第12話 ガチャを引く男



「ナイッッサーー!!」




六畳のノータッチエースに、脆弱高校は沸き立つ。



「さっき、あれだけミスって・・・それでも『速いの』撃つのかよ!」


「攻めの姿勢!いいねぇ!」



呆れ気味の称賛に、四冥は『複雑』だ。



「・・・」



(全然、速く撃とうと、思ってないし!)



1点取り返して

16-19



脆弱高校は3点ビハインド

2打目のサーブ



「さー、次も『速いの』いったれー!」



六畳のトスはまた乱れる。

(今度は、前過ぎ・・・)


ギリギリボールをプッシュする。



(届け!)



ネットまで届かないと思った、サーブはふわりとネットを超えて、ポトリと前に落ちる。


速いサーブを警戒し、不意をつかれた喜屋野のレシーバーは一歩が出遅れ届かない。



「・・・しゃあ!」



「ナイッサー!」

「ナイス緩急!」



沸き立つ横で、

我知也はニヤつく。

「あいつ、ガチャ引くみてぇにサーブ撃ちやがる」



3打目



(今度はトス良い感じ)


六畳のサーブはハーフスピードで相手コートに飛んでいく。



「妥協サーブ、余裕ぅ!」



喜屋野リベロのしっかりボール下に入ったレシーブ。

ボールを受ける瞬間



ごりゅりゅ



奇音を立てて、ボールは腕から零れ落ちる。



「・・・は?」



ここから、六畳四冥の本領が発揮され始める。


























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冥域のピンチサーバー 続編 @haidoroponnpu

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