第4話 やっぱり勝てないじゃん
自陣コートに、大砲の一撃が降り注ぐ。
体育館の床が壊れそうなほど、良い音が響き、空気が痺れるほど揺れる。
脆弱高校の守備は穴だらけで、最早、スパイク練習の様に淡々と試合が進む。
勝負慣れしていないメンバー達、作戦通りいかなかった時の『わたわた』でどんどん点差を放される。
25-9
二桁乗らず、第一セットを落とした。
「お前らしゃんとしろ!」
部長の檄も虚しく、誰もが下を向いて眼が死んでいた。
そもそも、前の試合の『神がかった奇跡』をあてに勝とうとしたのが、ちゃんちゃら可笑しかったのだ。
『身の程をわきまえる』
その言葉の通りするならば、弱小 一回戦負け常連 雑魚 高校さっさと負けて、コートを去るべきだ。
第二セット目・・・
相手エースの『あーめんどくせぇなぁ、とっととこいつらに引導渡して、次の試合の準備すっか』
と言いたげな煽り顔に、若干ムカついても、文句など言える訳はない。
綺麗に上がるレシーブ
乱れのないトスからの、大砲の助走・・・
所詮、脆弱高校は、その圧倒的スパイクに、黙らされるだけの雑魚・・・
パァン!!
放たれた大砲の直撃した場所は、自陣では無く、『相手コート』だった。
「・・・ナイス、ブロック」
『一人のブロッカー』がその大砲をドシャットで跳ね返したのだった。
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