第9話 突破口



15-15





喜屋野高校と脆弱高校のスコアは並んで拮抗する。


(くそう、どうしても『決め手』に欠ける・・・)



喜屋野高校のタイムアウト、



セッターの焦りの顔を察して、トスを上げてもらえず拗ねていた大砲が口を開く。



「俺が、悪かった!」



頭を下げて謝ったのだ。

「弱い学校のブロッカーだと相手をナメて意地になった・・・今度はちゃんとやる」


「大砲・・・」



一方、



脆弱高校サイド


「いやー、なんかバレーやってるって感じするよなぁ」

「ウチが競るなんてなー」


いつも一方的にボコられるだけだったが、そんなウチが白熱したシーソーゲームしてる事に『満足』している部員が大半、


「お前らもっと『緊張感』持てよ!」


部長はゆるい彼らを注意した。



競り合ったゲーム・・・

俺のミスで・・・



「ん?佐保どうした?すげぇ汗だが?」


「何でもない」


ミドルブロッカー佐保が滝のような汗をかいていた。




$$$




タイムアウト開け、

脆弱の弱いサーブから、綺麗なレシーブが、セッターに通る。


そして、セッターは、大砲にトスをあげる。



(大砲!?馬鹿め!また、加部の餌食だ)



加部もしっかり、大砲に合わせてブロックに飛ぶが、



どーん!!



大砲のスパイクは、加部のブロックをすり抜ける。



(今まで、ずっとクロスだったのに、ストレート撃ってきやがった!!)



大砲はニヤリと笑い、その後吠えた。




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