8-3:異端児、異端達の集まりへ
8-3:異端児、異端達の集まりへ
初めて京大を知ったのは、高一だった。
「大学見学会」というイベントがあり、各クラスで京大、阪大、神戸大等々に実際に訪れ、在校生の話を聞いたり、何をしているのかを見たりした。ついでに周辺の観光も。
その見学会で見た京大はほんの一部分だけであったが、雰囲気を身体で感じ取りこう思った。「行くべきところだ」と。今までは何となくどこか周りと合っていないような、そんな気が多かれ少なかれしていたのだが、ここでだけはほんの少しもそれを感じなかったのだ。その後東大も阪大も見に行ったのだが、楽しみつつもどこか壁を感じてしまい、京大を目指すという気持ちはどんどん強固になっていった。周りの皆が様々な事を考え志望校選びを真剣に進める中、僕はもう随分と早期にゴールだけは決めていた。
私立との併願さえ全くする気がなく、一応中後期で他大学(具体的には今で言う公大、アクセスが非常に良かった為)も受験はしたが、気持ち的にはほぼ京大一択。本番時点で、他のところでは今までと大きく変わらない、自分を最も良い方向に突き動かす選択肢だという確信めいたイメージが完全についていた。後に当時大変良く面倒を見ていただいた教師の方々曰く一番の勝因はここにあるとお聞きしたが、とはいえ当然ながら極めて難関な大学、決して気持ちだけで走り切れるほど簡単な道程では無かった(実際、一浪したし)。それでも何とか最終的に切符を掴み取ることが出来た。
色々あってかなり自分に対して自信を持てなくなっていた僕だが、この時本当に多くの方々から祝福のメッセージをいただいた。両親、予備校でお世話になった方達、高校の同級生等々…。
そして、しばらく疎遠になっていたが、一足先に大学へ進学していた彼女からも祝福と、これから一気に世界が広がるというメッセージを貰った事も、うろ覚えではあるが記憶にある。実際に行ってから、その言葉の意味をこれ以上無いぐらいに思い知る事になった。またここから、しばらく止まっていた彼女との時間を極めて少しずつではあるものの動かし始める事となったのだった。
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