第136話 生体兵器レギオンVSワイバーン
「「「アアアアアア!!!」」」
王都の地下……人間牧場から現れたレギオンたちは、逃げ惑う市民や兵士たちを次々と無数の腕で捉えて肉塊へと取り込んでいく。
レギオンの肉に取り込まれた人間たちは、ずぶずぶとそのまま悲鳴を上げながらレギオンに飲み込まれ、さらに巨大に膨れ上がる。
放置しておけば、王都の人間たちが次々と飲み込まれかねない。
しかも、見るからに制御など取れておらず、手当たり次第に暴れまわっているようにしか見えないということは、魔術的な制御は行われていないのだろう。
恐らく、単純に暴れまわるだけの生体兵器として即興で作り上げただけの粗悪な代物である。レギオンは、人類至上派の兵士だろうが誰だろうが、所かまわずに踏みつぶし、次々と取り込んでいく。
「ま、待て!!我々は味方だ!!同じ人類至上派だぞ!それなのに何故……!ぎゃあああ!!」
命乞いをするが、次々と飲み込まれていく人類至上派の兵士たち。だが、そんな彼らの声など構わず、無差別にレギオンは兵士たちを踏みつぶし、肉体へと取り込んでいく。当然敵味方識別などできるはずもない。ただ暴走し、混乱させるためだけの生体兵器。それこそがレギオンである。
『一難去ってまた一難か!!ワイバーンたち!あの肉塊に対して攻撃を仕掛けろ!!』
結界がほぼなくなり、自由に入れるようになってきたワイバーンたちの群れは、エルの指示に従い、次々とレギオンたちに攻撃を仕掛ける。
大混乱に陥っている市民や兵士たちを他所に、ワイバーンたちはその鋭い爪や牙、そして空からの雷撃でレギオンに対して攻撃を仕掛けていく。
「「「アアアアアア!!!」」」
レギオンの肉塊の表面の無数の顔が絶叫するたびに、怨嗟の魔術が周囲に木霊し市民や兵士たちへと襲い掛かる。
だが、人間でないワイバーンたちにはそんなものは通用しない。次々と切り裂かれていくレギオンはその傷口から体液をまき散らしていくが、その傷もみるみるうちに修復していき、噛みついていたワイバーンですら取り込み、べきばきと無理矢理レギオン自らの肉体へと取り込んでいく。
その姿を見て、さすがのエルも驚いた。まさかティフォーネの使役竜すら取り込む力を有しているとは。恐らく薄いながらも神の血を引く貴族たちを使用した生体兵器だからという可能性が一番高いだろう。
このまま無数のワイバーンたちまで取り込まれてしまっては敵に餌を与えることになりかねない。
『ワイバーンたち!近寄るな!遠距離から雷撃を放て!!近くからの攻撃だと取り込まれるぞ!!』
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