第2話 アホとバカ
『いつやるかわからないけど、奈良から名古屋まで歩きます!!』
翌日、SNSアプリでそう宣言した。
どんな感じになるのかどんな道なのかそんなことを想像しながら大学へ行く準備をした。
"ピコン"
スマホの通知がなった。
スマホの画面を見てみると双子の妹からメッセージが届いていた。
『投稿見たけど、アホやん』
自分がアホなこと理解していると思いながらメッセージを返した。
『アホだよ』
『最高だぜ』
『イカれてるくらいがちょうどいい』
『さすが。私は3月にカンボジア行く』
『ええやん』
妹とはこんなメッセージをしているが仲良くなったのは高校卒業するあたりからだ。別にめちゃくちゃ仲が悪かったわけではないがお互い高校が違ったため家ではほとんど合わなかったり、すぐに喧嘩することをお互い分かっていた事もあり一緒にいることがほぼ無かった。お互い陸上をやっていたので試合会場まで親に送ってもらう時くらいしか一緒にいることがなかった。まぁ多分双子ってそういうものだろう。
時計を見ると家を出る時間になっていたのでチャットアプリを閉じ家を出た。
大学まで徒歩で大体40分くらいかかる。入学当初は長く感じたが慣れてくるとすぐ近くに感じる。感覚というものは不思議なものだ。
大学に着き、講義のある教室に向かった。
「よう、遊馬」
「お前、今日早いな」
「悪いかよ」
「いや、別に」
席につくなり話しかけてきたのは、僕と直人と同じサークルに入っている春樹だった。
「せや、遊馬、投稿見たよ。バカだろ」
「バカだよ。しかも似たようなこと妹にも言われた」
「あ~、みつきだっけ?」
「ちげぇよ。みづきな」
「それや」
「いい加減覚えろ」
「すまん、すまん」
心の中でこいつ覚える気がないんだろうなと思いながらその後も会話をした。
講義が終わり、机の上を片づけ、春樹と教室を出た。
「遊馬、昼飯どーする?」
「今日飯作ってきたで部室で食う」
「おけ。購買だけよらせて」
「だけってなんだよ」
「まぁまぁ気にすんなよ。すぐ買ってくる」
春樹が買い物を終え、部室へ向かった。
「お疲れ~」
「まいど~」
部室に入ると直人とサークルの同期の奏多がいた。
「おつ~」
「お疲れ。ひろ、見たで投稿。バカやな」
「奏多、お前で3人目や」
「なんかすまん」
「まぁ、バカって言われた方がやりがいあるしな」
「なんやねん、それ」
その後いつものようにくだらない話で盛り上がった。
全ての講義が終わり、直人たちと別れ家に帰った。
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