第26話

休日


 今日はお兄ちゃんとやっと話せる日だ。


 色んな思いを複雑に感じて、でもお兄ちゃんと話したくてこの日を待ち侘びていた筈だった。


 なのに、今お兄ちゃんと話すと彼女さんのことを話されて心が締め付けられるかも知れないから、上手く話せないでいる。



 「あぁーーーーーーーー!」


  上からお兄ちゃんの声が聞こえる。



 「お兄ちゃん大丈夫??」


「携帯こわさきゃ良かったーー!!」


 「お、お兄ちゃん」


 「と言うか本当にこれから連絡どうしよう??」


お兄ちゃんは声を抑えられないほど、焦っている。


 「お兄ちゃん、その」


「・・・何??と言うか、あ、そう言えば今日からだったな。」


「う、うん。だからそのお兄ちゃん」


「・・・お兄ちゃん見ての通り、青春で忙しいんだ。あとにしてくれ」


「あの、お兄ちゃん」


「だから何??」


お兄ちゃんはイラッとしている。そりゃそうだよね。こんな時にイラつく相手と話しかけられてるんだから


 「私の携帯使う??」


「マジで??」


 本当は凄く嫌だけど、お兄ちゃんと少しでも仲良く出来るならこれしかない。


 「貸してくれ」


「良いよ」


そして、お兄ちゃんは私の携帯を使ってすぐに電話をかけた。


 

 私はもしかすると、敵に塩を送ってるだけなのかも知れない。


 けどもうこれしかお兄ちゃんと仲良くなる方法ないから。

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