第137話 生体兵器レギオンVSワイバーン2
ワイバーンたちは、空を飛行しながら次々に雷撃をレギオンへと叩き込んでその肉体を焼き尽くしていく。さすがにレギオンの再生能力でも、ワイバーンたちの雷撃をまとめて食らって黒焦げになってしまっては動けないらしい。
いかに再生能力があるとはいえ、その元の素材は人間である。人間の肉体では高圧電力に耐えられるはずもない。
ずずん、と黒焦げになったレギオンの一匹は地面に倒れ伏す。
だが、それでもまだまだレギオンたちは存在しており、メキメキと無数の手を数十mを上空のワイバーンへと伸ばし、ワイバーンを無理矢理捉えると、そのまま腕を引き寄せて悲鳴を上げるワイバーンを自らの肉塊へと取り込んでいく。
そして、レギオンの肉塊からワイバーンの頭部が生えたような形状へと変貌した、レギオン・ワイバーンとでも言える存在は、その口からワイバーンたちに向けて迎撃の雷撃を放つ。
一度取り込まれたワイバーンも必死で抗っているが、それすらもレギオンは取り込んで自らの肉体へと取り込んでワイバーンの雷撃すら放てるようになっているのを見て、エルは思わず再度驚く。
『あいつらワイバーンすら取り込んでいるのか!!というか取り込んだワイバーンすら自由に操れるのか化け物め!!』
ワイバーン・レギオンは無理矢理取り込んだワイバーンの翼を生やして、空を飛ぼうとするが、一対の翼だけであの巨体は飛ばせるのは不可能らしい。
だが、大量にワイバーンを取り込んだのならワイバーンの飛行と攻撃力も取り込んでしまう最悪の可能性がある。
『ええい!とにかくワイバーンたちは近寄るな!遠距離から攻撃を仕掛けろ!』
ワイバーンたちは飛行しながら無数の雷撃を叩き込んでいく。出来る事なら、市民やレジスタンスたちをカバーしながら攻撃を仕掛けてほしいが、そんな器用なことを命じられるだけのワイバーンがこなせるはずもない。
だが、そこで王都内部の家や様々な物を破壊しながら直進していたレギオンたちは、奇妙な行動を行う。
今まで逃げ惑う市民たちを貪り食うために襲い掛かっていたのが、明らかに動きが異なっている。上空を飛んでいるワイバーンたちを明らかに狙っているように、足止めしてワイバーンと戦う気になっているのだ。
これはやはり薄いながらも神の血を引いているレギオンたちが竜に対して戦闘意識を持ったのか、魔術的に豊富な魔力を秘めているワイバーンたちを取り込んで、ワイバーン・レギオンになりたいのか不明だが、それでも足止めできたのは事実である。
『よし!足止めができた!!今だ『石壁作成』ッ!!』
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