第11話 脆弱高校の大砲



六畳はコートに入る。




佐保さんと入れ替えで

サーブからのメンバーチェンジ


(サーブ・・・)


自身の事は自分が一番わかってる。


サーブしか練習していないのに、第一セットのサーブを外しまくる体たらく・・・



(物欲センサー)




緊張、焦り、見栄、力み

確かに我知也の言う通り、さっきは、自分を見失ってたな・・・



(バレーボールの体を成す)



なら、自分のやるべき事は、サーブをコートに入れる事。


『遅いサーブ』をとにかく入れる。


たとえ相手のチャンスボールになろうとも、サーブ外すより、まだチャンスがある。



四冥はゆっくり停止して助走に入る。




遅い助走・・・




喜屋野のレシーバーは誰もが感じる。これは遅い『入れるだけのサーブ』が来ると



あー・・・



(やっば!)


トスが流れて前にズレる。

空中で、四冥は、少しズレたトスを修正する為に、グッと背筋で溜めを作る。


ずっとボールを見て、合わせにいく、手とボールが、当たる瞬間、それは一気に爆発する。



ドンッ!!



一閃、その高速サーブはコートに刺さる。



(速いのがいった)



それは四冥の全く予期しないサーブだった。


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