第3話 撃ち下ろされる大砲
ドぅウン!!
試合前の練習、相手エースから放たれたスパイクはインパクトの瞬間爆音が鳴り響き、周囲の空気を揺らす。
誰もがその殺人的な威力を目で追い、シィンと黙り込む。
「ヤベェな、相手」
脆弱高校の方はどう考えても、練習に身が入っていない。というかほぼ初めての一回戦勝ちで、地に足つかずに舞い上がっている。
だが、部長はそんな後ろ向きな部員達にキレない。
何故ならば、彼と監督には『ある秘策』があるからだ。
「スターティングは『六畳』でいく!」
監督の作戦、
六畳を一番最初にサーブを撃つポジションに据えて、たくさんサーブを撃ってもらうという戦略・・・
いつも的外れな采配ばかりの監督だが、今回は皆納得していた。最弱のウチが勝つ見込みがあるとすれば、六畳の謎サーブに頼るしか無いだろうと
「試合開始!」
六畳四冥の一投目・・・
汗をかきガチガチに緊張している様に見える・・・
ぱすっ・・・
サーブは自陣のネットにかかる。
・・・ん?
一ローテ回って、二投目
「アウト!」
・・・あれれ?
脆弱高校部員達に、焦りの冷や汗が流れる。
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