第2話 3回戦の相手




午後、




脆弱高校3回戦の相手は、「喜屋野きやの高校」だ。


超高校級エースストライカー、大砲葉夏たいほう はなつのいるチームで有名だ。




$$$




誰かがぼそりと呟く。


「奇跡の勝利の後、脆弱高校は次の試合で、あっさりと敗れ去った・・・」




あっさり、敗れ去った・・・




「今、呟いたの誰だよ!」

「俺じゃない」

「俺でもねーから!」




「狼狽えるなぁ、お前たち」



不安になる部員達に喝を入れる部長。


「俺達は、あの強豪高校を破った!自信持て!」


と言うが、部員達はまだ疑心暗鬼だ。


(だって、あれ・・・六畳のサーブだけの偶然だし・・・)




$$$




脆弱高校、

一人の部員が、ぶつぶつと壁に呟きながら、


横に移動し、飛ぶ。

黙々とブロックの練習に余念が無い。


「こら、加部、次の試合行くぞ」


先輩の声にびっくりしてビビりまくる彼は縮こまる。


「すいません、自分、迷惑かけて・・・自分なんて、『壁とでも話しています!』」


そして、彼は、縮こまって壁と話し出す。



「壁じゃ無くて、俺と話してくれない?」



そのやりとりは何度目かわからない。



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