第147話 アルビオン新生共和国
「ま、待ってくれ!!知ってることは全て話す!!だから殺さないでくれ!!」
捕らえられた首脳部のほとんどはべらべらと実によく話した。しかも、拷問どころか尋問もされない状態で自分から話していったのである。
そのあまりにも情けない同胞の状況に激憤する者もいたが、それもあくまで少数派である。
「き、貴様ら!!自分たちは大口叩いておいてそれか!!恥はないのか恥は!!」
「うるさい黙れ!!お前だって命が惜しいくせに!!」
そんなあまりにも見苦しい彼らの姿を見て、ルーシアは思わず頭痛を覚えながら尋問室を後にする。あの状態では嘘をつくなどという事すら考えられまい。
情報を引き出すだけ引き出して処刑を行う。それが彼女の判断である。というか、もうこんな奴らを生かしておいても何もいいことはない。さっさと罪が軽いものたちから彼女は処刑するように命じた。
罪が比較的軽いものたちは、城壁の歩廊に首に縄を付けられ、そのままずらりと並べられる。そして、その真下には数多くの市民たちが取り囲んでありったけの悪口やら石をすでに投げはじめている。
そして、喚きだす彼らを次々と突き落として首吊り状態になった首脳部の皆を、市民の皆はさらに叫びながら猛烈な勢いで無数の石が投げつけられていく。
そんな彼らを見て、市民もレジスタンスも大歓声を上げていた。処刑を楽しむのは悪趣味といわれるかもしれないが、恨み骨髄の首脳部を処刑するのならこれくらいになるのは仕方ないだろう。
もっと罪の重い者たちは、馬を使った八つ裂きの刑で最後の最後まで皆「死にたくない!死にたくない!」と泣きわめいていたが、「死ぬのが嫌ならあんな事するな!」という一喝でさらに泣きわめきながら処刑されていった。
そして、処刑を終えたルーシアは、国内の市民や国民たちに対して、魔術通信で大々的に堂々とした顔で宣言を行う。
「ここに我々の国を壟断していた者どもは処刑された!!これにより王国は再統一され、新たなる国『アルビオン共和国』を作り上げることをここに宣言する!!」
王政ではなく共和国を選んだ理由、それはもはやまともな王家の血筋がユリアたち二人ぐらいしか生き残ってなかったからである。
旧王国の官僚なども気骨のあるものたちはほとんど処刑され、言いなりになるものたちしか残っていない。この殆ど王家が力を失った状態では、王家が旧保守派の言いなりになることは目に見えている。
(さて、ここからがまた大変だが………。やるしかあるまい。前途は多難だけどな。)
国を再統一したはいいが、これからも厄介事が山のように飛び込んでくるだろう。ルーシアは思わず心の中でため息をついた。
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