらゆらと 布留部ふるべ

7

「ほっほっ...勝気かちき女子おなごじゃ。に満ちておるわ。どれ、少々味見したとて支障ししょうあるまい。さぁ、委ねよ。その身を。力を抜き、わらわあずけよ。...ん、んんっ。これは美味びみ。おぬし、わらわと共にまいらぬか?」

8

「眠れ、眠れ、龍神様りゅうじんさま永遠えいえんに、永久えいきゅうに。このはもう少しだけ、さかえましょう。貴方様へのささものも、たれる事は有りませぬ。もしそんな事が御座ございましたら、ぐに地にしずめて差し上げましょう?おやすみなさい、地龍様ちりゅうさま。」

9

ねむりゅうを起こしてはならぬ。大鯰おおなまずよりもしきもの。しずめたその体躯たいくをうねらせ、穴を開け、土地とちしずめる。そしてそらへとのぼり、天高てんたかく笑い声をひびかせながら地上ちじょうしずさま見送みおくるのじゃ。起こしてはならぬ。その楔石くさびいしけてはならんのじゃ」

10

文明ぶんめいひかり?そんなもの、あやかしには通じないよ。むしむしのように引き寄せられる。むらがるあやかしけるすべを、今の人間達にんげんたちは知らないだろう?だから、さぁ。早くおかえり。逢魔ヶ刻おうまがどきになる前に。

でないと、僕は君を食べてしまわなきゃならない。」

11

「ほう。貴様きさまわれもとへ来るなど、雨でも降るのか?何用なにようだ、白虎びゃっこ。…はははは!!貴様きさまわれに助けを!?冗談じょうだんだ!!……む?なるほど。冗談じょうだんでは無いのか。それは一大事いちだいじだなぁ。よし。この青龍せいりゅう、今だけ貴様きさまに手を貸そう。」

12

「ほざけ青龍せいりゅう!…みやこやぶれた。朱雀すざくは人間に捕まった、玄武げんぶがやられている!揶揄からかうているひまなど無いわ!!……頼むぞ。水と草木くさき貴様きさまにしか太刀打たちう出来できんのだ。」

13

「ふむ…よもやあの二柱ふたはしらやぶれようとはなぁ。一体何者なにものだ?…火炎喋かえんちょう使いの陰陽師おんみょうじだと!?なんだそれは聞いておらんぞ!!われ陰陽師おんみょうじは好かん!!好かんのじゃ!!引き返す!!!」

14

「まぁて待て待て青龍せいりゅう!!貴様きさま怖気付おじけづいたか!?なにが好かんだ、そのような事を言っている場合ばあいか!?この腰抜こしぬけがぁ、もうい!!われだけでやるわ!!引っ込んでいろデカいだけの腑抜ふぬへびめ!!」

15

「(ノック三回)ぬしさま、ぬしさま。お仕事のおじゃまをしてごめんなさい、たま、お魚のいけに鈴紐すずひもを落としてしまいました…ごめんなさい、たまひろおうとしました。そしたら、落っこちてしまって……ぬしさま。ごめんなさい、ぬしさま。……ありがとう、ございます。」

16

「人よ、同胞どうほう何匹なんびきほふってくれた人間よ。四国しこく八百八狸はっぴゃくやだぬきべる隠神刑部狸いぬがみぎょうぶだぬきと知った上で、何用なにようか。わしらをあやかしと、けたものと知りながら、わしらに何をたのむと言うのか。…聞くだけ無駄むだな事だったか。わしらは人にうらみ持ちし者。この場に来て力をせと来るのならば、蛮勇ばんゆうよ。返りちにしてくれるわ」

17

今宵こよい今晩こんばん此刻このときは、貴方の為にささげましょう。この一時ひとときよろしければ、貴方あなただけにささげましょう。とは言えこのうごけぬ、貴方の御声おこえに耳をかたむける事しか出来ませぬ。貴方の御姿おすがたを見つめる事しか出来ませぬ。れでもかまわぬとうのなら、私の時間を貴方にあげましょう。」

18

「おや、これは失敬しっけいわたくし八咫烏やたがらす黒羽くろばね一門いちもん頭目とうもく、〇〇と申します。此度こたび貴女方あなたがた諸用しょよう有りましてまかりこして御座ござい。ようというのはやすく無きもの、貴女方あなたがたにしか頼めぬ事柄ことがら御座ございます。どうぞ烏一族からすいちぞくを救うおつもりでお受け頂けませんでしょうか。…よろしい。それではこの願い、聞いたからには達成たっせいされなければいけないおつもりで。八咫烏やたがらす白羽しろばね一門いちもん頭目とうもく白露はくろの暗殺をお願い致します 」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る