第140話 レギオンVS辺境伯軍

「アアアアア!!」


 地竜やワイバーンたちの連携によって、レギオンたちは次々と殲滅させられていく。

 いかにレギオンといえど、ティフォーネやシュオールたちの使役竜たちが纏めて襲い掛かってきては溜まったものではない。

 地竜の体当たりを受けて、取り込むどころか逆に地竜に食われてしまうすら行われている。レギオンでは外に装甲を持っている外骨格地竜を取り込むことが難しいのは幸いといえた。

 そして、その中でも問題は辺境伯軍である。基本的に普通の人間たちである辺境伯軍でこんな怪物たちに対抗するのは難しいだろうが、それでもこちらだけの負担を被るのは勘弁してもらいたい。できる限り何とかしてもらいたいというのが本音だ。


「恐れるな!陣形を組め!!たとえ怪物であろうと我々の力は通じると示すのだ!!」


 辺境伯ルーシアがそう言葉にすると、彼らの軍は\_/の形に陣形を変化させる。

 中央部に火縄銃部隊、斜めにそれぞれ弓矢と攻撃魔術師たちを配置し、この中央部に敵を誘き寄せて集中砲火を仕掛けるという陣形である。

 だが、これは中央部に来てくれることが前提で、例えば斜めの部分に突撃されたらそれだけで陣形が粉微塵に崩壊してしまう。


(仕方ない。ここで殲滅されても困るしな………。うまくやってくれよな!!)


 それを見ながら、エルはワイバーンを動かしてうまくレギオンを誘導しながら、陣形のど真ん中に突っ込ませるように誘導していく。

 さらに足止めなどもする必要もあるか、と陣形の真ん中に突っ込んできた瞬間に、エルは魔術をかけていく。


『食らえ!!『足止め』ッ!!』


 そのエルの呪文によって、地面が変形しそこから土で作られた無数の腕が湧き出て、レギオンを束縛していく。

 これは、エルが得意とする土の魔術であり新しく開発した魔術である。

 土から湧き出た無数の腕によって対象を束縛する。まだまだ束縛する規模が小さいためこの戦いでは役に立たないかと思ったが、こういう限定的な状況ならうまくいく。

 そして、その呪文を食らって暴れまわりながらも止まっている怪物たちに辺境伯軍の攻撃が炸裂する。流石のレギオンもこれだけの猛攻を食らってはひとたまりもない。


「撃てー!!全力で叩き込めー!!」


 魔術師の魔術攻撃が、無数の弓矢が、三列の交互の火縄銃の攻撃が一斉にレギオンへと叩き込まれる。

 さらにそれだけでなく、後方の大砲の砲撃も同様にレギオンへと命中する。こうして、人類側の攻撃が次々にレギオンへと命中していった。




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