第6話 仲間に全てを託す両チーム



「どうなってんだ?」




第二セット、タイムアウト

大砲のアタックを、ブロックで止めれている事に、むしろ脆弱高校が驚く。



「ウチの『ひょっこっと飛び出るだけの海藻ブロック』が撃ち勝っている・・・だと?」


「言い方!」



「まぁ、通用してるの、加部だけだけどな、他の奴らは軒並み、素通りか、吹っ飛ばされてる」



部長は部員全員に伝える。


「なんか知らんが、今日の加部は相手エースと噛み合ってる!・・・大砲のマークは加部に任せよう」


「「異論無し」」


「とはいえ、他の奴らの対処、ちゃんとサボらず飛べよ?」



「う・・・うぃーす」




(なんかウチの作戦って、いつも場当たり的だな・・・)






$$$






「俺に集めてくれ!!」



大砲は、リードされてさらにムキになり、冷静さを失う。



喜屋野のセッターは迷う。


『ここまま、エースに託すか、あきらめて、他の奴中心で攻めるか?』


弱いチームなのは間違いないが、『嫌な予感』はある。なんとしてもこのセットは取り切りたい。


(焦んな・・・)


第一セットは取ってるから、まだ余裕がある。エースを無視した場合、大砲が機嫌を損ねて、チーム全体の雰囲気が悪くなるのが、怖い。



「大砲聞け!・・・お前はこのチームのエースだ」


「お、おう」


「認めろ・・・確かに脆弱のあのブロッカーは強い」


「だが、これから勝ち上がるたび、あの程度のブロッカーは何人も立ちはだかって来る・・・ストレート撃ち、フェイント、方法は任せる、何としてもあのブロッカーを突破しろ!・・・できるよな?」



「ああ、俺に任せろ!!」



だが、




「だりゃあああ!!!」



脳筋の大砲は、セッターのアドバイスを『理解』する事無く、果敢にブロッカーに挑んだ結果、暴発を繰り返し、



喜屋野は第二セットを落とす。



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