第1話 やっぱり転生した直後は森の中が定番だけどいざやられると地獄

「あの女神、ほんとふざけるなよ、」


目が覚めると森の中にいた、

本当に異世界に来たんだとわかるほどに周りは異質だった。

見たことないほどデカい鳥が空を飛び少し離れたところには兎のような見た目で角が生えた生物がいる。


(本当に異世界に来てしまったのか、こんなの無理ゲーだろ)


チート能力も貰えず森の中に放り出されてここからどうすればいいのだろう。

とりあえず荷物を確認してみる。


Tシャツにジーパンにスニーカー、持ち物はスマホと財布しかなかった。

スマホも充電がないようで電源がつかない。

こうなると本当に絶望しかないが、とりあえず人を探して歩き出す。


しばらく歩いているとやはりモンスターと思われる奴らがそこら辺にいた。

子供サイズの緑色のゴブリンらしきモンスターが3体いるが武器などを持っていない今の状況だととても勝てるビジョンが浮かばない。



とりあえず見つからないようにゆっくりと歩き始める。

見つかればどんな目にあうか分からない、慎重に息を殺して歩き身をかがめてゆっくりと進む。


なんとか見つからずに離れられたがそれだけでもう限界を迎える。

武器も持たずにモンスターに襲われるかもしれない恐怖は想像以上に気力を使った。


(なんで俺がこんな目に………)


異世界転生の小説などを見てはいたが実際自分がやられるとなると最悪だ。

チート能力がないため無双なども出来そうにない、転生物の定番は冒険者になることだが楽して生きていこうとしていた自分には体力、力なんかも無いためとてもやっていけるとも思えない。

そもそもまずこの森から出られるかすら分からない状態だ。

しばらくその場から動けずにそんなことを考えながら時間が過ぎていく。



30分ほどしてようやく立ち上がるが既に辺りが暗くなり始めている。

このまま森の中で夜を過ごすしかないため覚悟を決めて朧気な記憶を頼りに火をつけようとするがなかなか上手くいかない。

道具もないため木を擦り合わせるしかないのだがとても上手くいきそうにない。

そんな中辺りは真っ暗になってしまう。



真っ暗になると想像以上に森の中は怖い。

姿は見えないがモンスターと思われる獣の声などが聞こえていつ襲われるかわからない。

とりあえず木の上に避難するがとても安心して寝れるような状態ではない。


モンスターに襲われる恐怖に震えながら夜が明けるのを待つ。


(明日こそこの森から抜け出そう、人に絶対会うんだ。そうすればなんとかなるかもしれない!)


そんなことを考えて次第に疲れからか眠りに入る。

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