孫の顔がみたい
紅赤
孫の顔がみたい
「なぁ息子よ」
「なんだ父親」
「お前、今年いくつになる?」
「え、25だけど」
「そうか……大きくなったな」
「なんだよ突然。気持ち悪い」
「………………」
「………………」
「なぁ息子よ」
「なんだ父親」
「お前……結婚しないのか?」
「……え?」
「お前は25歳。お父さんは57歳だ。
お父さんだって孫の顔をみたいと思っている。
なのにお前は女っ気の一つもない。
お父さんは心配しているんだ。
もしかしたら、お父さんはおじいちゃんになれないのかなって。
一生、息子の父親のままなのかなって」
「……おじいちゃんになりたいの?」
「おじいちゃんになりたいっていうか……せっかく『Father』になったんだから、
ワンランク上の『GrandFather』にもアップグレードしたいんだよ」
「そう言われてもなぁ……彼女いないし、作りたいと思ったこともないし」
「なに? お前もしかして二次元にしか興味ない感じ?
異世界に行ってモテモテになりたいと思ってる男?」
「別にそういうわけじゃないけどさ……ってか、別に異世界には行きたいと思ったことないから」
「そういうの嫌いなのか?」
「いや、別に異世界ものが嫌いなんじゃないんだよ。
たださ……切なくない?」
「切ない?」
「だってさ、主人公は異世界に行って初めて自分の運命の相手と結ばれたんだぜ?」
「いい話じゃないか。どこが切ないんだ?」
「死なないと結婚できなかったってことじゃん」
「……たしかにそうだな」
「生きたまま転移したかもしれなくても、地球にいる80億人の誰とも結ばれないんだぞ?
運よく異世界に行けただけで、行けなかったら一生独身。
悲劇だよ、ひ・げ・き」
「……じゃあ、お父さんは一生孫の顔は見れないのか?」
「安心しろって。俺は異世界に行かないし、結婚したいと思ったらするからさ」
「それはいつになるんだろうな」
「なに? 今すぐ見たいの?」
「なるべく早くは見たいかな」
「そうか……」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……なぁ父親よ」
「……なんだ息子」
「……ち〇このことをさ、"ムスコ"って表現するじゃん?」
「突然どうした?」
「息子の息子が孫ならさ、
父親にとって、息子の
「いや、ただの息子のち〇こだろ」
「俺が
「その理屈が通るならお前が生まれた時点で孫の顔みてるよ」
「良かったじゃん。もうおじいちゃんだ」
「あーなんだろ。息子の育て方間違えたかな」
「
「いや
「あー俺の話か」
「あとその理屈だと、
「そっか、俺って次男だったんだな」
「お父さん、自分のち〇こを長男って呼ぶのスゴく悲しい」
「でもさ、ち〇こも子供も似てないか?」
「何が?」
「(亀)頭なでてあげると、立(勃)ち上がるほど喜ぶだろ?」
「どんなオチやねん」
孫の顔がみたい 紅赤 @aka_kurenai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。孫の顔がみたいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます