2-1:突然打ち明けられる想い

第2章(中学時代①)

上るかどうかはさておき、初めに大人の階段を見つけたのは彼女だった


2-1:突然打ち明けられる想い


 皆様は、小学校→中学校の進学について、どれぐらい頭に残っているだろうか。

 大切な友達や、お世話になった先生との別れとか、逆に行った先での新しい出会いとか、何かしら思い出はあるだろうか。人によっては、中学受験を経験していて、つらかったとか、受験して良かったとかもあるかもしれない。


 僕はというと、まあ包み隠さずに言ってしまえば、小学校高学年の何も分かっていないペーペーのままで、何か通い先が変わったなぁ、ぐらいの感覚であった。小学校と中学校が目と鼻の先で、一緒に通う面子も8割ぐらいは変わらず、というのもあってか、着ている制服が違う、ぐらいの違いしか理解出来ていなかったのだ。そのうえ、着る制服も兄のお下がりであり、新鮮味なんてものは笑ってしまうぐらいに無かった。


 そのように相も変わらず周りの存在を忘れ、どこか自惚れた状態のままで、完全に「小学生の延長線」としての中学生活のスタートで、前の六年間とあまり変わらない三年間を過ごしていく…はずだったのだが、実に三年ぶりにクラスメイトとなった彼女と交流を始める事によって、単なる延長線から確実に違うものへと変化していく。


 その変化の全ての始まりは…彼女に突然「貴方の事が好きだ」と告白された事だった。

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