第148話 王都復興
さて、再統一を行い、新たな国を作り上げてそれで全て解決!という訳にはいかなかった。まずはこのボロボロになった王都の再建である。
家などが破壊されて困っている人々、瓦礫の山と化した王都内部の瓦礫撤去、そして、それらの人々に食料を与え、家などを再建する。
やるべきことは山のようにあった。そして、そこで大きな力となったのが、やはりエルの使う使役竜たちである。
ワイバーンは遠距離の辺境伯領や王都近くの貴族の領土から復興支援のための大量の木材や煉瓦などを空輸によって高速で王都に対して運搬を行う。
王都近辺にいる貴族たちは、元は中立派、つまり今まで人類至上派に媚びを売っていて、エルたちが頑張って王都を占拠した途端にこちらに力を貸すようになった、いわゆるコウモリどもである。生き残る事に特化している、したたかな存在である、といえば聞こえはいいが今まで必死に戦い抜いてきた保守派からしてみたら面白くないことこの上ない。
そこで、ルーシアは彼らの締め付けのために、王都復興のための財源として彼らの財布を利用することにしたのだ。
「自分たちの国の王都を復興させるのに協力するのは当然だよな?(威圧)」と脅して元中立派の金を落とさせて弱体化させようというのである。
だが、意外だったのは、もっとゴネるかと思っていた彼らが意外にすんなりと金を払う気になったことである。彼らからしてみたらこれも生き残ってヘイトを回避するための必要代とでも考えているのかもしれないが。
(こう出てこれると、こちらも強く出れないか………。向こうにも多少なりともいい所を与えないとな………。)
ここで気に入らないから、と彼らに攻め込んでしまっては絶対にまた内乱になるし、そんな余裕もない、ここがお互いの落としどころか、とルーシアは心の中で呟く。
ともあれ、そんな元中立派の支援(無理矢理)もあって、ワイバーンたちの手で大量の資材が王都へと運搬されていた。
「引っ張ってくれー!そのまま、そのままー!」
もちろん地竜たちも役に立っていた。エルの命令で信用できるレジスタンスたちの命を聞くように指示された外骨格地竜たちは、まさに瓦礫撤去作業の大型土木機械と化して大活躍していた。
大型の瓦礫も縄をつけて引っ張れば軽々と動かすことができる。撤去した瓦礫も荷馬車に乗せて地竜が引っ張れば一気に大量の瓦礫を運搬することができる。
「うおおお!すげぇ!あんなに大量の瓦礫をあっさりと片付けることができるなんて!!」
「さすが竜様の下位竜だ!!これほどの力があるなんて!さらにメシもただで食わせてくれるとか太っ腹すぎる!」
その竜たちの活躍により、竜たちやエルたちは市民たちにも大いに受け入れられていることはエルたちにとっても大きな一歩なのだ。
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